平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

高度プロフェッショナル制度の行き着く先~過労死か? 企業内テロか? 資本主義の終焉か?

2018年05月23日 | 事件・出来事
 本日にも〝働き方改革法案(高度プロフェッショナル制度)〟が強引に採決されるらしい。

 現状では、〝年収1075万以上〟〝金融ディーラー、コンサルタントなどの特殊な職業〟に限定されているけど、どうなんだろう?

 財界は最終的に年収400万以上を希望しているらしいしね。
 派遣社員の制度に関しても、小渕内閣以前は特殊な職業に限定されていたのに、徐々に対象が拡がり小泉政権で完全に自由化された。
 蟻の一穴で、いったん穴が開けば、さらに拡大したくなるのが人間の欲望だ。
 現在の限定的な集団的自衛権もいずれ範囲が拡大していくだろう。

 高度プロフェッショナル制度の怖ろしい所は、成果を決めるのが〝雇用側〟だということだ。
 たとえば、
 雇用側は1日18時間かけなければ終わらない仕事を課すことが可能。
 労働者は残業代なしで唯々諾々と働き、終わらなければ給料を減らされ、終わればさらなるノルマを要求される。
 仮に過労死しても労働時間の把握ができないので、労災認定が難しい。
 かくして現代の奴隷制が誕生だ。

 まあ、これは最悪のケースですけどね。
 でも現実を見れば、過労死された方は皆こんな労働を強いられていた。
 これが〝高度プロフェッショナル制度〟の名のもとに合法化される。
 経営が苦しくなれば経営者は、ひとりに3人分の労働を課すだろう。
 そうすれば、ふたり分の人件費が浮く。

 まあ、これは経営者が無能だからなんですけどね。
 人件費を削らなければ利益を出せない経営者の無能。
 これが〝グローバル経済〟の宿命だというのなら、グローバル経済自体が間違っている。

 だから藻谷浩介さんの『里山資本主義』のように、あまり欲を抱かず自給自足で小さく生きるのが、これからの経済活動かもしれないね。
 外食もしなければ、自動車も電化製品も買わず、服も修繕して使う。
 そうすれば経団連の連中はあせりだすぞ。
 だって自分たちの製品が売れなくなるんだから。
 というか、今は実際そうなっている。
 アベノミクスの金融緩和でどんなにお札を刷っても、デフレから脱却できないのはそのせい。
 デフレから脱却するには、企業は給料を上げ、政府は消費税などの税金を下げればいいんだよ。
 安倍も経団連もどうしてこんな逆手ばかりをやるのかね?
 おまけに安倍がやってることは、経済成長にまったく寄与しないお友達のバカ大学にカネをバラまくこと。
 そりゃ、庶民はバカバカしくて希望はなくなるよ。

 高度プロフェッショナル制度が行き着く先はどうなるのだろう?
 労働者の使い捨てか?
 ネットでこんなことを書いている人がいた。

『高プロの最終段階は、外食奴隷の最終段階と同じ。
 報復的な企業内テロに終わるでしょうね。
 みんな自殺してくれると低脳経営者は思っているが、そんなことはない。
 意外に末端にも企業生命の根幹が裸で放り出されていることをこいつらは知らない。
 それは「信用」というものですが、奴隷として使えば誰もそれを顧みない。
 いやむしろ報復として毀損していくことになるでしょうな。
 そういや、片岡義男の「スローなブギにしてくれ」だったか。
 牛丼屋のオカマ店長にこき使われていた主人公の若い男は、辞め際に仕込みの終わった牛丼の大なべに漫画雑誌を投げ込んでいく。
 この程度のことはいたるところでほぼ全員やるようになる。
 原発のボタンだって、列車運行だって、警察の拳銃だって、ぜんぶ「信用」「信頼」があって初めて安全になる。
 しかし奴隷はそんなものに顧慮しません。
 むかついたらやり返すというのは、虫けら扱いされた連中の報復です。
 まあ日本社会は崩壊しますよ』

 面白い。
 ネットはときどきこういう言説に遭遇するから面白い。


※関連記事
 強行採決されそうな「高度プロフェッショナル制度」は、一億総ブラック企業従業員にする欠陥制度(ハーバー・ビジネスオンライン)
 弁護士さんが詳しく「高プロ」の問題点を書いています。

コメント (2)
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