平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

鬼滅の刃 無限列車編~現実逃避、強者の論理。この作品はやはり現代の作品ですね

2021年12月04日 | コミック・アニメ・特撮
 TVアニメ版『鬼滅の刃 無限列車編』を見た。

 無限列車に巣喰う鬼は「夢」を操る鬼だ。
 列車の乗客を眠らせ夢を見せる。
 そこで見る夢は、とても心地よい、楽しい夢。

 たとえば炭治郎(CV花江夏樹)の場合は、家族と過ごす夢。
 家族は鬼に殺されておらず、今も楽しい生活を送っているのだ。
 それは現実で過酷な闘いをしている炭治郎にとってはパラダイス。
 ずっとここにいたい。

 善逸(CV下野紘)の見る夢は、禰󠄀豆子(CV鬼頭明里)とラブラブで過ごす夢!笑

 鬼はそんな人間の欲望につけ込んでいる。
 そうですよね、
「終わることのない幸福な時間を過ごしたい」というのは人間が持つ根本的な願望。
 僕の場合は、父や母がいて家族でワイワイ過ごしてた10代かな。
 あの頃に戻れたら、もっとあの時間を大事にして噛みしめたい。
 まあ、実際は戻ることが出来ないのですから、今生きている時間をゆっくり噛みしめて生きて行きましょう。

 
 ※炎柱・煉獄杏寿郎 独特な感性のキャラクターデザイン
 『鬼滅』のキャラは動くとますます魅力的になる。
 …………………………

 この夢の世界には続きがある。
 夢の世界の突破すると「無意識世界」があるのだ。
 その無意識世界は人によって違っている。
 炭治郎の場合は、澄み渡った青空。
 煉獄杏寿郎(日野聡)の場合は紅蓮の炎。

 この無意識世界の違い、面白いな。
 それぞれのキャラクターの根本が描かれている。
 こういう無意識世界を持っているから、炭治郎や煉獄さんはああいう人柄・人格なのだ。

 そして、この無意識世界には「精神の核」というものがあって、
 これが破壊されると──。

 すごいな。
 こういう物語づくり。
 原作の吾峠呼世晴さんは天才ですね。

 最後は煉獄さんの母の言葉。
「すぐれた力を持った者は弱い者を助けなければならない」
 煉獄さんをこの母親の教えを実践している。

 この言葉自体は、エンタテインメントで何度も語られて来たことだが、
 今、こうして聞くと、何か新鮮。
 現在は真逆ですからね。
「強い者はより強く」
「強い者が得ている地位や財産や力は自分の能力で今の力を勝ち取って来た。
 だから努力もしない弱い者を助ける必要はない」
 という強者の論理が支配的になりつつある。

 まあ実際は、「親ガチャ」という言葉が示すとおり、
 生まれて来た家庭環境でスタートラインがだいぶ違うんですけどね。
 強者にはその自覚がない。
 強者の論理を掲げる方、注意して下さい。
 放っておくと「鬼」になってしまいますよ。笑


「幸福な夢への逃避」
「強者の論理」
 こうしたテーマを描いている『鬼滅の刃』は現代の作品である。


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2 コメント

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ノブレスオブリージュ (ミキコ)
2021-12-06 16:08:52
杏寿郎さんの母の言葉は「ノブレスオブリージュ」です。弱者への庇護の責任を果たすことが、権力等を持つものの義務であるということ。つまり責務です。
杏寿郎さんの「責務を全うする」は、それそのものです
返信する
確かにそうですね (コウジ)
2021-12-06 20:23:12
ミキコさん

いつもありがとうございます。

「ノブレスオブリージュ」
確かにそうですね。
かつてはこれが当たり前で、権力者や富裕層の教養だったんですよね。

ところが現在はどうなのか?
そうなっていないことが、煉獄さんをヒーローにしているんですよね。
返信する

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