「何故じゃ、何故、皆はわしに背を向ける?」
これが権力者の孤独だ。
まわりに信じられる者がいなくなり、
まわりがすべて敵に見えて、狂いだし、粛清を始める。
強権と恐怖の政治は権力者を狂わせる。
今回は帰蝶(川口春奈)が「山を降りて」、信長(染谷将太)のもとを去り、
光秀(長谷川博己)も嘘をついてしまった。
「十兵衛がはじめて嘘をついたぞ、十兵衛が……」
信長にとって、光秀の嘘はかなりのショックであっただろう。
光秀に対する不信。
これで信長は光秀の諫言・進言を聞かなくなり、怒りや憎しみさえ覚えるようになる。
………………
さて平蜘蛛。
松永久秀(吉田鋼太郎)が光秀に平蜘蛛を託したのは『罠』だったのか?
光秀はそう考えた。
自分と信長を離間させるための罠だと。
しかし、久秀の本意は違っていたようだ。
「この名物を持つ者は持つだけの覚悟がいる」
「心美しき者、志高き者が持つべきもの」
久秀は、光秀に心美しく、志高く生きろと言っている。
つまり、
・麒麟がくる国にするために働け。
・まっすぐに生きろ。誇りを捨てるな。
・信長が麒麟をもたらす人物かどうかを考えよ。
と言っている。
だから光秀は帝に会って意見を聞こうと思った。
信長とのやりとりといい、
平蜘蛛を使って、なかなかのドラマをつくったなあ。
光秀は信長に嘘をついたのは、正直に話せば平蜘蛛を信長に渡すことになるから。
平蜘蛛を渡せば、松永久秀の思いを踏みにじることになると思ったからだろう。
こんなせりふもあった。
「松永さま~! げせぬ、げせぬ、げせぬ~!」
涙を流して怒ってくれる光秀に久秀は心を動かされたことであろう。
ふたりの心は通じ合っている。
帰蝶とはこんなせりふ。
「けしかけたのは私も同様。私も祟りを受けなければなりませぬ」
光秀は、信長を今の地位に押し上げて狂わせてしまった責任を取ろうとしている。
帰蝶もそう考えているのであろう。
本能寺の動機が見えて来ましたね。
・麒麟がくる国をつくるために本能寺をおこなう。
・信長を狂わせてしまった責任を取るために本能寺をおこなう。
・信長の苦悩を終わらせるために本能寺をおこなう。
本能寺まであとわずかだ。
これが権力者の孤独だ。
まわりに信じられる者がいなくなり、
まわりがすべて敵に見えて、狂いだし、粛清を始める。
強権と恐怖の政治は権力者を狂わせる。
今回は帰蝶(川口春奈)が「山を降りて」、信長(染谷将太)のもとを去り、
光秀(長谷川博己)も嘘をついてしまった。
「十兵衛がはじめて嘘をついたぞ、十兵衛が……」
信長にとって、光秀の嘘はかなりのショックであっただろう。
光秀に対する不信。
これで信長は光秀の諫言・進言を聞かなくなり、怒りや憎しみさえ覚えるようになる。
………………
さて平蜘蛛。
松永久秀(吉田鋼太郎)が光秀に平蜘蛛を託したのは『罠』だったのか?
光秀はそう考えた。
自分と信長を離間させるための罠だと。
しかし、久秀の本意は違っていたようだ。
「この名物を持つ者は持つだけの覚悟がいる」
「心美しき者、志高き者が持つべきもの」
久秀は、光秀に心美しく、志高く生きろと言っている。
つまり、
・麒麟がくる国にするために働け。
・まっすぐに生きろ。誇りを捨てるな。
・信長が麒麟をもたらす人物かどうかを考えよ。
と言っている。
だから光秀は帝に会って意見を聞こうと思った。
信長とのやりとりといい、
平蜘蛛を使って、なかなかのドラマをつくったなあ。
光秀は信長に嘘をついたのは、正直に話せば平蜘蛛を信長に渡すことになるから。
平蜘蛛を渡せば、松永久秀の思いを踏みにじることになると思ったからだろう。
こんなせりふもあった。
「松永さま~! げせぬ、げせぬ、げせぬ~!」
涙を流して怒ってくれる光秀に久秀は心を動かされたことであろう。
ふたりの心は通じ合っている。
帰蝶とはこんなせりふ。
「けしかけたのは私も同様。私も祟りを受けなければなりませぬ」
光秀は、信長を今の地位に押し上げて狂わせてしまった責任を取ろうとしている。
帰蝶もそう考えているのであろう。
本能寺の動機が見えて来ましたね。
・麒麟がくる国をつくるために本能寺をおこなう。
・信長を狂わせてしまった責任を取るために本能寺をおこなう。
・信長の苦悩を終わらせるために本能寺をおこなう。
本能寺まであとわずかだ。
いつもありがとうございます。
平蜘蛛を信長に渡すか否か。
久秀は判断を光秀に委ねたのでしょうね。
渡せば、「よくやった」と大出世。信長と一心同体、運命共同体になる。
渡さなければ、信長と距離を置き、反旗を翻す者になるかもしれない。
どちらかを選べと。
俺は信長の理不尽に抵抗して戦ったぞ、お前はどうするんだ?
忠犬として信長の足を舐めるのか? みたいな。
そこには友情もあって、久秀の心情は実に複雑ですよね。
嘘をついたのは久秀への信義からでしょうが、おそらく信長に対して溝を感じてもいたんでしょうね。
根本に信長に対する違和感・不信があって、それが大きく育ち始めている。
信長に松永久秀の思いを伝えても理解されないと思っている。
秀吉は、光秀と信長の離間のために暗躍するんでしょうね。
そうすれば自分は織田家でナンバー1になれる。
今回から「羽柴藤吉郎」になったようですし。
とはいえ、秀吉の目的は光秀を追い落とすことであり、「本能寺」までは予想していなかったのではないかという気がしています。
いずれにしても「本能寺」に至るまでの心理描写、上手いですね。
>しかし、久秀の本意は違っていたようだ。
仰るとおり久秀の真意は純粋なものであり、間に立っていた伊呂波太夫もそうした理解でいたと思います。
「罠」という光秀の理解にはかなり極端な心理的バイアスが感じられますが、信長に嘘をついた(つかされた?)ことは光秀の側にとってもショックだったことを示しているように思います。
伊呂波太夫も驚いたであろう自嘲の笑いが示す心理的反応の激しさは、光秀がことの重大さを自覚していたことを示しています。
私がまだよく分からないのは、なぜ光秀がそれほど重大な「嘘」をついてしまったか、ということです。
>平蜘蛛を渡せば、松永久秀の思いを踏みにじることになると思ったからだろう。
というのが一応の答えですが、なぜそうなのか。
光秀が織田方の武将であり続けることは久秀も承知の上なので、平蜘蛛が光秀経由で結局信長の手に渡ることも予想していたとも考えられます。
自分の手で信長に平蜘蛛を渡したくはないが光秀経由なら仕方が無い、否、光秀に手柄を立てさせてやろう、という意図であったとか。
光秀はなぜそのように考えなかったのか。
>信長が麒麟をもたらす人物かどうかを考えよ。
おそらくこれなのでしょうね。
信長の「忠実な家臣」となるのではなく「批判的な評価者」であり続けよ、というメッセージ。
しかし、これはたしかに「信長からの離間」と言うことになります。
気になったのは秀吉のスタンス。
孤独な権力者は周囲の人間を監視したくなるもの。
秀吉はそうしたニーズに応える「密偵の頭目」といった感じ。
振り返ってみると、秀吉は織田家の家臣と登場した当初から終始「情報屋」でした。
今後秀吉は、光秀にとって積極的な敵―光秀を陥れようとする―となるのか、成り行き上の敵となるのかは不明ですが、いずれにしても「中国大返し」は不自然ではなくなってきたように思います。