この作品は父と子の対立という図式を様々な形でふくらましてドラマにしている。
第2話・3話では万俵鉄平(木村拓哉)の高炉建設。
阪神銀行の融資に父・大介(北大路欣也)との対立が絡む。
その対立の理由は母から父を奪い、自分から芙佐子(稲森いずみ)を奪った高須相子(鈴木京香)をめぐるもの。
大介のじいさんへのコンプレックス。拡大して鉄平へのコンプレックス。(大介はじいさんに言われた。「おまえは金を動かす才能はあるが、物を作る才能はない。鉄平の方が器は上だ」)
まだ対立の理由はある。
金融再編を戦い、生き残るために融資に慎重にならざるを得ない頭取としての事情。
母と相子、ふたりの女を愛している父親の欺瞞。
理由がひとつだけでなく複数設定されている所がさすが。
これでドラマに説得力と深味が出る。
しかも鉄平と対立する大介の側にもちゃんとした論理がある。
相子は家を切り盛りできない寧子(原田美枝子)の代わりに必要な存在。(母・寧子も自分ひとりでは大介を支えられないと言う)
政略結婚も万俵家には必要なこと。
社員とその家族を守らなければならない頭取としての責任。
対立する側にも正当な理屈がある所が山崎豊子作品の魅力だ。
ドラマはこの対立図式の中で発展していく。
先程の高炉建設費の融資に関しては10%(20億)の融資カット。
これを大介は「親子の感情を抜きにした銀行の頭取としての正しい判断である」と言う。
銀平(山本耕史)の結婚。
銀平は母親の自殺を目撃して心の冷え切ってしまった男だが、過酷なノルマで銀行の支店長が死んでしまったことを責める。
しかし、その支店長の死までを利用して銀行の人間の心をひとつにする手腕にかなわないと思う。
「お父さんには勝てませんよ」
そう言って政略結婚を受諾する。
そして二子(相武紗希)の結婚。
二子には四々彦(成宮寛貴)という好きな人がいる。
そして、こうした対立のドラマの中に社会の仕組み、カラクリを描いていく。
義理の父である政治家の口利きで三栄銀行の融資を取りつける鉄平。
義理の息子である大蔵省官僚の裏情報から銀行乗っ取りをたくらむ大介。
高炉建設の認可が局長級の官僚に握られ、官僚に通じている帝国製鋼が邪魔をしている実態。その邪魔も政治家のひと言でなくなるという実態。
そして政治家や官僚を動かすために使われる金。
世の中のカラクリが見えてくる。
結局、上にいる人間が得をする。
上にいなければ認可も下りないし、情報も下りてこない。
鉄平のみが仕事に対する熱意と信念で人を動かしていくが、それがどこまで通用するか?
また鉄平は義理の父である大川(西田敏行)を使って高炉建設の認可や三栄銀行の融資を取りつけるが、これは大きな矛盾。自分も相子の進める政略結婚の恩恵を受けている。(来週はこの矛盾が表面化しそう)
鉄平の理想は実現されるのか?
巨大権力に立ち向かう理想。
これも山崎豊子の小説の基本構造。
「白い巨塔」の里見しかり「沈まぬ太陽」の恩地しかり。
今後の展開が楽しみ。
最後に大介と大蔵省の官僚である美馬中(仲村トオル)のやりとり。
過酷なノルマ、上方修正で支店長を死に追いやってしまった大介に美馬は言う。
「銀行というところは怖ろしい」
しかし大介も返す。
「そうするようにし向けたのは大蔵省ではないか」
金融再編という大蔵省の政策によって自分は部下に過酷なノルマを課さなくてはならない。
こうリアクションできる所がドラマを面白くする。
第2話・3話では万俵鉄平(木村拓哉)の高炉建設。
阪神銀行の融資に父・大介(北大路欣也)との対立が絡む。
その対立の理由は母から父を奪い、自分から芙佐子(稲森いずみ)を奪った高須相子(鈴木京香)をめぐるもの。
大介のじいさんへのコンプレックス。拡大して鉄平へのコンプレックス。(大介はじいさんに言われた。「おまえは金を動かす才能はあるが、物を作る才能はない。鉄平の方が器は上だ」)
まだ対立の理由はある。
金融再編を戦い、生き残るために融資に慎重にならざるを得ない頭取としての事情。
母と相子、ふたりの女を愛している父親の欺瞞。
理由がひとつだけでなく複数設定されている所がさすが。
これでドラマに説得力と深味が出る。
しかも鉄平と対立する大介の側にもちゃんとした論理がある。
相子は家を切り盛りできない寧子(原田美枝子)の代わりに必要な存在。(母・寧子も自分ひとりでは大介を支えられないと言う)
政略結婚も万俵家には必要なこと。
社員とその家族を守らなければならない頭取としての責任。
対立する側にも正当な理屈がある所が山崎豊子作品の魅力だ。
ドラマはこの対立図式の中で発展していく。
先程の高炉建設費の融資に関しては10%(20億)の融資カット。
これを大介は「親子の感情を抜きにした銀行の頭取としての正しい判断である」と言う。
銀平(山本耕史)の結婚。
銀平は母親の自殺を目撃して心の冷え切ってしまった男だが、過酷なノルマで銀行の支店長が死んでしまったことを責める。
しかし、その支店長の死までを利用して銀行の人間の心をひとつにする手腕にかなわないと思う。
「お父さんには勝てませんよ」
そう言って政略結婚を受諾する。
そして二子(相武紗希)の結婚。
二子には四々彦(成宮寛貴)という好きな人がいる。
そして、こうした対立のドラマの中に社会の仕組み、カラクリを描いていく。
義理の父である政治家の口利きで三栄銀行の融資を取りつける鉄平。
義理の息子である大蔵省官僚の裏情報から銀行乗っ取りをたくらむ大介。
高炉建設の認可が局長級の官僚に握られ、官僚に通じている帝国製鋼が邪魔をしている実態。その邪魔も政治家のひと言でなくなるという実態。
そして政治家や官僚を動かすために使われる金。
世の中のカラクリが見えてくる。
結局、上にいる人間が得をする。
上にいなければ認可も下りないし、情報も下りてこない。
鉄平のみが仕事に対する熱意と信念で人を動かしていくが、それがどこまで通用するか?
また鉄平は義理の父である大川(西田敏行)を使って高炉建設の認可や三栄銀行の融資を取りつけるが、これは大きな矛盾。自分も相子の進める政略結婚の恩恵を受けている。(来週はこの矛盾が表面化しそう)
鉄平の理想は実現されるのか?
巨大権力に立ち向かう理想。
これも山崎豊子の小説の基本構造。
「白い巨塔」の里見しかり「沈まぬ太陽」の恩地しかり。
今後の展開が楽しみ。
最後に大介と大蔵省の官僚である美馬中(仲村トオル)のやりとり。
過酷なノルマ、上方修正で支店長を死に追いやってしまった大介に美馬は言う。
「銀行というところは怖ろしい」
しかし大介も返す。
「そうするようにし向けたのは大蔵省ではないか」
金融再編という大蔵省の政策によって自分は部下に過酷なノルマを課さなくてはならない。
こうリアクションできる所がドラマを面白くする。
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