「あなたのここは誰よりも純粋で美しい」
「生きて……生きて下さい、あなたの人生を……!」
千代(橋本愛)の死である。
千代はこうやって時に弱気になる栄一(吉沢亮)を支えて来たんですね。
言わば、栄一の精神的支柱。
言葉は少ないが、まわりの人間のことをしっかり見ていて、
迷ったり、間違っていたりしたらズバリと意見を言う。
この千代の死をさまざまな視点から描いたのが上手い。
まずは、長女・うた(小野莉奈)。
見合いの席で、母・千代のことをイキイキと話す、うたはお母さんっ子だ。
母のことを心から信頼し、尊敬している。
妹・こと(池田朱那)、弟・篤二(泉澤祐希)と違って、貧しい時代の苦労も共有している。
そんなうたが穂積陳重(田村健太郎)と結婚して、未来に踏み出そうとしている中、母を喪った。
流行病のコレラゆえ、死に目にも会えない。
その悲しみ・痛みは相当なものだろう。
一方、弟の篤二は母の死がピンと来ていない様子。
こういう死の受け止め方もある。
妾のくに(仁村紗和)は娘と共に千代の死を傷んだ。
千代はくにを拒絶せずに受け入れてくれた人。
強くて器量の大きな千代のことを思い出していたに違いない。
喜作(高良健吾)も思いがいろいろありそう。
何しろ昔、千代のことが好きだったから。
今は事業をおこなって現実でたくましく生きているが、
かつては箱館戦争で死のうとしていた人物だから。
人の生と死についていろいろ考えたに違いない。
通常、大河ドラマでは、妻の死は主人公との関係で描かれることが多い。
こういう多視点はめずらしい。
それぞれに心のドラマがある。
脇の登場人物をしっかり描いて来たから出来ること。
…………………………
三菱との戦いは続く。
合本の東京風帆船会社が潰され、
明治十四年の政変で大隈重信(大倉孝二)が追放されると、
『共同運輸会社』を設立(設立資金400万・うち政府は240万を出資)。
三菱に対抗する海運会社を作った。
岩崎弥太郎(中村芝翫)や政府高官の考え方はこうだ。
「貧困はおのれの責任である」
「惰民は救済するな」
「今の日本には余裕がなく、すべての人間を助けるべきではない」
毎回書くけど、これ「新自由主義」。
2021年の日本もこれで動いている。
首相の岸田文雄は「これではまずい」と考えているようだが、
あっちへふらふら、こっちへふらふらで、結局今までと同じ路線。
一方、栄一の考え方は
「皆が力を合わせて、すべての人間が豊かになる社会」
これは、今回、栄一が悩んだように理想なのか?
現実は「理想なんかで太刀打ちできず、切り捨てねばならぬこともある」のか?
別件だが、伊藤博文(山崎育三郞)、井上馨(福士誠治)、大隈重信らがイキイキと描かれているのは楽しいな。
見慣れて来たこととメイクのせいで、それぞれの役者さんが伊藤や井上や大隈に見えて来た!
「生きて……生きて下さい、あなたの人生を……!」
千代(橋本愛)の死である。
千代はこうやって時に弱気になる栄一(吉沢亮)を支えて来たんですね。
言わば、栄一の精神的支柱。
言葉は少ないが、まわりの人間のことをしっかり見ていて、
迷ったり、間違っていたりしたらズバリと意見を言う。
この千代の死をさまざまな視点から描いたのが上手い。
まずは、長女・うた(小野莉奈)。
見合いの席で、母・千代のことをイキイキと話す、うたはお母さんっ子だ。
母のことを心から信頼し、尊敬している。
妹・こと(池田朱那)、弟・篤二(泉澤祐希)と違って、貧しい時代の苦労も共有している。
そんなうたが穂積陳重(田村健太郎)と結婚して、未来に踏み出そうとしている中、母を喪った。
流行病のコレラゆえ、死に目にも会えない。
その悲しみ・痛みは相当なものだろう。
一方、弟の篤二は母の死がピンと来ていない様子。
こういう死の受け止め方もある。
妾のくに(仁村紗和)は娘と共に千代の死を傷んだ。
千代はくにを拒絶せずに受け入れてくれた人。
強くて器量の大きな千代のことを思い出していたに違いない。
喜作(高良健吾)も思いがいろいろありそう。
何しろ昔、千代のことが好きだったから。
今は事業をおこなって現実でたくましく生きているが、
かつては箱館戦争で死のうとしていた人物だから。
人の生と死についていろいろ考えたに違いない。
通常、大河ドラマでは、妻の死は主人公との関係で描かれることが多い。
こういう多視点はめずらしい。
それぞれに心のドラマがある。
脇の登場人物をしっかり描いて来たから出来ること。
…………………………
三菱との戦いは続く。
合本の東京風帆船会社が潰され、
明治十四年の政変で大隈重信(大倉孝二)が追放されると、
『共同運輸会社』を設立(設立資金400万・うち政府は240万を出資)。
三菱に対抗する海運会社を作った。
岩崎弥太郎(中村芝翫)や政府高官の考え方はこうだ。
「貧困はおのれの責任である」
「惰民は救済するな」
「今の日本には余裕がなく、すべての人間を助けるべきではない」
毎回書くけど、これ「新自由主義」。
2021年の日本もこれで動いている。
首相の岸田文雄は「これではまずい」と考えているようだが、
あっちへふらふら、こっちへふらふらで、結局今までと同じ路線。
一方、栄一の考え方は
「皆が力を合わせて、すべての人間が豊かになる社会」
これは、今回、栄一が悩んだように理想なのか?
現実は「理想なんかで太刀打ちできず、切り捨てねばならぬこともある」のか?
別件だが、伊藤博文(山崎育三郞)、井上馨(福士誠治)、大隈重信らがイキイキと描かれているのは楽しいな。
見慣れて来たこととメイクのせいで、それぞれの役者さんが伊藤や井上や大隈に見えて来た!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます