三方々原の合戦。
恐るべき速さで侵攻して来た武田軍はたちまち遠江の城を落としていく。
武勇を誇る本多忠勝(山田裕貴)もたじたじ。
持ちこたえると思っていた高天神城も簡単に落とされた。
万事休すの家康(松本潤)は織田信長(岡田准一)に会談を求める。
「策は桶狭間。餌は家康」
浜松城に籠城して、一ヶ月守り抜き、
浅井・朝倉との戦いにけりをつけた織田軍と合流して信玄(阿部寛)を討つという作戦だ。
「徳川と織田は一蓮托生」と語る家康に対し、信長は家康を抱きしめて、
「お前と俺は一心同体」
信長、家康のことが大好きだよね!
しかし、信玄はそんな作戦には乗らず、家康が籠城する浜松城を通過する。
目指すは岡崎。そして信長。
家康はあせる。
黙って信玄を素通りさせたとなれば名誉に関わる。
遠江の民もバカにして家康について来ないだろう。
実際、信玄は千代(古川琴音)を使って、家康のマイナスイメージを流布していた。
では打って出るか?
しかし、打って出れば負ける。
どうする家康?
ようやく見つかった打開策は、地の利を活かした三方々原での戦い。
三方々原から出るには隘路を通らなければならない。
これで武田軍の進行が滞る。
ここを急襲すれば勝機はある。
だが、行ってみると武田軍は隘路を通っておらず、三方々原に二重三重の陣を張っていた。
「かかれい!」
これで徳川軍は総崩れ。
家康は首を取られた……。
……………………………………………………
三方々原の合戦がこんなに丁寧に描かれたのは初めてだろう。
いくさの戦術で言えば信玄の方がはるかに上。
こわっぱ家康を手玉にとって翻弄する。
圧倒的な強さの武田軍。
次回、どんな形で一矢報いるのだろう。
ドラマは瀬名(有村架純)とのシーン。
信玄との大いくさの前、家康は瀬名に会う。
「この乱世、弱さは害悪じゃ」
「これはわしの弱い心じゃ。ここに置いていく」
と言って家康は木彫りのウサギ(弱き心)を渡す。
ウサギを受け取って瀬名は、
「いつか取りに来て下さいませ。殿の弱くてやさしい心を」
乱世では強き者が生き残る。
弱き者はたちまち強き者に獲って食われる。
一方で信玄は「おのれが弱いことを知っている家康」を評価していた。
弱さって何なんでしょうね?
やさしさ、寛容、慈悲、人の良さ、悩み迷い続けること──
これらが乱世でどのように意味を持って来るのかを見ていきたい。
すくなくともこういう人物に人はついてくると思う。
そして、今回瀬名に預けた木彫りのウサギは、家康が「鬼」になるストッパーにはなるはずだ。
恐るべき速さで侵攻して来た武田軍はたちまち遠江の城を落としていく。
武勇を誇る本多忠勝(山田裕貴)もたじたじ。
持ちこたえると思っていた高天神城も簡単に落とされた。
万事休すの家康(松本潤)は織田信長(岡田准一)に会談を求める。
「策は桶狭間。餌は家康」
浜松城に籠城して、一ヶ月守り抜き、
浅井・朝倉との戦いにけりをつけた織田軍と合流して信玄(阿部寛)を討つという作戦だ。
「徳川と織田は一蓮托生」と語る家康に対し、信長は家康を抱きしめて、
「お前と俺は一心同体」
信長、家康のことが大好きだよね!
しかし、信玄はそんな作戦には乗らず、家康が籠城する浜松城を通過する。
目指すは岡崎。そして信長。
家康はあせる。
黙って信玄を素通りさせたとなれば名誉に関わる。
遠江の民もバカにして家康について来ないだろう。
実際、信玄は千代(古川琴音)を使って、家康のマイナスイメージを流布していた。
では打って出るか?
しかし、打って出れば負ける。
どうする家康?
ようやく見つかった打開策は、地の利を活かした三方々原での戦い。
三方々原から出るには隘路を通らなければならない。
これで武田軍の進行が滞る。
ここを急襲すれば勝機はある。
だが、行ってみると武田軍は隘路を通っておらず、三方々原に二重三重の陣を張っていた。
「かかれい!」
これで徳川軍は総崩れ。
家康は首を取られた……。
……………………………………………………
三方々原の合戦がこんなに丁寧に描かれたのは初めてだろう。
いくさの戦術で言えば信玄の方がはるかに上。
こわっぱ家康を手玉にとって翻弄する。
圧倒的な強さの武田軍。
次回、どんな形で一矢報いるのだろう。
ドラマは瀬名(有村架純)とのシーン。
信玄との大いくさの前、家康は瀬名に会う。
「この乱世、弱さは害悪じゃ」
「これはわしの弱い心じゃ。ここに置いていく」
と言って家康は木彫りのウサギ(弱き心)を渡す。
ウサギを受け取って瀬名は、
「いつか取りに来て下さいませ。殿の弱くてやさしい心を」
乱世では強き者が生き残る。
弱き者はたちまち強き者に獲って食われる。
一方で信玄は「おのれが弱いことを知っている家康」を評価していた。
弱さって何なんでしょうね?
やさしさ、寛容、慈悲、人の良さ、悩み迷い続けること──
これらが乱世でどのように意味を持って来るのかを見ていきたい。
すくなくともこういう人物に人はついてくると思う。
そして、今回瀬名に預けた木彫りのウサギは、家康が「鬼」になるストッパーにはなるはずだ。
いつもありがとうございます。
やはり家康の身代わりになったのは、あの人物なんですね。
身代わりにあたって、どんなドラマがあったかは次回、明らかになりそうですね。
ネットでは、このまま「影武者徳川池康」が誕生? みたいな話も出ていましたが、皆さん、愉しんでいるようです。
直政は面白い人物になりそうですね。
おっしゃるとおり、「直政を遠江の民の声として許した家康」「遠江の民の心を掌握できていないのは自分の力不足と認めた家康」の人柄が気になっていたんでしょうね。
そして、これが信玄や瀬名が美点とした「弱さ」。
さて、身代わりになった家臣の思いが今後どのように家康に影響していくのか?
次回に注目です。
この「家康」は、おそらく先週私が今回の実質的主人公となるだろうと予想した人だろうと思います。
つまり、この人が活躍するのは予想より一週間先延べになったのではないか、ということです。
おそらく、家康の強みの一つは「忠義の臣」を持ったこと、ということなのでしょう。
(もっとも、武田家にも忠義の臣は数多くいたことでしょうが。)
今回特に注目すべきなのは、前回家康を襲った井伊虎松(直政)の動き。
彼は今回の戦の経緯をずっと見ていました。
そして、「家康」の亡骸と首とを見て悲しげな表情をしていたように見えました。
少なくとも「俺が言った通りになっただろう、ざまあ見ろ」といった反応ではありませんでした。
虎松が家康に好意を抱いていたとするならば、そのきっかけは前回の出来事以外には考えられず、おそらくそれは虎松自身をその代弁者と見立てた「遠江の民の心」に対する家康の謙虚な態度だったのではないかと想像します。
早ければ本物の家康の無事が判明したあたりで仕官を決意するのではないでしょうか。
家康の「謙虚さ」は信玄も評価するところであり、おそらく本作全体が訴えようとしている家康の美点なのではないかと思います。