平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

運動靴と赤い金魚

2009年10月06日 | 洋画
 何ともかわいい映画だなぁ。
 子供の頃は自分もこんなことに悩んでいたのかなぁと思える映画。

 物語はなくしてしまった妹の運動靴を小学生の兄・アリ(ミル=ファロク・ハシェミアン)が必死に探し求める話。
 でもなかなか見つからなくて自分の靴を妹と共有して学校に行くことに。
 おかげでアリはいつも遅刻。
 そんなことなら両親に正直に言えばいいのにと思うのだが、家は貧乏でなくしたなんて言ったら父親に怒られそうだから言い出せない。
 妹は下級生が自分の靴を履いているのを見つけ、その子の家に行って靴を返してもらおうとするのだが、下級生の父親は盲目で貧しい生活をしている様子なので言い出せなくなる。
 父親が金持ちの家でアルバイトのような仕事にありつき、やっと靴のことを離せると思うのだが、自転車が大破して父親は大怪我。それで言い出せなくなる。
 
 このように主人公のアリは不運で何とも無器用な子なのである。
 そしてアリが一生懸命で必死な分、観客はいつのまにか「がんばって」と応援している。
 アリの無器用さはクライマックスにも現れる。
 マラソン大会の賞金が運動靴だと知るアリ。
 アリはもちろん出場して必死に走るのだが……。
 ネタバレになるので書かないが、あれあれ?そうしちゃうのか?と思わずコケてしまうようなマラソン大会の結末。 
 でも神様は一生懸命なアリのことをしっかり見ているんですね。
 この作品からはそんな神様の視線を感じる。

 ところでラストの金魚は何を意味するのだろう?
 無器用ながらもいろいろな所に頭をぶつけ戦っていくアリは傷だらけの勇者。
 僕にはそんな勇者アリを金魚たちが讃えているように思える。

 かわいくてやさしい映画です。
 ほのぼのとした気分になりたい時はぜひこの作品を。



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2 コメント

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こんばんは♪ (kira)
2009-10-08 01:28:50
思った以上に温かで、優しい気持ちになれる作品でした。

貧困は恥ではないと、軽々しく言えないほど、
この作品の中のイランの格差社会。
貧しくても子供なりのプライドを、この泣き虫の兄にも、妹にも感じました。

仰るように、神様は見ていてくれたのでしょうね。
大好きな作品に出会えました♪
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必死に生きている (コウジ)
2009-10-08 11:14:58
kiraさん

コメントありがとうございます。
主人公たちは必死に生きているんですね。
多分、アリは大人になったら妹に「俺達、あんなことで悩んでたんだな」と話し、妹は「お兄ちゃん、マラソン大会でバカだったよね~」と話すことでしょう。

そんな未来のことが想像できる作品でした。

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