瀬名(有村架純)が考え、意見交換していた「世のこと」「国のこと」「この先のこと」。
それは──
三河・駿河・遠江・甲斐・信濃・相模・越後・奥州の大きな国を作ること。
統一された銭で人と物が盛んに往来する経済圏を作ること。
慈愛の心で結びついた国を作ること。
当座は信長(岡田准一)と対立するだろうが、いずれは信長も参加して、
日本はひとつの慈愛の国になる。
瀬名は家康(松本潤)に説く。
「奪い合うのではなく与え合うのです」
「憎しみを捨てるのです」
「これはあなた様(家康)の中にもあったもの」
「ひとつの夢を見て下さいませ」
しかし、武田勝頼(真栄田郷敦)は──
「よい頃合いだ」
「おなごの謀には乗れん」
「わしは戦って死にたい。父・武田信玄を超えたい」
「築山の謀、世に打ち上げよ」
………………………………………………………………………
瀬名の構想は正論なんですよね。
戦争なんかより豊かな経済圏を作る方が人の生活にとって、よほど有効だ。
しかし、理想論でもある。
これが成立するには、人が皆「慈愛に満ちた善良な存在」である必要がある。
だが、現実には武田勝頼のような考えをする者もいる。
北条、上杉、伊達らも瀬名の構想をどう考えたのだろう?
人間は欲のかたまりであり、いびつな自我を抱えているのだ。
愚かでもあり、経済の繁栄の方が幸せをもたらすことがわかっていても戦争を起こしてしまう。
宗教は「慈愛に満ちた存在になれ」と説くが、人はなかなかそこに到達できない。
瀬名の理想に共感した人たち。
久松長家(リリー・フランキー)、於大の方(松島菜々子)。
今川氏真(溝端淳平)、糸(志田未来)。
千代(古川琴音)、穴山信君(田辺誠一)。
家康、信康(細田佳央太)、五徳(久保史緒里)、徳川の家臣たち。
しかし、彼らの理想もたったひとりの権力者の存在(武田勝頼)で壊れてしまう……。
これが人の世であり、人の歴史である。
……………………………………………………………………
築山事件をどう描くか、楽しみだったが、
逃げずに正面から突っ込んだ内容で、なかなかよかった。
瀬名を「大きな構想力をもった女性」と描いたこともよかった。
これが単に「武田に乗せられた女性」「感情的な平和論者」として描かれたら、
瀬名はおバカさんで終わってしまっただろう。
でも……。
理想主義に走りすぎた点では「おバカさん」になってしまうかな?
人間というものを知らなさすぎる。
かつて鳩山由紀夫は東シナ海を「慈愛の海」にすると発言して「ルーピー」と揶揄されたが、
それに似たものがある。
結果、鳩山由起夫はアメリカの逆鱗に触れた。
でも、「大賢は大愚に似たり」。
こういう理想を説くおバカさんがいないと、世の中は悪くなるばかり。
理想の炎を消してはならない。
※追記
そう言えば、遠藤周作もキリストを「おバカさん」と表現していた。
・瀬名=キリスト
・勝頼=キリストを裏切ったユダ
・信長=キリストを磔刑にしたローマ皇帝
と例えられるかもしれない。
それは──
三河・駿河・遠江・甲斐・信濃・相模・越後・奥州の大きな国を作ること。
統一された銭で人と物が盛んに往来する経済圏を作ること。
慈愛の心で結びついた国を作ること。
当座は信長(岡田准一)と対立するだろうが、いずれは信長も参加して、
日本はひとつの慈愛の国になる。
瀬名は家康(松本潤)に説く。
「奪い合うのではなく与え合うのです」
「憎しみを捨てるのです」
「これはあなた様(家康)の中にもあったもの」
「ひとつの夢を見て下さいませ」
しかし、武田勝頼(真栄田郷敦)は──
「よい頃合いだ」
「おなごの謀には乗れん」
「わしは戦って死にたい。父・武田信玄を超えたい」
「築山の謀、世に打ち上げよ」
………………………………………………………………………
瀬名の構想は正論なんですよね。
戦争なんかより豊かな経済圏を作る方が人の生活にとって、よほど有効だ。
しかし、理想論でもある。
これが成立するには、人が皆「慈愛に満ちた善良な存在」である必要がある。
だが、現実には武田勝頼のような考えをする者もいる。
北条、上杉、伊達らも瀬名の構想をどう考えたのだろう?
人間は欲のかたまりであり、いびつな自我を抱えているのだ。
愚かでもあり、経済の繁栄の方が幸せをもたらすことがわかっていても戦争を起こしてしまう。
宗教は「慈愛に満ちた存在になれ」と説くが、人はなかなかそこに到達できない。
瀬名の理想に共感した人たち。
久松長家(リリー・フランキー)、於大の方(松島菜々子)。
今川氏真(溝端淳平)、糸(志田未来)。
千代(古川琴音)、穴山信君(田辺誠一)。
家康、信康(細田佳央太)、五徳(久保史緒里)、徳川の家臣たち。
しかし、彼らの理想もたったひとりの権力者の存在(武田勝頼)で壊れてしまう……。
これが人の世であり、人の歴史である。
……………………………………………………………………
築山事件をどう描くか、楽しみだったが、
逃げずに正面から突っ込んだ内容で、なかなかよかった。
瀬名を「大きな構想力をもった女性」と描いたこともよかった。
これが単に「武田に乗せられた女性」「感情的な平和論者」として描かれたら、
瀬名はおバカさんで終わってしまっただろう。
でも……。
理想主義に走りすぎた点では「おバカさん」になってしまうかな?
人間というものを知らなさすぎる。
かつて鳩山由紀夫は東シナ海を「慈愛の海」にすると発言して「ルーピー」と揶揄されたが、
それに似たものがある。
結果、鳩山由起夫はアメリカの逆鱗に触れた。
でも、「大賢は大愚に似たり」。
こういう理想を説くおバカさんがいないと、世の中は悪くなるばかり。
理想の炎を消してはならない。
※追記
そう言えば、遠藤周作もキリストを「おバカさん」と表現していた。
・瀬名=キリスト
・勝頼=キリストを裏切ったユダ
・信長=キリストを磔刑にしたローマ皇帝
と例えられるかもしれない。
大変、御無沙汰しています。
コロナ禍は現実には終わっていない中、いまのところ感染していません。
大河ドラマを見ていないものですから、お邪魔できずにいました。
朝ドラ「らんまん」は、私にしては珍しく熱心に見ております。
徳永助教授と竹雄を見たさに・・・です。
さて、本題。
いつぞやお勧めした「俺の話は長い」はご覧になりましたか?
コウジさん好みだと思ったのですが、外しましたかしら?
「どうする家康」も半分まで来ましたね。
見事な「仕掛け」だったと思います。
結局は「動かすことのできない史実」に着地するものの、瀬名自身にとっては後悔の無い―家康の心は掻きむしられるでしょうが―結末となることでしょう。
>統一された銭で人と物が盛んに往来する経済圏を作ること。
これは決して「絵空事」ではなく、たとえば欧州経済共同体(EEC)から発展した今日のEUにその実現した姿を見ることができるように思います。
口を開けば「戦はいやでございます」としか言わない、ステレオタイプの「感情的な平和論者」とは全く違います。
今回特に印象的だったのは、従来信長のスパイ―本作でも一時はそのように動いていましたが―としてしか見られてこなかった五徳までもが「同志」に加わっていたことです。
まさに徳川家中が「心を一つ」にしていた「幸福なひととき」の描写が、本作での救いであると同時に、「事敗れて」の悲劇性を強調することにもなることでしょう。
武田視点だった「真田丸」でも、穴山信君は勝頼を見限って徳川側に寝返っていましたが、その経緯と動機は不明で唐突感がありました。
本作ではそうした信君の今後の動きは「素直な展開」となることでしょう。
コウジさんも予想されるとおり、千代も家康の味方になりそうですが、今回の経緯から見てそれは信君と同時もしくはその前後となることが予想されます。
次回の展開で少し気になるのは二点。
瀬名はともかくとして、信康の最期はどのような経緯で描かれ、また信康自身はこれをどのような思いをもって受け止めるのか。
そして、今回の事件全体から家康自身の心はどのような影響を受けることになるのか。
「瀬名の仇」とばかり、「裏切り者」勝頼を本気になって打倒しようとするのでしょうか。
あるいは、「瀬名の心」を受け止めて、もう少し違った思いを持つようになるのでしょうか。
ご無沙汰しております。
「らんまん」面白いですよね。
影響を受けてガーディングを始めました!
結果、街を歩いていても、ある程度植物の名がわかるようになりました。
役者さん目的という点では、僕は浜辺美波さんと市川由衣さんです。
「俺の話は長い」は、アマプラ、hulu、ネトフリで配信されていないようなので見られていません。
いつもありがとうございます。
>「戦はいやでございます」としか言わない、ステレオタイプの「感情的な平和論者」とは全く違います。
ここの「仕掛け」、よかったですよね。
これで瀬名が素晴らしいキャラになりました。
前半のクライマックスにふさわしく、氏真、糸らも登場しましたし、今川義元も回想で「王道と覇道」を説きました。
通貨が同じで、人と物が自由に行き来できる経済圏──おっしゃるとおりEUがそうですよね。
瀬名の構想は決して絵空事ではなかった。
信康はこれを成し遂げる要として「経済」をあげましたが、これも地に足のついた考え方ですよね。
五徳のシーン、よかったですね。
「五徳は信康様についていきます」
具体的な描写はありませんでしたが、五徳の中でさまざまな葛藤があったのでしょう。
「真田丸」は武田が滅びるシーンから始まるんですよね。
家康を演じた内野聖陽さんは「風林火山」では山本勘助を演じていて、家康が「こんな景色を見たくなかった」とつぶやいたことで話題になりました!
武田滅亡は「真田丸」ではひとつの出来事でしたが、今作ではこんなふうに掘り下げて描かれました。
これは視点を変えて描かれることの楽しさですよん。
千代に関しては大鼠との和解がドラマになりそうですね。
家康は「考えなしに信長についていくだけの家康」から「自分で世界の構想を描く家康」に少しずつ変化していくんでしょうね。
そこには「アメリカについていくだけの日本」から「世界を自ら構想する日本」になってほしいという作家の思いがあるのでしょうか。
家康は勝頼を許すんでしょうね。
そして「真田丸」の家康のように「こんな景色を見たくなかった」とつぶやくのでしょうか。
あらま、残念。
絶対、ツボに嵌るのに・・・。
配信に慣れると、DVDをレンタルするのも億劫になりますもんね。
寿恵子さんと綾さんは、額が綺麗で日本髪が似合っていて
女性から見ても好印象です。
特に佐久間さん、昨日の竹雄を見つめる目がたまらん!って感じでした。
久しぶりにストレス無く楽しめる朝ドラで満足しています♪
脚本・演出・演者の三位一体が上手く行ったドラマですね。
(殆どの朝ドラは、2~3週間で降りていました)
おっしゃるとおり、浜辺さんも市川さんも額を出して美しいんですよね。
これぞ美人の証拠!
浜辺美波さんは『賭ケグルイ』と『君の膵臓を食べたい』以外、イマイチな作品ばかりでしたが、今作でひと皮剥けそうですね。
ちなみに1日の「土曜スタジオパーク」は浜辺さんゲストです!
megumiさんがお好きなのは、田邊教授ではなくて、徳永助教授の方だったんですね?
そう言えば、megumiさんは田中哲司さんのファンだった記憶が。
そうなんです。
よく覚えていらっしゃいましたね。
結構、熱烈なタナテツ推しですよ♪
彼の出身地。鈴鹿と聞くだけでときめいちゃいます。
“普通のおっさん” みたいなのに童顔で、演技は上手いし大好きです。
声も良いと思っています。
惜しむらくは、脇役専門なので
ワンシーンしか出ないとか、出ても台詞が無いとか
視聴しようにも、苦労(?)します。
田中哲司を語り出したらとまらないので、ここらで止めておきますね。
浜辺さんは苦手でしたが、寿恵子役で可愛いなぁ!と思うようになりました。
市川さんは「最愛」の女性刑事で良いな!と思っていました。
2人とも女神ですね。
市川では無く佐久間さんでした。
昨夜、お布団の中でハッと気付きました。
今日の放送は、祝言ですね。
白無垢が羨ましいです。
複雑な事情で、着ることが出来なかったもので・・・。
レスは要りませんので、お気遣い無く。
市川さん→佐久間さん。
すみません! 僕が間違えていました。
『最愛』評判ですよね。
これは配信されているので見てみます。
しつこいと思われるかもしれませんが、ひとつだけ。
「最愛」は、女性向けのドラマだと思います。
(吉高由里子ファンの息子にも勧めませんでした)
松下洸平さんにキャラ落ちしましたよ。
佐久間さんと同勤している警察官役です。
女性ならばキュンキュンする展開ですが、男性はどうかな?
松下さんの次のドラマ「やんごとなき一族」ではゲッソリしました。
同じ俳優で、こうも上げ下げするものか?!と驚きました。
吉高由里子さんは、男優を素敵に見せる才能が有る女優なのかもしれませんね。
「知らなくてイイコト」でも、柄本佑さんがものすごく素敵なカメラマンに見えました。
(後半、不倫関係になってガッカリしましたけどね)
来年の大河は、吉高さんと柄本さんが主演のような感じなので
期待半分、大丈夫か?半分です。