青天を衝け 第11回「横濱焼き討ち計画」～栄一、尊皇攘夷というハシカに罹る

　横濱焼き討ち計画。
　高崎城を乗っ取り、鎌倉街道を下り、横浜の偉人居留地を焼き討ちする。
　これで天下の耳目を集め、全国の草莽の志士の決起を促し、
　全国的な決起で、なかなか攘夷をおこなわない幕府を倒す。

　栄一（吉沢亮）たち、ズレてるな。
　もはや時代は「攘夷は無謀である」という状態になっているのに。
　攘夷とはこの時代の若者が罹るハシカのようなもの。
　一橋慶喜（草彅剛）はすでに「攘夷の無謀」に気づいている。
　薩長も気づき始めている。

　2021年の現代日本もそうなりそうだね。
　中国と戦争だー！
　いやいや、布マスク２枚すら満足に配れない国が中国と戦争したって負けるから。
　自民党の政治家も中国と戦争する気などさらさらない。
　何しろ中国は最大の貿易国だから。
　軍事費UPの口実と支持固めのために利用しているだけ。
　櫻井よしこらはそれで儲けるビジネス右翼。
　それに踊らされる、ツイッターのアイコンを日の丸にするような一部の人達。
　………………………

　というわけで、栄一は「攘夷」というハシカに罹ってしまった。

「俺を勘当して下さい。
　こんな乱れた世の中で安穏としていられねえ。
　家を出て天下のために働きたいと思う」
「俺は大義のために生きてみてえ」
「この世の中のすべての人が幸せでなければ俺は嬉しいとは思えねえ」

「大義」
　栄一、こういう大きなことを言う輩になってしまったのか。
「この世の中のすべての人が幸せでなければ」
　っていうけれど、
　栄一の家族は母親（和久井映見）を始め、みんな悲しんでるぞ。
　千代（橋本愛）は第一子・市太郎をハシカで失った悲痛の中、
　やっと第二子ができて一緒に喜んでもらいたかったのに、栄一は別のことを考えている。
　こんなバカな夫を千代はけなげに支えてる。
「あたしからもお願いします！」
　千代さん、もう少し文句を言った方がいいよ。

　まあ、栄一は次回あたりに攘夷に挫折するんだろうけど、
　今の栄一は共感できない人物になってしまった。

　栄一よ、はやくハシカから治ってくれ。