宿敵登場! という感じですね。
宿敵とは藤原頼長(山本耕史)。
「そなたの料簡を知りたかっただけじゃ。これだけの証拠を突きつけられながら、ひるみもせず、詫びもせず、それどころか法を罵り、浅はかな考えにて、国の仕組みを変えよと求める。私はこれより、そなたのようなものを粛正するべく、法を整え、政を行う」
頼長は体制側の人間。
法を厳格にして、横行する悪を根絶しようとする立場。
現状の腐敗した、ふやけた政治を守ろうとするのではなく、政治の力を強くして、世の中を自分の才覚のもとに管理していこうとする立場。
現在で言えば、志の高い<霞ヶ関の官僚>だ。
一方、<規制緩和>しようとするのが清盛(松山ケンイチ)。
宋との貿易を官が管理するのではなく、民間に自由に任せろという立場。
その方が、経済が活性化し、民がうるおい、イキイキとするという立場。
信長の楽市楽座のさきがけみたいな感じかな。
というわけで大河ドラマに経済の要素を持って来たのが面白い。
大河ドラマの登場人物が権力者である以上、<経済>を描かないのはやはりおかしい。
平家が密貿易をしていることがバレてもお咎めなしなのも、武家としてそれなりの発言力があるのも<豊かな経済力>が背景にあるからなのだ。
この点、『平清盛』は骨太だ。
<文化>が描かれるのも面白い。
毎回、佐藤義清(藤木直人)を要として紹介される和歌。
今回描かれた菊酒。
前回、清盛が枝に歌を結んで、明子(加藤あい)に気持ちを告げたのも実に雅。←代作でしたが……
このように実に内容豊かな『平清盛』。
脇役たちの描き込みもしっかりしている。
璋子(檀れい)と得子(松雪泰子)も葛藤も<水仙と菊>で見事に表現されている。
兄・清盛と対照的な、家のために結婚相手を決めてしまう家盛(大東駿介)の描き分けもいい。
源氏パートは今回はコメディ。
義朝(玉木宏)は東国の荒くれどもと戦っているのを「いい武芸の鍛錬になる」と強がり。
由良姫(田中麗奈)は「○○○と父が申しております」とツンデレ。
高階通憲(阿部サダヲ)は何となく清盛の軍師みたいな感じだし、兎丸(加藤浩次)はかっこいい。
兎丸は清盛に言う。
「落とし前をつけてもらおうか。いつかお前が作れ。宋と商いをしてイキイキと豊かな国を。その手伝いだったらしたってもいい」
もってまわった言い方をして、みんな素直じゃないんですね。
そして最後に、清盛の屋敷は、みんなが<バカ笑い>をして実ににぎやか。
これは陰謀うずまく宮廷とは実に対照的だ。
今回は、清盛に経済人・政治家としての顔が見えてきた話でした。
宿敵とは藤原頼長(山本耕史)。
「そなたの料簡を知りたかっただけじゃ。これだけの証拠を突きつけられながら、ひるみもせず、詫びもせず、それどころか法を罵り、浅はかな考えにて、国の仕組みを変えよと求める。私はこれより、そなたのようなものを粛正するべく、法を整え、政を行う」
頼長は体制側の人間。
法を厳格にして、横行する悪を根絶しようとする立場。
現状の腐敗した、ふやけた政治を守ろうとするのではなく、政治の力を強くして、世の中を自分の才覚のもとに管理していこうとする立場。
現在で言えば、志の高い<霞ヶ関の官僚>だ。
一方、<規制緩和>しようとするのが清盛(松山ケンイチ)。
宋との貿易を官が管理するのではなく、民間に自由に任せろという立場。
その方が、経済が活性化し、民がうるおい、イキイキとするという立場。
信長の楽市楽座のさきがけみたいな感じかな。
というわけで大河ドラマに経済の要素を持って来たのが面白い。
大河ドラマの登場人物が権力者である以上、<経済>を描かないのはやはりおかしい。
平家が密貿易をしていることがバレてもお咎めなしなのも、武家としてそれなりの発言力があるのも<豊かな経済力>が背景にあるからなのだ。
この点、『平清盛』は骨太だ。
<文化>が描かれるのも面白い。
毎回、佐藤義清(藤木直人)を要として紹介される和歌。
今回描かれた菊酒。
前回、清盛が枝に歌を結んで、明子(加藤あい)に気持ちを告げたのも実に雅。←代作でしたが……
このように実に内容豊かな『平清盛』。
脇役たちの描き込みもしっかりしている。
璋子(檀れい)と得子(松雪泰子)も葛藤も<水仙と菊>で見事に表現されている。
兄・清盛と対照的な、家のために結婚相手を決めてしまう家盛(大東駿介)の描き分けもいい。
源氏パートは今回はコメディ。
義朝(玉木宏)は東国の荒くれどもと戦っているのを「いい武芸の鍛錬になる」と強がり。
由良姫(田中麗奈)は「○○○と父が申しております」とツンデレ。
高階通憲(阿部サダヲ)は何となく清盛の軍師みたいな感じだし、兎丸(加藤浩次)はかっこいい。
兎丸は清盛に言う。
「落とし前をつけてもらおうか。いつかお前が作れ。宋と商いをしてイキイキと豊かな国を。その手伝いだったらしたってもいい」
もってまわった言い方をして、みんな素直じゃないんですね。
そして最後に、清盛の屋敷は、みんなが<バカ笑い>をして実ににぎやか。
これは陰謀うずまく宮廷とは実に対照的だ。
今回は、清盛に経済人・政治家としての顔が見えてきた話でした。
いつもありがとうございます。
人気男優揃い踏みという感じになってきましたね。
玉木宏さん、藤木直人さん、上川也さん、山本耕史さん、来週は松田翔太さんですか。
それぞれが見事に描き分けられているのが心憎いですね。
それにご指摘のコメディタッチの<由良姫>といい、<オウム>といい、脚本はまさに縦横無尽。
脚本の藤本さんって、途方もない<引き出し>を持っている方ですね。
キャラクターの描き分けひとつをとってみても、引き出しが少なければ、ここまで出来ない。
本当にお見事です。
いつもありがとうございます。
清盛が言う「面白く」というのは、ある意味、この作品のテーマであると思うので、折りにふれて考えていきたいと思っています。
「無知の知」
そうですよね、自分は何も知らないんだと気づく所からすべては始まるんですよね。
これから清盛は頼長に立ち向かうために、自分の考えを深め、実践していくのでしょう。
家盛は、兄の代わりに<惣領の義務>を果たすために、自分の好きな女性を捨てたんですね。
兄がわがままを通したのだから、自分は家のために生きなければならない、と。
なるほど。
人生には何かを決めなければならない時があると思いますが、この決定を家盛は後悔せずに、むしろ前向きにとらえてほしいですね。
すみません。
山本耕史ふんする頼長が「粛清!」というと、「新撰組!」を思い出して、「よ!土方歳三!」と思ってしまいました。
家盛のシーン、短いけれど心に残りましたね。
私はむしろ、自分が好きになった女性を、最後に一目心にやきつけて、家のための結婚を承諾したのだろう・・・と思ってみていました。たしかに女性は気の毒ですが、家盛の胸中もとても切ない。
由良姫のツンデレぶりもとても楽しかったし。
オウムが「ここで買うたことは内密にな」としゃべってしまうのも、面白かった。
コメディセンスのある脚本で、楽しいです。
来週は松田翔太さんが出るのでしょうか。
楽しみです!
俄然 面白くなってきましたね
彼が主人公に敵対する役として出てきたことで
今後しばらくは楽しめそうです
清盛が 「面白う・・・」と言うたびに
しらけた気分になっていましたが
自分が 言うことになりましたよ ^^;
無知の知に 目覚めた清盛に期待することにします
家盛は 本当に気の毒でしたね
普通ならば 我が儘を通すのは次男のはずなのに・・・
惣領の義務(その当時の)放棄の兄を持った家盛を不憫に思いました
いつもありがとうございます。
>「あのような男とやり合うには、俺はまだまだ力が足りぬ」という清盛の言葉。
この言葉が清盛の口から出るようになったことこそが、彼の成長を最もよく示しているように感じました。
おっしゃるとおりですね。
父親の忠盛を始めとするさまざまな人との関わりの中で、世の中にはその思考の深さにおいて、自分よりレベルが上の人間がいることを学んだのでしょうね。
自分はまだまだ単純で、頼長が言うとおり<浅はか>だと。
まあ、この単純な浅はかさが清盛の魅力なんですけどね。
今後は変わっていくのでしょうか。
いずれにしても<自分を知る>というのは大人になっていく上で、大切なことですよね。
藤原頼長については、今回<鳥羽院+得子>に対する反感がしっかり描かれていたことからも分かるとおり「保元の乱」では摂関家から崇徳派につく人物です。清盛に対しては終生敵ということになりますね。
私として印象的だったのは「あのような男とやり合うには、俺はまだまだ力が足りぬ」という清盛の言葉。
この言葉が清盛の口から出るようになったことこそが、彼の成長を最もよく示しているように感じました。
>清盛の屋敷は、みんなが<バカ笑い>をして実ににぎやか。
私も「漁師や海賊を郎党とする。身分低きおなごを妻とする」と忠正が否定的に評する一家を構えた清盛の屋敷の楽しそうな雰囲気が印象的でした。
最後に、
>兄・清盛と対照的な、家のために結婚相手を決めてしまう家盛(大東駿介)の描き分けもいい。
最後に家盛が立ち去る場面で、彼が心通わせかけた女性が何とも気の毒でした。