平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第38回 「長いお別れ」~すべての言葉が「バンザイ!」に塗り替えられるファシズムの時代がやって来た……

2019年10月07日 | 大河ドラマ・時代劇
 オリンピックが国や政治に侵食されている。
 なぜギリシャから火を運ぶのか? 聖火リレーではなく神火リレーにしよう!
 1000トンの鉄骨は駆逐艦などに使うから競技場は木造にしよう!
 かなりズレている。

 今の2020年のオリンピックもかなりおかしくなってるけどね。
 熱中症対策で降雪機で雪を降らせよう!←機械の熱風と湿度で熱くなるだけ!(笑)
 朝顔の鉢を置こう!(笑)
 早朝の競技のボランティアの方はどこかで徹夜してくれ!
 待機場所は用意するけど、地べたで寝てね!
 …………

 個人の言葉や思いが封殺されるのもファシズムの時代だ。

 出征する小松勝(仲野太賀)の壮行会。
 りく(杉咲花)の父親・増野(柄本佑)は「娘を幸せにできなかったじゃないか!」と乗り込んでくるが、最終的には、
「小松勝君、バンザイ!」
 四三(中村勘九郎)たちも『自転車節』を歌っていたのに、最後には「バンザイ!」
 しかも、この「バンザイ!」は心からの叫びではない。
 皆、心の中で泣いている。

 それは学徒出陣の神宮外苑競技場でも。
 皆がさまざまな思いを持っているにも関わらず、
「バンザイ! バンザイ! バンザイ!」
 の一色になる。

 完全に『言葉の多様性』が失われた時代ですね。

 朝日新聞の壁にはこんな言葉。
『新聞報国』『新聞は兵器なり』
 すごい言葉だな。

 そんな中、気を吐く人物がふたりいる。

 志ん生(森山未來)は『禁演落語』の演目を見て、
「お上の顔色うかがいながら芸人やってられるか!」

 現在、愛知トリエンナーレの件でアーティストが怒っているけど、要するにこういうことだ。
「お上の顔色うかがいながら芸術やってられるか!」

 田畑政治(阿部サダヲ)も──
「総理大臣に頼むんだったら戦争じゃないの!?
 戦争やめてくれって言えないの!?」

「こんなに入るのならオリンピックできたじゃねえか!
 オリンピックやってりゃ、こんなことには!」

 しかし、こんなふうに緒方竹虎(リリー・フランキー)からたしなめられることも。
「田畑、ウソでも喜べ」

 国家は時として、個人に牙を剥く。
 個人の思いや言葉を踏みにじる。

 牙を剥いてからでは手遅れなので、そうなる前に対処しておかなくてはならない。


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五りん誕生 (TEPO)
2019-10-07 21:13:57
予想どおり小松勝とりくが結婚し、将来の五りんまで誕生しました。
結婚して母親となった時点で、まるでりくはかつてのシマと同一人物のような感じになりました。
でも、今度は自分ではなく夫の勝の方が亡くなるのですね。

印象的だったのは増野氏でした。
シマに対しては「出来過ぎの夫」だった彼は勝に対しては極端な「花嫁の父」。(笑)
もっとも、彼のりくに対する愛情にはシマに対する思いも重なっていたのでしょうね。
かつて柄本佑さんは「増野」という名字だけの役名だと半ばぼやいておられましたが、演技力を必要とする中々に味のあるキャラだと思います。

しかし、こうなってくると最初はほとんど「不要な余計者」に見えた五りんが実質的な主人公のように見えてきました。
たしかに凝った作りのドラマだと思います。

ただし、五りんは田畑政治の世界とも何らかの接点があるのでしょうか。
今後何か仕掛けがあるのかもしれません。
返信する
りくの恋愛話 (コウジ)
2019-10-08 13:30:33
TEPOさん

いつもありがとうございます。

りくの恋愛話、よかったですね。
・小松との恋愛話が話題になるとミシンが速くなる(笑)
・自転車で追いかけるが、追い越して小松にプロポーズさせる←なかなかしたたか?

「花嫁の父」に関しては、娘を持つ親なら共通して抱く感情ですよね。

五りんはこの後、どんなふうに物語の本筋(=田畑のオリンピック)に絡んでくるんでしょうね。
志ん生一家は、小泉今日子さんとか現状、役者さんの無駄遣いですし、これからもっと絡んでくるのでしょうか?
次回の満州がポイントになりそうですね。
美川秀信もどうなるのか?
返信する

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