平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒17 「ディーバ」 ~わたしは法には従わない。弱き人の嘆きに従う。劇中の「G案件」って現実でもありそうだよな

2019年01月02日 | 推理・サスペンスドラマ
「官僚というのは先々を見据えて黒いモノでも白というものなのです」

 現実でもこういうことありそうですね。
 内閣人事局で人事を握られている官僚は政治家に逆らえず、黒いモノを白と言わされる。

〝G案件〟という言葉も登場した。
〝ジェントルメンズ・ソ-シャルクラブ〟
 政治家、高級官僚、企業経営者で構成される利害集団。
 このクラブは利害だけでなく、国家観などの価値観も共有していて、その実現のために動く。
 思想・理念だけで動くから、賄賂のようなカネのやりとりが存在せず、犯罪に問えない。

 これも現実にありそうですね。
 たとえば、森友事件。
 教育勅語を子供に教える学校をつくるために政治家が暗躍し、官僚が動く。
 ここに賄賂は存在しない。
 その思想・理念は、天皇を元首にした古き良き日本の回復。
〝ジェントルメンズ・ソーシャルクラブ〟に該当するのは〝日本会議〟。
 理事長の籠池氏は日本会議のメンバーだったが、事件が発覚するや切り捨てられた。
 その姿は、同じくジェントルメンズ・ソーシャルクラブから切られた国会議員の敦盛劉造(西岡徳馬)とオーバーラップする。

 脚本の太田愛さん、暗喩を使いまくりですね。
 ………………

 こんなせりふもあった。

「正義を求めれば無傷では済まないのよ」

 歌姫の神崎瞳子(大地真央)が、レイプを告発しようとした敦盛槙(優希美青)に覚悟を迫った時のせりふだ。

 これはちょうど安倍官邸に近いジャーナリスト山口敬之が伊藤詩織さんをレイプして、官邸の圧力によって逮捕を免れた事件を思わせる。
 伊藤詩織さんは山口を告発し、記者会見を開き、結果として要らぬ誹謗中傷を受け、傷ついた。
 前述の瞳子のせりふはまさにこれ。

 脚本の太田愛さん、暗喩を使いまくりですね。
 というか、今の〝正義がおこなわれず弱者が泣きを見る〟理不尽な現実にかなり怒っているでしょう?

 そんな現実と戦う瞳子の信条は次のようなものだった。

「わたしは法には従わない。
 弱き人の嘆きに従う」
 ………………

 ミステリーとしては、かなり凝っていた。
 ネタバレになるので詳細は書かないが、
 
・一見バラバラに見える5人が実は共犯。
 5人は国会議員の敦盛劉造の犯罪を暴くために協力し合った。
 5人がバラバラだから警察は翻弄され、真相にたどり着けない。

・マンションの防犯カメラを利用した出入りの偽造トリック。

 トリックとしてはなかなか凝っている。
 ただ、後追いの説明が多く、ストーリーテリングがイマイチだったのが残念だった。

コメント
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