東海林さだおさんと椎名誠さんの対談集「太っ腹対談」(講談社)を読んだ。
今回の話題は、放送作家の小山薫堂さん(「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」台本、最近では「おくりびと」の脚本)がゲストで加わっての「新日本三大料理は何か?」。
日本三大料理。
これまでは、寿司、すき焼き、てんぷらだった。
日本を代表する料理だから、世界的にも認知されていなければならない。
この点で、この三料理は妥当だろう。
では今の三大料理は?
東海林さんと椎名さんは、ラーメン、カレーをあげる。
なるほど。
いずれも中国発、インド発の料理だが、既に日本オリジナルに改良され、本家を凌いでいる。
僕も香港でラーメンを食べましたが、日本の方が断然美味しかったですし。
このふたつを新三大日本料理とするのに誰も異論はないだろう。
問題なのは三番目の料理だ。
対談は、この三番目の料理について議論される。
・トンカツ
椎名「トンカツは割りと地位高いよ」
東海林「有力だね、堂々としている」
小山「ジョエル・ロブションが来日した時、恵比寿の『かつ好』というトンカツ屋さんに行って、えらく感動したって話を聞いたことがある」
・コロッケ
東海林「何か不憫なんだよね。健気でしょ。救ってあげたい」
椎名「でも、ラーメン、カレー、コロッケと続くとレベルが低くなっちゃうね」
小山「お子ちゃまみたい」
東海林「可哀想だけど、コロッケには泣いてもらおう」
・メンチカツ
東海林「インチキっぽいだよね。堂々としていない」
小山「コロッケとハンバーグ、どちらにもなりきれていないような」
東海林「世間の様子を窺っているような感じだよね」
椎名「課長どまりだな」
・オムライス
椎名「オムライスをオジサンがひとりで食べるのって難しいんだよね」
東海林「オムライスは何で恥ずかしいだろうね」
・牛丼
椎名「あれ、ただ、ひたすら食ってるっていう感じがするね」
東海林「もちろん(笑)。牛丼食いながら何するの?」
椎名「カレーなんかは時々水を飲んだり、ふと食べるのをやめて、ものを考えたりするよ」
東海林「牛丼は頭をあげちゃダメ(笑)。牛丼屋はテーブルがU字型で、向こう側の人も食ってるから、目が合うとマズいんだ」
といった感じで語らいが続く。
僕が面白かったのは、小山さんのメンチカツの評価→「コロッケとハンバーグ、どちらにもなりきれていないような」(笑)
牛丼の食べ方に関する話も「そうだよな」と思ってしまう。
さて、三番目の料理とは何なのか?
東海林さんたちは「牛丼」に決めるが、それはどうだろう? いろいろ異論が出て来るに違いない。
それにしてもこの会話……。
小山さんはこんな感想を漏らしている。
小山「こうやって下らないことを一生懸命考えるのが大人なんだなぁ(笑)」
僕もこの意見に賛成である。
<下らないことを一生懸命、真剣に考える>
これぞカッコイイ大人である。
日本経済がどうだとか、国際政治がどうだとか、世の中には意味のある会話(おそらく)はたくさんあるが、東海林さんたちは意味のないことに真剣に取り組む。
僕はそこに<粋な軽さ><かっこよさ>があると思うのである。
今回の話題は、放送作家の小山薫堂さん(「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」台本、最近では「おくりびと」の脚本)がゲストで加わっての「新日本三大料理は何か?」。
日本三大料理。
これまでは、寿司、すき焼き、てんぷらだった。
日本を代表する料理だから、世界的にも認知されていなければならない。
この点で、この三料理は妥当だろう。
では今の三大料理は?
東海林さんと椎名さんは、ラーメン、カレーをあげる。
なるほど。
いずれも中国発、インド発の料理だが、既に日本オリジナルに改良され、本家を凌いでいる。
僕も香港でラーメンを食べましたが、日本の方が断然美味しかったですし。
このふたつを新三大日本料理とするのに誰も異論はないだろう。
問題なのは三番目の料理だ。
対談は、この三番目の料理について議論される。
・トンカツ
椎名「トンカツは割りと地位高いよ」
東海林「有力だね、堂々としている」
小山「ジョエル・ロブションが来日した時、恵比寿の『かつ好』というトンカツ屋さんに行って、えらく感動したって話を聞いたことがある」
・コロッケ
東海林「何か不憫なんだよね。健気でしょ。救ってあげたい」
椎名「でも、ラーメン、カレー、コロッケと続くとレベルが低くなっちゃうね」
小山「お子ちゃまみたい」
東海林「可哀想だけど、コロッケには泣いてもらおう」
・メンチカツ
東海林「インチキっぽいだよね。堂々としていない」
小山「コロッケとハンバーグ、どちらにもなりきれていないような」
東海林「世間の様子を窺っているような感じだよね」
椎名「課長どまりだな」
・オムライス
椎名「オムライスをオジサンがひとりで食べるのって難しいんだよね」
東海林「オムライスは何で恥ずかしいだろうね」
・牛丼
椎名「あれ、ただ、ひたすら食ってるっていう感じがするね」
東海林「もちろん(笑)。牛丼食いながら何するの?」
椎名「カレーなんかは時々水を飲んだり、ふと食べるのをやめて、ものを考えたりするよ」
東海林「牛丼は頭をあげちゃダメ(笑)。牛丼屋はテーブルがU字型で、向こう側の人も食ってるから、目が合うとマズいんだ」
といった感じで語らいが続く。
僕が面白かったのは、小山さんのメンチカツの評価→「コロッケとハンバーグ、どちらにもなりきれていないような」(笑)
牛丼の食べ方に関する話も「そうだよな」と思ってしまう。
さて、三番目の料理とは何なのか?
東海林さんたちは「牛丼」に決めるが、それはどうだろう? いろいろ異論が出て来るに違いない。
それにしてもこの会話……。
小山さんはこんな感想を漏らしている。
小山「こうやって下らないことを一生懸命考えるのが大人なんだなぁ(笑)」
僕もこの意見に賛成である。
<下らないことを一生懸命、真剣に考える>
これぞカッコイイ大人である。
日本経済がどうだとか、国際政治がどうだとか、世の中には意味のある会話(おそらく)はたくさんあるが、東海林さんたちは意味のないことに真剣に取り組む。
僕はそこに<粋な軽さ><かっこよさ>があると思うのである。
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