平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

3年A組ー今から皆さんは、人質ですー~景山澪奈が自殺した理由は何なのか? 人間の心の中を掘り下げ、醜さをあらわにする舞台劇! 

2019年01月08日 | 学園・青春ドラマ
「何に澪奈が苦しんでいたか?
 それはお前たちが自分で探せ!
 なぜクラスメイトが死ななければならなかったのか?
 卒業までの10日間でいっしょに考えるんだ!」

 生徒たちを人質にして立てこもっている3年A組担任の柊一颯(菅田将暉)が言った言葉だ。

 将来有望で注目されていた水泳選手の景山澪奈(上白石萌歌)の自殺。
 この自殺にはクラスメイトが関わっているらしい。

 生徒たちは澪奈の自殺から目を逸らし、別の理由をつくって自分を正当化しようとしている。
 だが、担任の柊はそれを許さない。
 生徒たちに澪奈の死と向き合うように迫る。
 ……………

 すごいドラマになりそうですね。

 人間の心の中をどんどん掘り下げていき<醜さ>や<闇>をあらわにしていく。

 今回の掘り下げは次のようなものだった。

① 澪奈は薬を使ったドーピングをしており、それが発覚してネットなどで叩かれ、自殺した。
 これだと生徒たちに何の罪も責任もない。
 ドーピングした澪奈やネットで誹謗中傷した世間が悪いということになる。
 しかし、柊はこんな結末では満足しない。
 次の掘り下げは──

② ドーピングのことでクラスメイトたちは澪奈を無視し、いじめた。いじめの結果、澪奈は自殺した。
 これだと生徒たちの責任は大きくなる。
 ドーピングはデマだったし、一生、背負っていかなくてはいけない罪となる。
 だが、これでも柊は満足しない。
 学級委員・茅野さくら(永野芽郁)に迫って、告白をさせる。

③ さくらは親友である澪奈を裏切ったのだ。
 澪奈のようにいじめられるのが怖くて、さくらは澪奈を無視した。

 ずっと罪の意識にとらわれていたさくらは涙を流しながら告白する。

「一番許せないのは私だ。
 澪奈は、ずっと友達だよって伝えたかった。
 私はそれに気づこうとしなかった。
 気づかないふりをした。
 怖かった。
 私も澪奈みたいにみんなに無視されるのが怖かったから。
 私は澪奈のSOSを踏みにじった。
 澪奈が自殺したのは私のせい……。
 ごめん……」

 自分の心と向き合い、醜さを告白したさくら。
 それは恥ずかしくて苦しいことだが、同時に救いでもある。
 罪を認め、心の中に抱えていたこと語ることで、さくらは救われた。

 では、柊はこれで満足したのか?
 柊に拠ると、澪奈の自殺の原因は、さくらではないらしい。
 柊は生徒たちに次の告白を迫る。
 次回以降も、生徒たちの心の闇が明らかにされていきそうだ。
 ……………

 完全に舞台劇ですね。
 シーンはほとんどが教室の中。
 役者さんは演じる人物の心の中を掘り下げて演技しなければならない。
 役者さんの力量が問われる作品だ。

 今回は永野芽郁さん。

 

 良い演技でした。
『半分、青い。』の鈴愛とは違う内向的な少女の役。
 澪奈を誹謗中傷するクラスメイトたちに怒って叫ぶシーンもよかった。

「ふざけんな……! ふざけんじゃねえ!
 あんたたちに何がわかるの!? 澪奈の何がわかるの!?
 澪奈はいつも凜としてて、結局、薬物なんてやっていなかった!
 情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはあんたたちじゃない!
 何で死んでまでも悪口言われなきゃならないの!?」

 最後に。
 この作品は澪奈役の上白石萌歌さんはハードですね。
 毎回、違った澪奈を演じなければならない。
 今回はさくらとの友情物語だったが、ラストシーンを見ると、澪奈には狂気の面もあるようだ。

 澪奈の自殺の真相は何なのか?
 柊は生徒たちに何を教えようとしているのか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする