平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒19 「薔薇と髭の不運」~ヒロコママ、黄色い薔薇の花を届ける

2021年02月04日 | 推理・サスペンスドラマ
 ウーバーイーツなどの『オンライン・フーズデリバリーサービス』。
 これを使ったトリックでしたね。
 作家は、ふたつのトリックを用意した。

 ひとつは、デリバリーサービスのシステム利用したアリバイ工作。

 もうひとつは、透明人間化。
 フードデリバリーサービスの配達員であれば普通にマンションに入れる。
 犯行現場の街を自転車で走っていても特に注目されない。
 チェスタトンの『ブラウン神父の童心』に同様のトリックを使った『見えない男』というエピソードがあるが、『見えない男』の犯人の職業は××××だった。
 ××××が何であるかを知りたい方はぜひ原作を御一読を。

 しかし、アリバイ工作にデジタルシステム活用か。
 こういう時代になると、ますます青木年男(浅利陽介)の能力が必要になってくる。
 今回も事件解決に大きく貢献したのが青木だった。
 この意味では、米沢さんから青木へのチェンジは正解だったのかも。

 今回の事件を複雑にしたのは、事件現場にもうひとり別の動機を持った人間がいたこと。
 右京さん(水谷豊)の仕事は、この絡み合ったふたつの糸を解くことだが、これはAIや青木には出来ないことなんですよね。
 なぜなら、ここには、月の写真を撮っているヒロコママ(深沢敦)が遭遇するとか、右京さんとヒロコママの会話の「ビーカン」を聞いてしまういった「偶然」が存在するから。

 デジタル捜査とアナログ捜査──これからのミステリーはこのふたつの両輪で作られていく。
『太陽にほえろ』のような、ひたすら走る時代は終わったんですね。


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