逃げてばかりのろくでなしの強右衛門♪
今回の主役は鳥居強右衛門(岡崎体育)だった。
田鶴、葉、糸、阿月、万──
ひとりの人物に着目して歴史を描いていく本作。
特に今までスポットライトの当たらなかった人物を描いているのがいい。
強右衛門もまさか2023年の大河ドラマで自分が注目されるとは思っていなかっただろう。
さて、強右衛門。
逃げてばかりのろくでなしの男ががんばった。
「来ん! 徳川様は助けに来ん! わしらは見限られた!」
しかし、最後には自分の良心とプライドに従って──
「ウソじゃ! 徳川様はすぐに参らせる! 織田様の大軍勢といっしょじゃ!
皆の衆、持ちこたえろ! 持ちこたえるのじゃ!」
そして殿・奥平信昌(白洲迅)と亀姫(當真あみ)のことが好きだったのだろう。
磔にされた最期にはこんなことも……。
「殿! 殿! 徳川の姫君様はうるわしい姫君さまじゃ!
ようごぜえましたな。大事にしなれや!
そりゃあ、もう本当に素晴らしい姫君様じゃ!」
奥平信昌も亀姫も強右衛門の手を握ってくれた人だったんですね。
三人はこんなふうに繋がっている。
三人の思いがそれぞれに伝わって来て、いいエピソードだった。
亀姫役の當真あみさんは上手いな。
席を立つ信長(岡田准一)に
「お怒りをお鎮め下さいませ! 父上、亀はもうわがままを申しません。
仲直りをして下さいませ! 亀は喜んで奥平殿のもとへ喜んで参ります!」
當真あみさん、『オールドルーキー』『城塚翡翠』で僕が注目していた若手女優さんだ。
……………………………………………
そして今回のもうひとつの見せ場。
家康(松本潤)VS 信長。
最初は謙虚な信長。
織田と手を切ると家康に言われて馳せ参じ、
「徳川殿、再三の求めにも関わらず遅れた由、心よりお詫びいたす」
どうした、信長?
信長のくせに慎ましくしよって!笑←名セリフ!
謙虚な信長、実に新鮮だ!
しかし信長がそんなわけないのは明らか。
清須以来の盟約を打ち切ると言い出し、織田家の家臣になるか、織田の敵になるかを決めろと迫る。
そして家康VS信長。
「何たる仕打ち! これはあまりにも身勝手な仕打ちぞ!」
「決めるのはお前だ! さあさあさあ、どうする家康!」笑
「お前がちっとも助けを寄こさんから!」
「俺を脅すなど許さんぞ!」
見応えのあるバトル。芝居合戦だった。
いくさの合戦シーンもいいが、こういう芝居合戦もいい。
大河ドラマは通常、録画して消してしまうのだが、
今回は強右衛門、家康VS信長、當真あみさんの見所三本立て。
録画を残しておこう。
今回の主役は鳥居強右衛門(岡崎体育)だった。
田鶴、葉、糸、阿月、万──
ひとりの人物に着目して歴史を描いていく本作。
特に今までスポットライトの当たらなかった人物を描いているのがいい。
強右衛門もまさか2023年の大河ドラマで自分が注目されるとは思っていなかっただろう。
さて、強右衛門。
逃げてばかりのろくでなしの男ががんばった。
「来ん! 徳川様は助けに来ん! わしらは見限られた!」
しかし、最後には自分の良心とプライドに従って──
「ウソじゃ! 徳川様はすぐに参らせる! 織田様の大軍勢といっしょじゃ!
皆の衆、持ちこたえろ! 持ちこたえるのじゃ!」
そして殿・奥平信昌(白洲迅)と亀姫(當真あみ)のことが好きだったのだろう。
磔にされた最期にはこんなことも……。
「殿! 殿! 徳川の姫君様はうるわしい姫君さまじゃ!
ようごぜえましたな。大事にしなれや!
そりゃあ、もう本当に素晴らしい姫君様じゃ!」
奥平信昌も亀姫も強右衛門の手を握ってくれた人だったんですね。
三人はこんなふうに繋がっている。
三人の思いがそれぞれに伝わって来て、いいエピソードだった。
亀姫役の當真あみさんは上手いな。
席を立つ信長(岡田准一)に
「お怒りをお鎮め下さいませ! 父上、亀はもうわがままを申しません。
仲直りをして下さいませ! 亀は喜んで奥平殿のもとへ喜んで参ります!」
當真あみさん、『オールドルーキー』『城塚翡翠』で僕が注目していた若手女優さんだ。
……………………………………………
そして今回のもうひとつの見せ場。
家康(松本潤)VS 信長。
最初は謙虚な信長。
織田と手を切ると家康に言われて馳せ参じ、
「徳川殿、再三の求めにも関わらず遅れた由、心よりお詫びいたす」
どうした、信長?
信長のくせに慎ましくしよって!笑←名セリフ!
謙虚な信長、実に新鮮だ!
しかし信長がそんなわけないのは明らか。
清須以来の盟約を打ち切ると言い出し、織田家の家臣になるか、織田の敵になるかを決めろと迫る。
そして家康VS信長。
「何たる仕打ち! これはあまりにも身勝手な仕打ちぞ!」
「決めるのはお前だ! さあさあさあ、どうする家康!」笑
「お前がちっとも助けを寄こさんから!」
「俺を脅すなど許さんぞ!」
見応えのあるバトル。芝居合戦だった。
いくさの合戦シーンもいいが、こういう芝居合戦もいい。
大河ドラマは通常、録画して消してしまうのだが、
今回は強右衛門、家康VS信長、當真あみさんの見所三本立て。
録画を残しておこう。
いや、強右衛門のエピソードは結構有名なので「長篠」の主役は当然彼だと思います。
史実情報があまり多くない強右衛門について、「ろくでなしの男ががんばった」と脚色したところが本作のオリジナル。
そうした彼を「がんばらせた」のが、殿・奥平信昌と亀姫に対する暖かい思いだった、というところで良いドラマになっていました。
ところで、亀姫については第19話が印象に残っています。
瀬名が早く浜松に行くことを勧めて五徳が「お義父上をずっとお一人にしておかれては、良からぬ虫がつくかもしれませぬから」と言った時、亀は「浜松は虫が多いのですか」。
「お手つき」の情報が入っての「お義父上に虫がついたのじゃ」に対しては、「どんな虫ですか。毛虫ですか?それとも芋虫でしょうか?」
この「天然」ぶりが、いかにも亀が「箱入りの姫」であるイメージを与えています。
本作の強右衛門は毛皮の衣服も相俟って「獣じみた」異形の風体。
「箱入り姫」だからこそ、そのような強右衛門と心を通わせてゆくところがドラマになるのだろうと思います。
本作では珍しく、「一回限り」ではない人物に先を読んだ味付けがなされていたように思います。
ところで、今回の一件で信長と家康(徳川家)との関係の変化が示唆されていました。
こうした変化を瀬名はどのような思いで見ていたのかが気になります。
Wiki的史実情報では、亀姫のその後の人生はそれなりに幸せだったかもしれませんが、この時点でやはり奥平家が「格下」であることは否めないでしょう。
千代に接近した瀬名、今後実際に「反織田」の動きをするのかもしれません。
いつもありがとうございます。
強右衛門、結構、有名な人物なんですね。
もっと勉強しなくては……!
>「獣じみた」異形の風体。「箱入り姫」だからこそ、そのような強右衛門と心を通わせてゆくところがドラマになるのだろうと思います。
まさにここですよね。
ここで亀姫のキャラが一気に立ちましたし、そんな亀姫だからこそ、ラストの強右衛門のせりふが泣けます。
一度、「毛むくじゃらは嫌です」と言わせてマイナスからスタートさせたのも見事なキャラ造形でした。
>今後実際に「反織田」の動きをするのかもしれません。
今回のラスト。
千代の鈴の音がシャンと鳴って、瀬名の背中が映し出されるシーン。
意味深でしたよね。
あの時、瀬名は何を考えていたのでしょう?
織田について行くことの危うさを実感したのかもしれませんね。
次回の「設楽原の合戦」は悲惨なものになりそうですし、信長はこれからどんどんおかしくなって行くでしょうし、家臣たちも柴田勝家以外、ロクな人物がいなさそうですし、家康の心も少しずつ信長から離れていくんでしょうね。