平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

橋下徹氏、万博をめぐる議論でボコボコにされる!~泉房穂氏の「正論」に橋下氏の「詭弁」は通用しなかった。

2023年12月26日 | 事件・出来事
 橋下徹氏は詭弁を弄することが多い。
 関西の『ライブ・コネクト』ではこんなやりとりがあった。
 出演しているのは、
・橋下氏
・今話題の泉房穂・元明石市市長
・企業家の安部敏樹氏
・番組デスクの神埼氏
 以下は番組でのやりとり。
 …………………………………………………………………………

橋下氏
「コスト削減って言うなら具体的にどこを削減するのか言うべき」


泉 氏
「リングに350億円も掛けて海の上に作る必要ありませんやん。
 350億円あったら東京ドームもスカイツリーも出来るんです。
 スカイツリー作ってすぐ潰しますか? 東京ドームを作った後に半年で壊しますか?」


 泉房穂氏が言っていることは正論である。
 ほとんどの人が同じことを思っているだろう。
 これに対する橋下氏の答えは?

橋下氏
「リングは世界各国に建設をさせるための『呼び水』ですよ」


 呼び水? 言ってることがよくわからない。
 別にリングがなくても各国は万博に意義を感じればパビリオンを建てるだろう。
 泉氏はさらにツッコむ。

泉氏
「国民的に言うと、国民は生活きつきつでやってる中で、万博だけ例外的にどんどん予算が膨らんでいく、せめてもう少し『絞れないか』と思ってる人が多いと思うんですよ。
 そういう意味でリングに関しては、わざわざ真ん丸にしなくても、海の上は作らんでもいいと思うけど」


橋下氏
「そういう個人の意見はいいけど、専門家の議論もあるんですよ」


 専門家の議論って何だ? 専門家って誰だ?
 仲間内で言ってるだけじゃないのか?
 議論は続く。
 橋下氏が万博の担当者だったら、経費を減らそうとするのではないか、と泉氏が尋ねると。

橋下徹
「五輪の時もそうだったけど、みんな『絞れ』『絞れ』言ったけど、
 現実は絞れなかったでしょ、行政はそうなんです。
 なぜかと言ったら、ぜんぶ人件費と資材費に消えるから」


 橋下氏お得意の論理のすり替えである。
 これには神崎デスクの強烈なカウンターパンチ。

神崎デスク
「五輪の話出ましたけど、皆さん思い出してほしいのは、
 メインの国立競技場は最初1300億円で出来るって言ってたのに、
 計算したら3500億円になった『これまずいやろ』となって何とかコストダウンして
 結果的に1500億円ぐらいで済んだんですね。
 だからリング350億が高過ぎたら立ち止まって議論するべきだったし、
 小さくすることも出来たと思う」


橋下氏
「リングとリング以外で160億円は削ってる。
 増えてるのは資材費と建設の工賃なので、工賃に回るんだったら賃上げにもなるし、
 資材の方は森林業の支援にもなる」


 いやいや、泉房穂氏たちはリングを半円にすれば、もっと削れると言っているのだが……。
 橋下氏は「賃上げに繋がる」「林業支援になる」とも言っているが、
 今は大工さん不足、資材不足で万博がなくても十分に需要があるのだが……。
 そして、さらにツッコミ。

神崎デスク
「最初、リングは小さかったのに『シンボルにしなきゃあかん』言うて大きくしたじゃないですか、
 そもそもそれで増額してるんですよ」


橋下氏
「元々はリングなかったんだけどね」


 おやおや橋下氏、認めちゃったよ。
 これで橋下氏の論拠は完全に崩れた。
 起業家の安部敏樹氏は別の観点からツッコむ。

安部氏
「大阪市民の負担が19000円って出てますけど、
 最低でもそこのプラス1000億円を含めたら市民の負担は25000円超えますから、
 4人家族なら10万円を超える。
 本当に大阪市民の皆さんは10万円掛けて万博をやりたかったんですか?って話も気になるし、
 その他の、インフラの費用もまだまだ必要になってくる」


橋下氏
「安部さんは民主主義のプロセスを理解されてない、そのプロセスはもう議会で踏んでるんですよ」


泉 氏
「そこは、らしくないね。
 政治というものはその時の状況に応じて、国民の意思に応じてやるべき、
 今も世論調査を見て『このまま開催』って方は16%ですやん、6人に1人しかこの時点でもいないわけですよ。
 ほとんど多くの、国民の6割は『縮小して』と言ってるんだから、そこを大事にするべき」


 橋下氏の主張はこうだ。
「議会で決まったことだから、どんなに反対があっても突き進んでもいい」
 それって民主主義なのか?
 これが橋下徹氏の民主主義に対する考え方なのか?
 まあ、百歩譲って、万博が予算どおりに行なわれるならそれでもいいよ。
 でも現実は予算アップ。
 だったら修正を考えるべきだろう。

 橋下氏は論点ずらしを始める。
 
橋下氏
「『成功した』と言われてる1970年の万博の500日前は、反対の意見ばっかりだった。
 だけど将来を考えたときに、これで民間ビジネスが成立するのは間違いないわけだから税収が上がればそれでいい。
 無駄とか言い出したら明石市でやってる事業なんか無駄なこといっぱいある。無駄がいっぱいあるんだ」


 自分のことを言われた泉氏は強烈なカウンターパンチ。

泉 氏
「ああ、無駄もあります。
 でもそれはちゃんとコスト抑えてやってて、少なくとも当初予算の2倍になったことはないです。
 予算というものは一定の枠でやるべきものですから」


・少なくとも当初予算の2倍になったことはないです。
・予算というものは一定の枠でやるべきものですから。
 これを言われたら何も返せないだろう。

 泉氏はさらに「経済効果」と言われるものの本質を語る。

泉 氏
「経済効果って『誰にとっての経済効果か』が大きいと思う。
 経済効果の算定式のベースは入場料収入、庶民からみたらお金払う話ですやん。
 自分の生活きつきつの中から出したお金が経済効果だから、庶民からするとお金使う方だからね」


 そう、万博の経済効果って、万博の入場料とか客が会場で使うお金も計上されている。
 万博がなければ他のことに使っているお金。
 それらを差し引いたら、経済効果は外国人の入場者とか、外国企業の投資とかになるのだろうが、
 どれくらいの金額になるのだろう?
 来年1月には政府の正式な経済効果の試算が出るらしいが、どのようなものが出て来るか?

 来年も目が離せない大阪万博。
 ちなみに泉房穂・元明石市長、野党から注目が集まっているらしい。
 泉氏を担げば選挙で勝てるからだ。
 確かに泉房穂氏は庶民の声を代弁している。
 かつては橋下氏が「庶民の声の代弁者」だったが今は違う。
 もはや橋下徹氏の時代は終わった気がする。


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6 コメント

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Unknown (象が転んだ)
2023-12-27 15:38:18
橋下氏は少し前には
”プレハブにすればいい”って言ってましたが、ここに来て”無駄の何処が悪い”って開き直る。
今の橋下氏を見てると、あえて罪を認める様な発言が目立ちますね。
”民主主義を理解しない”大阪維新も、同じ様な状態に追い込まれてんでしょうか。

1970の万博は高度成長の真っ只中にあったので(必要な)無駄が許されましたが、でも今回は東京五輪の大失態を受け、予算の無駄は二度と許されない筈ですが、どうなる事やらです。
返信する
万博の原点とは? (2020-08-15 21:07:49)
2023-12-27 20:19:00
まずイベントですから、お客さんが喜んでくれる出し物をつくりたいという心意気が、原点としてあるはずなんですがねぇ。
あとは予算との兼ね合いで、議論や工夫やすりあわせになると思うのですが、そもそもの「お客さんに喜んでもらおう」精神が、今回の万博関係者の皆さんから、あまり感じられません。

泉さんという人はよく知りませんが、地に足がついた話ができる人のようです。
こういう人が政治家にもう少し増えて欲しいです、与党も野党も関係なしに。
返信する
1970年の万博は予算取り。愛知万博も (コウジ)
2023-12-28 09:24:43
象が転んださん

いつもありがとうございます。

>”プレハブにすればいい”
そのプレハブのタイプXを見切りで20棟発注しましたが、申し込みが3カ国しかなく、十数億の賠償金をメーカーに払うことになったようですね、

1970年の万博はすべて予算内に収まり、パビリオンも開幕前にすべて完成していたんですよね。
この違いが日本の劣化をあらわしています。

>五輪の大失態
おっしゃるとおり、五輪から学ぶべきなのですが、同じことを繰り返しています。
リングなんかは調べれば「中抜き」が出てくることでしょう。

そもそも軟弱地盤の夢洲でやろうとしたことが間違いなんですよね。
なぜ夢洲かというと、その後にカジノ建設が控えていて、民間のカジノのためだけにインフラ整備で税金を投入できないから。

すべてが見え見えなんですよね。
ネットの情報は玉石混淆ですが、人々は少しずつ賢くなっている気がします。
返信する
橋下徹<泉房穂 (コウジ)
2023-12-28 09:45:31
2020-08-15 21:07:49さん

いつもありがとうございます。

>「お客さんに喜んでもらおう」精神
あと大切なのはコンセプトですよね。
ワクワクするような未来社会の姿を見せてほしいのですが、目玉のひとつに「人間洗濯機」があるとか。
でも、これに類似したものはすでに介護施設で導入されています。

1970年万博の「月の石」を持って来るというプランもあるようですが、なぜ50年前以上のものを?

泉さんは口が悪くて明石市長を辞職した方ですが、行政手腕や実績は確かです。
ブログ本文でも書きましたが、今回の討論は橋下徹の次は泉房穂を物語るものでした。
もし僕がテレビマンなら橋下徹氏を切って泉房穂氏を出演させるのですが、テレビはやりそうにありませんね。

今、ダウンタウンの松本人志氏の件が話題になっていますが、ジャニーズで忖度したテレビがどのように扱うのか、注目しています。
アンジャッシュの渡部建氏の時のような執拗さでは扱わないでしょうね。
返信する
ワクワクの未来について (2020-08-15 21:07:49)
2023-12-29 06:24:19
>あと大切なのはコンセプトですよね。
>ワクワクするような未来社会の姿を見せてほしいのですが

おっしゃること否定するわけではありませんが「未来的なワクワク」って何でしょうか? そこまで掘り下げないと、今の時代の万博は難しいと思います。
安っぽいSFマンガにありがちな「未来」だと、たとえば、高層ビル群の谷間を透明チューブがうねっていて、その中をエアカーが飛び回っているわけですが、そういうステレオタイプの未来は、今の時代、お笑い芸人のネタにされておしまいでしょう。
漫才師A「そうそう、未来や、万博いうたら、まずは未来やな」
漫才師B「みらい、って何?」
漫才師A「そりゃ、未来いうたら、高層ビルがにょきにょき生えとって、そのビルの谷間に透明チューブが走ってて、その中をエアカーが『シューッ』と飛んでいってな」
漫才師B「そんな未来あるかい、出してみぃ」
漫才師AB(声をそろえて)「レトロフュ~チャァ~」
のいるこいる師匠にあやかって、コンビ名は昭和れとろ・ふゅ~ちゃぁ~にしましょうか(笑)。
2025年に本気で万博をやるのなら、高度成長期のそういった「透明チューブとエアカーのイメージ」を超えてステップアップした「未来イメージ」を構築しないといけないはずですが、そういう新しい未来イメージを真剣に探そうとした様子がありません。
今や現実の方がはるかに進んでいて、SDGsを小学校で教え、里山資本主義まで言われているわけです。

そして、前述したように「お客さんを楽しませよう」という精神が感じられません。

ダウンタウンの松っあんですか…
何もスキャンダルがなければ、10年後には紫綬褒章も、と考えていたのかもしれませんが、難しくなってきたでしょうね。
本人が気にしているのは、そのあたりかもしれません。
返信する
すべてに手垢がついている (コウジ)
2023-12-29 08:17:58
2023-12-29 06:24:19さん

>「未来的なワクワク」って何でしょうか?
僕もよくわからないので、今度の万博で提示してほしいんですよね。
「ああ、こんなすごいことがあるのか!」と、こちらの想像を上まわるようなものを見せてもらって、ぜひ驚かせてほしい。
ところが──

>今や現実の方がはるかに進んでいて

そうなんです。
SDGsもそうですが、目玉とされている空飛ぶ車、ipsの人工心臓など、すでに手垢がついていて新しいものではありません。

だから我々は「万博をやる意味があるの?」と考えてしまうわけです。
まあ、敢えて肯定的なことを言えば、海外パビリオンに期待ですね。

「お客さんを楽しませよう」という点に関しては、もちろん大切ですが、それだったらUSJやディズニーランドで十分なわけで、万博ならではの楽しいものを提示してほしいですよね。
万博では「よしもと館」があるようですが、よしもと新喜劇を見せられても……。
あるいは阿波踊りやねぶた祭……。
これらも見ている人はたくさんいるでしょうし、手垢がついていますよね。
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