平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ロンドンハーツ~平成のガヤ王フジモン、ガヤ100人組み手に挑戦!

2013年02月13日 | バラエティ・報道
 昨日のロンドンハーツでやっていた『平成のガヤ王フジモン』
 FUJIWARA・藤本敏史さんのガヤを紹介していた。

 そもそもガヤとは何であるか?
 場をにぎやかにするためのかけ声、リアクション。
 たとえば、ゲストが登場した時、拍手だけではイマイチ盛り上がらない。
 かけ声があれば、場のテンションがあがる。
 たとえば
・EXILEのMAKIDAIさんが登場した時は、「さあ、踊れ、踊れ!」(笑)
・新山千春さんが登場した時は、「よっ、野球の嫁!」(笑)
・ザキヤマさんが登場した時は、「よっ、クセ毛のベッカム!」(笑)

 ガヤはこのように<かけ声>であるから、<ツッコミ>とは違う。
 <ツッコミ>にはMCや観客はリアクションをするが、<ガヤ>の場合は言ったら言いっぱなし。
 番組内では、むなしい音声として消える。
 フットボールアワー後藤さんの<たとえツッコミ>のように人々の記憶に残らない。
 ところが、FUJIWARA・藤本さんはこのガヤが秀逸なのだ。

 今回のロンハーの分析に拠ると、この藤本さんのガヤには、いくつかパターンがある。
①情報系ガヤ
 たとえば、ロンブー淳さんに対して「野菜ソムリエ!」
 淳さんが<野菜ソムリエ>の資格を取ったという情報を知らなければ、このガヤを言えない。
②よく知ってんなぁ系ガヤ
 たとえば、エドはるみさんが登場した時は、「MXテレビの銭湯が舞台のミニドラマ!」(笑)
 これはエドさんが<MXテレビの銭湯が舞台のミニドラマ>に出演していた所から出たガヤだが、フツーの人は関東ローカル局の銭湯ドラマなんか見ていない。
 情報系ガヤよりマニアックなガヤ。
③言い過ぎ悪ノリ系ガヤ
 これは人をからかう悪口みたいなもの。芸人さん向き。
 たとえば、たんぽぽ白鳥さんに対しては「夜店で売ってるチョコバナナ!」
 『しゃべくり7』であまりしゃべらないチュートリアル福田さんに対しては「しゃべくり7ちゃう、しゃべくり6や!」

 この藤本さんのガヤにはザキヤマさんとの掛け合いで、発展させていくという応用技がある。
 たとえば、ロンブー淳さんをからかう時は
「よっ、スケベキツネ!」
「♪ルー、ルルル♪」←北キツネ
「♪エー、ロロロ♪」
「エロの国から」

 ゆっていさんをからかう時は
「小さいことは気にするな! それ! ワカチコ!ワカチコ!」
「大きいことは気にするな! それ! チコワカ!チコワカ!」←ワカチコ!ワカチコ!を逆にしている。
「関東だけに入っている! それ! チクワブ!チクワブ!」

 これらのガヤ、発展のさせ方が実に見事!
 何しろ「ワカチコ!ワカチコ!」から「チクワブ!チクワブ!」ですからね。
 やっぱり芸人さんはすごいなぁ。

 最後は、藤本さんによる<ガヤ100人組み手>。
 画面に100人の有名人の写真が現れ、藤本さんが即興でガヤを入れていくという企画。
 その一部を紹介すると
・みのもんた←「立ったまま寝る!」(笑)
・高橋英樹 ←「越後製菓!」(笑)
・剛力彩芽 ←「ランチパック!」(笑)
・上戸 彩 ←「綾戸智恵!」(笑)
・ザビエル ←「広めろ、広めろ!」(笑)
・夏帆   ←「二文字!」(笑)
・照英   ←「二文字!」(笑)
・秋野暢子 ←「関西ローカルの番組の時だけ関西弁!」(笑)
・住吉美紀 ←「淳がねらってる!」(ロンブー淳さんと『知りたがり』で共演中)
・和田アキ子←「有吉、今のことどう思う?」(『アッコにおまかせ』でよく見かけるやりとりらしい)
・華原朋美 ←「馬の上からインタビュー」(笑)

 何とクォリティの高いガヤだろう。
 これらが全部即興ですからね。
 ザビエル←「広めろ、広めろ!」には笑った!
 これからは藤本さんがテレビに出ているたびに、どんなガヤを入れているか注目してしまう。

 ひとつのことを追求していくと、立派な芸になっていくんですね。
 ガヤはツッコミとは違って、比較的気楽に言える技なので、カラオケなどで使うと有効かも。


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ビブリア古書堂の事件手帖 第5話~栞子には<地球の悲鳴>が聞こえるんでしょうね

2013年02月12日 | 推理・サスペンスドラマ
★本を読むということは日常から<解放される>ということである。
 本を読んで人は、ヒーローになったり、はげしい恋愛をしたり、モンスターに襲われたりする。
『時計じかけのオレンジ』を読めば、主人公アレックスと同じように<暴力>や<音楽>の狂気に身を委ねることになるかもしれない。
 読書は、<単調な日常>や<自分を縛っている常識>などから自分を解放する行為なのだ。
 読書によって解放されることで、人はふたたび単調な日常生活を送れるし、正常を保つことができる。

 しかし、読書が逆に<抑圧>に働く場合がある。
 今回の小菅結衣(森迫永依)のケースがそうだ。
 彼女は『上手な読書感想文を書かなくてはならない』という思いにとらわれてしまう。
 本来、自由になる行為であるはずの読書が、真実の発覚を怖れてビクビクと生きるような結果をもたらす行為になってしまう。
 これでは本末転倒だ。
 おそらく結衣は書店などで『時計しかけのオレンジ』を見るたびに、過去に自分がしたことを思い出して、暗い気持ちになるだろう。

★栞子(剛力彩芽)が書いた『時計じかけのオレンジ』の感想文も興味深い。

『病室で大好きなベートーベンの『第九交響曲』を聴きながら、アレックスは地球が悲鳴をあげているところを想像する。
 私も、その曲を聴きながら耳を澄ませる。
 ひょっとすると地球の悲鳴が聞こえるかもしれないと思って』

『時計じかけのオレンジ』で描かれた世界は、地球が悲鳴をあげるような<悪夢の世界>なんですね。
 しかし、この<悪夢の世界>は小説の中のものだけではない。
 われわれが生きている現実も、地球が悲鳴をあけるような悪夢世界だ。
・世界各地で行われているテロや紛争
・核兵器、核ミサイル
・大気汚染に、放射能汚染
・貧困、格差、日本の自殺者は年間3万人
・マネーゲーム、企業の隠蔽体質
・暴力、しごき、いじめ
・国が借金だらけなのに行い続ける公共事業
 ともかくメチャクチャだ。
 こんな悪夢のような世界で、悲鳴をあげない方がおかしい。
 栞子の感性の根本には、このことがあるんですね。
 栞子には、人が心の中で叫んでいる悲鳴が聞こえる。
 悲鳴が聞こえるから、物事が明確に見える。

★最後に、今回、図書委員・田辺美鈴役で出演した生田絵梨花さん。
 われわれ、乃木坂46オタクの間では<ハイスペック少女>として有名なのですが、この機会にぜひ覚えておいて下さい。

 

 乃木坂46 フロント3人メンバーのひとり
 ニックネーム:いくちゃん、生田社長、エリカ様
 キャッチフレーズ:どん、どん、行く、どん、生田どん、好きな食べ物はうどん、料理はちょっと苦手 (その他のバリエーションもあり)


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八重の桜 第6回「会津の決意」~徳川ご宗家と存亡を共にするのが会津の務め。是非に及ばぬ!

2013年02月11日 | 大河ドラマ・時代劇
 憲法というのは、権力者の暴走を防ぐものなのだそうだ。
 たとえば、現在の憲法の第九条。
 これによって、どんなに戦争をしたい権力者が現れても、日本は戦争が出来ない。
 だから戦争をしたい権力者は憲法を改正しようとする。

 会津藩にとっての憲法は<ご家訓>である。
 松平容保(綾乃剛)はこれを頑なに守る。
 現在の政治家のように、時勢に合わないから変えようなどとは思わない。
「徳川家がヤバくなってきたから、そろそろ<ご家訓>変えてもいいんじゃねえ」なんてことを言わない(笑)

 法に盲従することがいいことか悪いことかはわからない。
 歴史の流れによって、是となる時もあれば、非となる時もあるだろう。
 しかし、人の考え方や気持ちは、日々どんどん変わっていく。
 だから、それを縛る言葉(=法律)が必要だ。
 ソクラテスは「悪法も法なり」と語って、法に従い、毒杯を仰いだ。
 今回、容保は、西郷頼母(西田敏行)の必死の懇願にもかかわらず、「是非に及ばぬ」と言って<ご家訓>に従う道を選んだ。

 ドラマとしては、サンドイッチ形式。
 冒頭とラストで、八重(綾瀬はるか)と二葉(市川実日子)の薙刀の試合が描かれる。
 冒頭では、八重の勝利。
 ラストでは、二葉の勝利。
 ラストで二葉が勝利したのは、梶原平馬(池内博之)の妻として<薙刀を振って家を守る覚悟>があったから。
 この覚悟の違いが勝負の明暗を分けた。
 <出陣の覚悟>が二葉の薙刀に<魂>を与えた。
 上手いドラマ表現だと思う。
 どんな描写よりも、二葉の妻としての気持ちが伝わってくる。
 鉄砲や砲術のことにしか興味のない八重にも、妻になるとはどういうことかがわかっただろう。

 その他の人物としては、佐川官兵衛(中村獅童)。
 いがみ合っていた覚馬(西島秀俊)に対して
「頼む、わしの分まで働いてくれ」
 うらは、会津が京都守護職になったと知った時に
「有り難いことだけんじょ、やっとこの子が産まれたのに」
 それぞれのキャラクターが表現されていて面白い。
 特にうら。
 彼女にとっては、政治論議よりも、背中の子を育てることや畑仕事の方が大事なのだ。
 『八重の桜』が終わって、21時からの『TVタックル』(テレビ朝日)では、<尖閣諸島問題>。
 日本維新の会の西村氏などは「中国と戦争をしろ」と熱弁している。
 今も昔も男たちは政治好き、戦争好き。
 うらが、この議論を見たら、どのように思うだろうか?


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メイドインジャパン~新しい技術を駆使して、良い製品を作り、世界中に届けること

2013年02月10日 | 職業ドラマ
 メイド・イン・ジャパンとは何か?
 新しい技術を駆使して、良い製品を作り、世界中に届けること。
 しかし現在は、合理化・効率化のもとに従業員のクビを切り、製品ではなく技術という知的権利を売ってお金にしている。
 マネーゲームもしているかもしれない。
 およそ物作りとはかけ離れた現実。
 その象徴が、TAKUMIの倉庫に山のように積み上げられた過去の製品たちだ。
 迫田(高橋克実)は「それでいいのか」と憤りを感じている。
 中国でなら、<新しい技術を駆使して、良い製品を作り、世界中に届けること>が実現できるのではないかと考え、中国の来生で働いている。
 しかし、来生の社長は、多少の欠陥商品があってもかまわないという儲け優先の方針。
 迫田はここでも裏切られる。

 矢作(唐沢寿明)は、かつて<メイド・イン・ジャパンの精神>を持っていたが、今は失ってしまった。
 その象徴が、かつての迫田のクビ切りだ。
 TAKUMI再建で、やろうとしたことも<来生から権利料として5千億引き出すこと>や<法廷闘争>だ。

 この物語は矢作が<メイド・イン・ジャパンの精神>を取り戻す物語だ。
 だから記者会見が終わって、過去の製品が積み上げられた倉庫で、ラジカセに電池を入れながら迫田と笑い合うシーンは微笑ましい。
 この瞬間、ふたりは、焼酎を飲みながら良い製品を作り売ることを語り合った昔に戻った。
 矢作がかつての自分を取り戻したことは、彼の家庭をも再生させた。
 それが苦しいこともつらいこともいっしょに語り合える夫婦関係。

 新聞記者・根来(金井勇太)の上司は、記者会見で迫田が自分の思いを告白したことを「昭和のオヤジとしてはよかった」とつぶやいた。
 そうですね、この物語は<昭和>を取り戻す物語でもあるわけなんですよね。
 人が情熱をぶつけ合いながら心をひとつにして夢を追いかけていた時代。
 それは<昭和>という時代への美化・ノスタルジーかもしれないが、少なくとも人と人のふれあい、連帯みたいなものは、企業にも家庭にもあったような気がする。
 そして、その連帯は、価値観を異にする中国でも。
 ラスト、迫田は中国人の工場労働者と<新しい技術を駆使して、良い製品を作り、世界中に届ける>という点で共感し合えた。
 この想いに、国や政治や経済は関係ないのだ。

 最後は名シーン・名セリフ
 矢作の娘・真紀(刈谷友衣子)は言う。
「あたし、とっくに大人だよ。パパやママって言っているのは、パパやママが喜ぶから、そう呼んでいるだけ」
 このせりふの後、「何だ、あいつ、いつの間に」と苦笑いする矢作役の唐沢寿明さんの顔がいい。
 第二話ではこんなシーン。
 矢作の方針に反対して、ひとりふたりと再建戦略室を離れていくメンバーたち。
 その中で小畑かなえ(マイコ)だけが残って、
「あたし、勉強ばかりしてきて料理下手だから。天丼には罪はないし」
 と言いながら、矢作が持って来た天丼をガツガツと食べる。
 このかなえって、すごくカッコイイ。
 この作品の見所は、さまざまな戦略や交渉を行っていく矢作のビジネスシーンですが、こういう何気ないシーンが逆に光るんですよね。


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ロンドンハーツ 有吉先生の進路相談②~野呂佳代編 「ブスでデブで性格の悪い自分を認めなさい」

2013年02月08日 | バラエティ・報道
 ロンドンハーツ『有吉先生のタレント“マジ”進路相談』
 一昨日は小林恵美さんらグラビアアイドルの進路相談について書きましたが、今回は元AKB48、元SDN48の野呂佳代さんについて。

 野呂さんに対する有吉先生のアドバイスは正論というか、的確だった。
 野呂さんが理想の女性芸能人としてあげたのが、小池栄子さんと深津絵里さん。
 小池栄子さんは目指すべきタレント像として、もしかしたらあり得るかもしれないけど、深津絵里さんはまったく違う。
 だが、有吉先生は、小池栄子さんを目指すこともきっぱり否定して、こうアドバイスする。
「島崎和歌子さんを目指しなさい!」
 確かに。野呂さんのイメージは、攻撃的な芸風といい、しゃべり方といい、島崎和歌子さんと合っている。
 実に的確だ。
 有吉先生は「自分のことを客観視できない人が進路相談にくる」と語っていたが、野呂さんの場合はまさにそれ。
 より良く生きていくためには、自分をシビアに客観的に見ていく必要があるんですね。
 しかし、そのさじ加減が難しい。
 あまりシビアに自分を見過ぎると、自信がなくなり、ネガティブ思考ばかりになってしまう。
 何事に対しても一歩踏み出せなくなってしまう。

 他人と比較することも意味がないと有吉先生はアドバイスした。
 野呂さんは同じSDN48だった芹那さん、大堀恵さんに対してライバル意識を燃やしていた。
 売れている芹那さんに対しては「事務所の力で売れているだけ」と語り、大堀恵さんに対しては「結婚して幸せそうだ」と嫉妬を燃やす。
 芹那さんや大堀さんの今日があるのは「自分が縁の下の力持ちになって支えてきたから」で、あのふたりは美味しい所だけ持っていったと野呂さんは悔しさを滲ませる。
 これに対して有吉先生。
「縁の下の力持ちであることが野呂佳代の役割なのだ」みたいなことを語った。
 深いですね。
 人には人それぞれの役割がある。
 他人をうらやましがるのではなく、人は自分に与えられた役割を果たせばいい。
 有吉先生はこんなことも野呂さんに語った。
「芹那が出世すれば、お前を共演者として推薦してくれるかもしれないじゃないか」
 苦労人の有吉先生ならではの言葉ですね。
 自分に与えられた役割をしっかりやっていれば、チャンスは来るし、誰かが声をかけてくれる。
 だから、有吉先生の最終的なアドバイスは
「(野呂さんが現在やっている)パチンコ番組の仕事を嫌な仕事だと思わずに、全力でやりなさい」
 確かに。このパチンコの仕事で野呂さんが、パチンコについて深く語れるようになれば、それだけでタレントとしての強みになりますからね。

 その他のアドバイスとしては
「バラエティ番組での発言では、量を言うな。質を問え」
「不用意な発言で一発アウトになることもある」
 これも苦労人の有吉先生ならではの言葉。

 この進路相談の結果、野呂佳代さんは「ブスでデブで性格が悪い自分」を認識したらしい。
 この自己認識をした野呂さんを見て、ロンブーの淳さんは「受け入れると顔がやさしくなる」とコメント。
 このコメントも深いですね。

「ブスでデブで性格が悪い」野呂佳代さんの今後の活躍が楽しみです。


 有吉先生の進路相談① グラビアアイドル編はこちら


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相棒11 第14話「バレンタイン計画」~ただ笑顔が見たかった……、せつない母親の思い

2013年02月07日 | 推理・サスペンスドラマ
 親と子の物語である。
 思春期の子の物語だと言ってもいい。

 まずは<いい子>を演じるということ。
 藍沢祐介(北村匠海)の兄は、父親に気に入られるために、ジャズやサッカーを好きなふりをする。
 本当はアイドルや野球が好きなのに。
 <自分>というものを持ち始めた子供にとって、親が自分の価値観を押しつけることは、抑圧以外の何者でもない。
 若さというエネルギーは、ひとつの型にはめられることを嫌う。
 たとえ押し込めたとしても、やがては溢れ出て、祐介や兄のように、押しつけられた自分ではなく<本当の自分>を取り戻そうとする。
 親は、そんな<自分>を持ち始めた子供に、自分の価値観を押しつけてはいけない。

 二番目の思春期のテーマは、親ばなれ。
 今回の祐介の母親に対する拒絶はまさにそれであろう。
 半分子供である祐介は本当は母親に甘えたいのだ。
 だが、思春期の自分がそれを許さない。
 甘える自分をカッコ悪いと思ってしまう。
 僕なども経験がありますが、男の子は特にそう。素直になれない。
 しかし、一方で誰かに甘えたくて、中古ジャズレコード店・白石夫妻の所に居場所を見出してしまう。
 それが最後に語った右京(水谷豊)の言葉。
「家族だから心を開けなかったのではないですかね」
 正確には覚えていないが、こんなことを右京さんは言っていた。

 一方、<親ばなれ>を始めた子供を持つ母親はつらく、せつない。
「わたしに心を開いてくれない」と悩み、「子供の笑顔が見たい」という思いから、アニメのグッズがもらえるペットボトルのキャップを集める。
 だが、それは、子供がまだ幼くて、おもちゃを与えれば笑顔をむけてくれた時の発想と同じだ。
 思春期の子供は日々前進していて、ペットボトルのキャップを集める動機が、とっくに<アニメグッズ>から<エコロジー>に移っている。
 母親は、日々前進する子供のスピードについていけない。
 ここに今回の悲劇の原因がある。
 母親も早く<子ばなれ>をすべきであった。
 客観的に書いてしまうと、今回の事件はこのようになってしまうのだけれど、母親の心情を思うと僕はせつなくなる。
・子供の喜ぶ顔が見たくて、必死にペットボトルのキャップを集める母親
・その集めたキャップが簡単に他人に与えられた時の絶望
・祐介の兄の命日に家族で語り合いたくて、4人分の料理を作っても食卓に誰もいない孤独
 これらのシーンを見ただけで、うわ~っ! となってしまう。
 母親は失われたものを必死に取り戻そうとしていたんでしょうね。

 というわけで、今回はミステリーというよりは<家族のドラマ>。
 僕は母親を早く亡くしましたので、こういう話には弱いんです。
 もし、この記事を読まれた方で、最近母親と話をしていないな~という方がいらっしゃいましたら、ぜひ電話してあげて下さい。


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ロンドンハーツ① 有吉先生の進路相談~小林恵美さんたちに対する最終結論は「とにかく脱げ」(笑)

2013年02月06日 | バラエティ・報道
 昨日のロンドンハーツ『有吉先生のタレント“マジ”進路相談~私たち、もうわかりません~』
 グラビアアイドルの小林恵美さん、尾崎ナナさん、中村知世さんが登場!

 彼女たちの普段の生活と言えば、
・毎月のほとんどが休み
・休みの日の過ごし方は、ゴルフ・マッサージ(小林恵美さん)、エステ・美容院・友達とご飯(尾崎ナナさん)、美容院・料理教室・映画・ドライブ(中村知世さん)
・住んでいる部屋は、家賃12万の1K(小林恵美さん)、家賃13万のILDK(尾崎ナナさん・中村知世さん)。

 こうして見ると、何と優雅な生活だろう。
 日々の生活に追われているわれわれにしてみれば、実にうらやましい。
 もちろん、これらは番組アンケートで書かれていることで必ずしも実態を表しているものではないし、番組の演出も入っているのだろうが、素晴らしいじゃないですか、毎月のほとんどが休みで、ゴルフ、美容院、エステの生活、家賃10万円台の部屋って。

 さて、番組では有吉先生がこの点を指摘。
「スポンサーがいるの?」
 つまり、小林さんたちの生活にお金を払ってくれる男性がいるってこと。
 ロンブーの淳さんは
「芸能人が勤めるキャバクラがあるって聞いたことがあるよ」
 この<スポンサー><芸能人キャバクラ疑惑>に対して、小林さんたちはもちろん否定。
 尾崎ナナさんは、1回の参加料8,000円の水着撮影会を4回まわししたりして、稼いでいるらしい。
 あとは志村けんさんの『バカ殿様』出演とか。
 いずれにしても、彼女たちの収入源は解明されず、謎のまま。
 でもタレントさんには、こういうミステリアスな部分が必要なんでしょうね。
「絶対スポンサーがいるよな~、でも、いないかもしれない」「枕営業してるよな~、でも、していないかもしれない」みたいな謎の部分が。

 そして、こんな小林さんたちの進路相談の悩みは、グラビアやDVDの内容がどんどん過激になっていくこと。
 深夜番組に呼ばれても、要求がどんどんゲスは方向になっていくこと。
 今、彼女たちに迫られている決断は<脱ぐか、脱がないか>、芸能人専門のAV<MUTEKI>に出るか、出ないか。
 大変だな~、芸能界って。
 フツーの人なら、ここで芸能界を引退して普通の生活に戻るのだろうが、彼女たちの業はそれを潔しとしないらしい。
 それはマネージャーさんたちも同じ。
 小林恵美さんのマネージャーさんは「MUTEKIの仕事はタイミング次第でOK」(笑)
 尾崎ナナさんのマネージャーさんは「売れるためにフライデーされてみろ。ただし大物限定で」と売名行為のすすめ!(笑)

 というわけで、改めて思いますが、大変だな~、芸能界って。
 でも、こういう影の部分、地下っぽい部分って好奇心をそそる。
 小林さんたちには、大衆の欲望や視線を浴びて、たくましく、したたかに生きてほしい。


 有吉先生の進路相談② 野呂佳代編 はこちら


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ビブリア古書堂の事件手帖 第4話~本を愛する人たち 「ティナルディエ軍曹には気をつけろ!」

2013年02月05日 | 推理・サスペンスドラマ
 事件には動機がある。
 小百合の息子・昴(今井悠貴)の動機は<本への愛>。
 玉岡聡子(森口瑤子)の動機も<本への愛>。
 ふたりとも、自分にとって大切な本を、それを愛していない人に渡したくないと考えている。
 そのために盗みを働いたり、ウソをついたりする。
 本来なら、同じ本を愛しているふたりは<一番わかりあえる人間どうし>なのに。
 ちょっとしたボタンの掛け違えで、争ったり憎み合ったりするようになる。
 このように考えていくと、今、世界で起きているさまざまな争いや紛争のほとんどは、ボタンの掛け違えで起こっているのかもしれない。
 おそらく、あの後、昴と聡子は『春と修羅』を共有するだろう。
 ここから豊かな対話と人間関係が生まれる。

 さて、今回の事件のモチーフである<手入れ本>。
 宮沢賢治は同じ作品を何度も推敲し、書き直したようで、現在、ひろく読まれている『銀河鉄道の夜』にも、その元となったオリジナルバージョンがあるようですが、今回のドラマにも<手入れ>がなされているように思える。
 最初のオリジナルバージョンは<昴が『春と修羅』を盗んだ>という物語。
 手入れをされて書き直されたバージョンは<聡子が『春と修羅』を正当な相続者に渡さずに盗んだ>という物語。
 おそらく原作の三上延さんは、宮沢賢治を模倣して、今回のエピソードを<手入れ>してみようと考えてみたのではないか。
 せっかく宮沢賢治の作品を題材にしているのだから、このエピソードも<昴が盗んだ>という物語で終わらせてはいけないと考えたのではないか。
 このことは三上延さんに確認してみなければわかりませんが、もしそうだとしたらしっかり遊んでいますね。
 何度も手入れをした宮沢賢治へのリスペクトもある。

 最後に、今回のもうひとつの事件、志田さん(高橋克実)の事件。
・金メダル
・額に★型の印
・ポケットにモモンガ
 背後にすごい謎が隠されている事件のようだったが、実は泥酔していただけ!(笑)
 先程の<動機>という視点で、この事件を考えてみると、動機というか事件の原因は<泥酔>。
 前述の『春と修羅』をめぐる事件と比べると実に他愛ない。
 それに、事件の真相が<泥酔>であったというのは、おそらくミステリー史上初ではないか(笑)
 でも、世の中で起こる事件のすべてが、こんなふうに楽しくて他愛ないものだったらいいですね。


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八重の桜 第5回「松陰の遺言」~至誠にして 動かざるものは未だ これあらざるなり

2013年02月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 野菜に話しかけながら育てているうら(長谷川京子)。
 彼女は野菜と同時に、お腹の中の子にも話しかけていたんでしょうね。
 お前も大きく育てと。
 ところが攘夷派の人間から、夫を守ろうとして流産。
 彼女の哀しみと山本家に対する申し訳なさはどれほどのものかと思うが、その後の八重(綾瀬はるか)とのやりとりが興味深い。
 後日、八重は、うらと同じように話しかけながら野菜を育てているが、うらの真意(=お腹の子にも「大きく育て」と話しかけていたこと)を理解していない。
 自分の子を宿したことのない八重には仕方のないことなのでしょうが、八重はまだ子供なんですね。
 だから、この後、うらが大泣きしても「姉様、どうされたのですか?」と戸惑うことしか出来ない。
 このふたりの対比が巧みに描かれていた、いいシーンだったと思います。

 吉田寅次郎(小栗旬)の死に関しては、覚馬(西島秀俊)のリアクションがドラマになっている。
 まずは、過激な攘夷派に対する<怒り>と攘夷を唱える寅次郎に対する<友情>の相克。
 尚之助(長谷川博己)が語ったように、覚馬の中では、このふたつの感情が混在して、「大事な人が亡くなったのに悲しむことが出来ない」でいる。
 実に複雑な心情だ。
 そんな覚馬の気持ちに整理・決着をつけたのが、寅次郎の言葉。
「至誠にして 動かざるものは未だ これあらざるなり」
 <誠を尽くす>という愚直な生き方の点で、覚馬と寅次郎はふたたび通じ合うことが出来た。
 自分も寅次郎のように、誠を尽くして自分の正しいと思うことを語り、行動していこうと。
 だから、西郷頼母(西田敏行)に、『今は内乱をしている時ではなく、会津は水戸と幕府の調整をすべきだ』と建白した。
 結果は「分をわきまえろ」と一蹴されてしまったが、寅次郎の<愚直さ>は覚馬の中で生きている。
 それは高杉晋作ら幕末の志士たちも同じ。
 寅次郎の精神は、こうして受け継がれていったんでしょうね。


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泣くな、はらちゃん 第3話~言葉の力 「すごいです!」「うれしいです!」「大好きです!」

2013年02月03日 | 恋愛ドラマ
 『Q10』『怪物くん』『妖怪人間ベム』『悪夢ちゃん』……
 日テレ・土曜9時のドラマは、<異なる者>が現実に悩む人たちに力を与えていく作品が多い。
 『泣くな、はらちゃん』の場合は漫画から出てきた主人公。

 さて、はらちゃん(長瀬智也)は今回、越前さん(麻生久美子)をどのように力を与えたか。
 まずは<あきらめない心>。
 勝負や挑戦から逃げてしまう越前さんの基本的な考え方はこうだ。
「無責任に『やってみなきゃ分からない』とか『夢は叶う』とかいうの嫌いです」
「諦めるのって別に悪いことじゃないと思いますけど。嫌な思いもしませんし」
 確かに挑戦しなければ敗北することはなく、傷つきませんからね。
 的確な自己防衛手段。
 しかし、今回越前さんは、はらちゃんのウザい(?)応援もあり、新作かまぼこの勝負に挑戦した。
 結果は敗北。
 でも、越前さんは傷つかなかった。
 戦って敗れて、むしろ清々しく、達成感の方が大きかった。
 越前さんがまたひとつ解放された瞬間である。

 そして、それは越前さんが「自分のことを好きになった」瞬間でもあった。
 百合子(薬師丸ひろ子)は、恋の相談に来たはらちゃんにこう語る。
「越前さんに必要なのはまだ恋じゃないかもね。まずは自分をもう少し好きにならないと恋には進めない」
 実に的確な言葉だと思う。
 越前さんが取り戻さなくてはならないことは、<自分を好きになること>なのだ。
 この点でも、今回越前さんは一歩前に進むことが出来た。
 その原動力になったのは、はらちゃんの言葉。
「すごいです!」
「うれしいです!」
「大好きです!」
「ずっとそばにいたいんです!」
 これらの言葉をかけられるだけで、人はどんなに勇気づけられることか。

 最後に、薬師丸ひろ子さんが演じる百合子って、消えた漫画家の矢東薫子先生ですよね。
「人生という名の戦いから降りた」彼女に何があったのだろう?


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