平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

フットルース~若さとは? ダンスとは?

2010年12月26日 | 洋画
 レン・マコーミック(ケヴィン・ベーコン)がやって来た町は、ユタ州の片田舎の保守的な町。
 読むべき本は「トムソーヤ」、聞くべき音楽はハイドン。
 だが、若者の溢れるばかりのエネルギーはそれを潔しとしない。
 出口を求めて、自由に恋愛をしたいし、ダンスもしたい。
 そこで主人公のレンは<ダンス禁止>の町のルールをたたき壊そうとする。

 まず若者について。
 僕も若者だったのはだいぶ前のことだったので忘れてしまいましたが、<若さ>ということは<エネルギーに溢れていること>なんですね。
 刺激や楽しいことを求めて行動せずにはいられない。
 自分を抑えつけるものには反抗せずにはいられない。
 音楽で言えば、ハイドンよりはベートーヴェン、ベートーヴェンよりはロック。
 恋愛やセックスも重要な要素。相手を求め、走りまくる発情期。

 一方、中高年になるとエネルギーが枯れてきて、穏やかなものや秩序・安定を求める。
 常識に縛られ、異質なものを受け入れることが出来なくなる。
 そして、自分自身にも<若い時><発情期>があったのを忘れて、自分の価値観を若者に押しつけようとする。

 この作品を見たのはだいぶ前だったが、今回改めて見て<若者>とはこういうものだったんだなと気がついた。
 若者のすることに眉をひそめ、自分が抑圧する側にまわってはいけないんだな、と思った。

 若者はエネルギーに溢れ、時に無意味なことをする。
 オトナから見ると無為に時間を過ごしているように思える。
 でも、それはオトナの人生の残り時間を数えてしまうから。
 オトナは残り時間が少ないから、無為な時間をなくして、意味のあることをしようとする。
 でも若者には死など考えることもない無限と思える時間がある。
 だから無意味なこと、無為なことが出来るのだ。

 そして繰り返すが、オトナは若者がそういうものだと理解しなければならない。
 あるいはオトナが若さを取り戻したいと思ったら、無意味なことをしよう。
 心の安定、穏やかさを捨てて、感情の嵐に浸り、血湧き肉躍る興奮をしよう。
 そのための有効な手段としては<ダンス>がある。

 これは映画「マンマミーア!」や「shall we dance?」のテーマにも通じるが、ダンスは<若さ>を取り戻す手段である。



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