平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「相棒」と「黄金の豚」における悪の論理

2010年10月28日 | 研究レポート
 「相棒 顔のない男~贖罪」で描かれた悪の論理。
 「一粒の麦死なば……」つまり大きな目的のためなら小さな命など失われてもかまわないという論理。
 でも大義なんてものはウソで、大物政治家・伏見享一良(津嘉山正種)の過去の汚職を拭い消すためだったんですよね。
 それを大義という別の言葉できれいごとにする。人を騙す。
 おまけに自分では手を染めずに他人を使う。実際の殺人に手を染めたのは元SAT隊員の上遠野隆彦(徳重聡)。おまけに犯行がバレそうになると、上遠野に死んでくれと勝手なことを言う。
 本当に権力者というのはどうしようもないやつらです。無恥と言ってもいい。
 大きな力を持っている人間のきれいごとこそ疑ってかかったほうがいい。

 もうひとつ「黄金の豚」第2話で描かれた悪の論理。
 「警察という組織の信頼が揺らげば、警察力は低下し治安が悪化する」「だから小さな不祥事は目をつむれ」
 これも「相棒」の「一粒の麦死なば……」の論理と同じだ。
 警察という大きなものを守るために小さなものは切り捨てられていいという理屈。
 おまけに内部告発した刑事を定年前に立ち小便で検挙し、見せしめにする。
 今回は警察署長ですが、やはり力を持ったやつというのはどうしようもない。
 力は弱き者のために使われなければならないのに、自分のために使っている。
 先日逮捕された大阪地検特捜部の証拠改ざん検事と同じ。
 警察権力というのはいつでも市民を拘束できる怖ろしい権力なのに、それを自分の出世のためとか守るために使っている。
 それに「警察という組織の信頼が揺らげば、警察力は低下し治安が悪化する」というのは本当か?
 確かに一時的には信頼や警察力が低下するかもしれない。しかし病巣を除く手術は速ければ速いほどいい。すべてが腐ってしまった時は、それこそみんな、やり放題。悪化どころではない秩序の崩壊だ。

 結論!
 上に行くと人間は腐る。
 組織にどっぷり使って疑問を持たなくなると人間は腐る。
 腐ってしまった人間にはご引退いただくしかない。
 そう言えば「黄金の豚」第一話では、社会保険機構の長官が逮捕される時「俺がいなくなったらこの国の社会保険行政はダメになる」と言っていましたが、そんなことはありません。
 あなたがいなくなっても組織はまわるし、逆に良くなっていく。
 傲慢、無恥な人間というのはどうしようもない。
 組織に必要なのは右京さんや敬礼をした刑事達のような<魂>を持った人間だ。



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