平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ゆとりですがなにか? 最終話~完璧な大人なんかいない。ダメな所を認め合って共感しよう

2016年06月21日 | 学園・青春ドラマ
「はたして完璧な大人っているのかな?
 人は誰も過ちを犯す、逃げる、怠ける、間違える、道に迷う、言い訳する……心の思春期は生きてる限り続きます。だから、他人の過ちを許せる大人になって下さい」

 山路一豊(松坂桃李)が生徒に語った言葉だ。
 この作品のテーマはこれですよね。
 みんな何かが欠けている。
 坂間正和(岡田将生)も道上まりぶ(柳楽優弥)も宮下茜(安藤さくら)も。
 欠けているどころか、みんな欠点だらけ。
 それは〝ゆとり世代以前〟の親父たちも同じ。
 麻生(吉田剛太郎)は一見、酸いも甘いもかみ分けた、ちょい悪親父に見えるが、実はダメ男。
 野上(でんでん)は人情派のデキる部長に見えるが、実は接待が大好きで、食中毒事件まで起こしてしまうダメ男。

 でも、彼らは、いろいろな所に頭をぶつけながら、懸命に生きている。
 悩みながら戦っている。
 そして、お互いのダメな所をさらけ出し、認め合うことで繋がっている。
 これが青春、思春期の感性なのだ。

 あと面白かったのが、悦子先生(吉岡里帆)。

 

 「教育実習が終わって燃え尽きました」「教師は大変なのでやめました」と言ってしまうような〝ゆとり〟なのだが、エッチなことはしっかりやっている。
 教師という関係では山路の方が悦子より上なのに、男女の関係だと、山路はドーテーなので、たちまち立場が逆転してしまう所が面白かった。
 ドーテー山路にとって、悦子は自分を振りまわす、とんでもない魔物に見えたことだろう。
 吉岡里帆さん、『あさが来た』の丸眼鏡の田村宜役もやっていたけど、いろいろな役を巧みにこなすなぁ。

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真田丸 第24回「滅亡」~家康、景勝、昌幸、正宗……戦国オールスターズのさまざまな思い

2016年06月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 戦国オールスターズ!
 家康(内野聖陽)、上杉景勝(遠藤憲一)、真田昌幸(草刈正雄)がそろい踏み!

 この3人が北条氏政(高嶋政伸)の説得に当たる。
「氏政殿にはぜひとも生き延びていただきたい。それが互いにしのぎを削ってきた、われら3人の総意でござる」
 家康の言葉だが、燃えるぜ~!
 しのぎを削って戦ってきた好敵手だったからこそ生まれる友情。
 タヌキ親父の家康だが、これは本心だよね。
「恥は一時でござる。生き残ることこそが肝要」という言葉もいい。
 上杉景勝も髻(もとどり)を切って、秀吉(小日向文世)に助命を懇願するという。
 いいのか? そんな約束をしちゃって(笑)と思うが、これも景勝ならではの誠実な友情の表し方。
 氏政からは逆に「上杉殿、むしろあなたに伺いたい。秀吉のために生きるのでござるか?」とプライドを捨てた景勝を責める言葉があったが、景勝は何を思ったのだろう?
 昌幸の言葉は壮大で説得力があった。
「死にたければ死になされ。されど生きておればまだまだ楽しいものが見られますぞ。このまま秀吉の天下が来るとは到底思えぬ。ここにいる誰もがそう思っておるはず。もうひと暴れしたいとは思いませんか?」
 この言葉、好きだわー。
 昌幸は未来を指向している。
 夢を語っている。
 今はどん底でも生きていれば、命を燃やせる機会はいくらでもあるし、大逆転もあり得るのだ。

 しかし、氏政の心は再起不能なほどに折れており、秀吉に屈しないというプライドが彼の唯一の支えであったようだ。
 助命を聞き入れず、死を選んだ。
 ただ、その死は穏やかなものであっただろう。
 なぜなら、最後に家康、景勝、昌幸が来てくれたから。
 彼らのあたたかい思いが氏政を穏やかにした。
 そして最期の汁かけご飯。
 氏政はこれで<生の喜び>を感じたに違いない。
 天下を取らなくても、たった一杯の飯で人は喜びを感じることが出来るのだ。

 もうひとりの戦国オールスターズの伊達政宗(長谷川朝晴)も登場。
 秀吉に媚びへつらい、ずんだ餅を披露する正宗。
 これには、伊達、上杉、徳川、真田の連合軍で秀吉を攻めるという昌幸の構想も頓挫したようだ……(笑)
 家康も「伊達政宗、もう少し気概のある男と思っていたが。人のことは言えんが……」
 そんな正宗にも忸怩たるものがあった。
 時勢はすでに豊臣であり、生き残るためには臣従するしかない。
 しかし、戦国の血はたぎる。
 刀を抜き、振るいながら
「もう20年はやく生まれておれば!」
「もう少し京の近くに生まれておれば!」
 この政宗に、刀の鞘をわたす信繁(堺雅人)。
 この<鞘を渡す>行為は、戦意を抑えなさい、という信繁の意思を表しているのであろう。

 戦国オールスターズのそれぞれの心情を描いて、見応えのある回でした。

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STOP安倍政治!~自分の実感を大事にしましょう。庶民にアベノミクスの恩恵は降りてきません

2016年06月19日 | 事件・出来事
「アベノミクスはお金持ちを大金持ちにはしましたけれども、普通の人の暮らしを豊かにする事に失敗しました。実質賃金も5年連続下がっておりますし、家計の消費も伸びません」

 民進党・山尾志桜里議員の演説だ。
 安倍首相はいろいろなデータをあげて、自分の実績を誇るが、上の山尾議員の言葉が庶民の実感だろう。

 今回は言葉を連ねずにシンプルに言います。

・アベノミクスは失敗しました。
・金持ちは潤っても、庶民にはその恩恵は降りてきません。
・安倍晋三氏の言うことはウソばかり。
・格差はどんどん拡がり、生活はますます苦しくなります。

 政治家の自画自賛の言葉より、自分の実感を大事にしましょう。
 今度の参議院選挙で安倍自民党を勝たせたら、経済も民主主義もとんでもないことになります。
 戦争だって起こるかもしれない。

 自分の将来を左右する大切な選挙。
 特に若い人は投票に行きましょう。


 
 「週刊女性」来週号の予告より

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AKB総選挙~ニャンニャン仮面はどこまでいくか? みおりんも頑張れ!(画像あり)

2016年06月18日 | アイドル
 本日はAKB48選抜総選挙です。
 熱心なAKBファンから離れてだいぶ経つので、はっきりしたことは言えないのですが、テーマは『若手』ですかね。
 いつまでも指原莉乃、渡辺麻友、柏木由紀、松井珠理奈、山本彩ではつまらない。
 指原らに代わるAKBの次世代メンバーは誰なのか?
 支店の勢力図も注目。
 ファンが熱くて選挙に強いのはSKEだが、今年はどうなのか?
 SKEファンは乃木坂、欅坂に流れたというウワサもあるけれど。
 そして、NGT、チーム8、昨年、躍進したHKTは?

 にゃんにゃん仮面という方も出ている(笑)
 何と、『徹子の部屋』にも出てしまった………

 
 と思いきや、にゃんにゃん仮面がテレビ朝日の『徹子の部屋』体験スペースに行って、人形の徹子さんと写真を撮っただけ(笑)
 いいそ、こじはる……じゃなくて、にゃんにゃん仮面!
 こういう遊び心のある人、好きだなぁ。
 やはり小嶋●菜は偉大だ。

 遊び心と言えば、ファンがつくる応援ポスターも楽しい。
 NMB48のみおりんこと市川美織の応援ポスターがこれ。
 ファンの愛情が伝わってくる。

 

 

 フレモン好きなんだけどなぁ。
 ずっとレモンキャラ続けてほしい。
 今年はどのくらいまで行くのだろう?

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自民党公約~リニアに何と30兆円! 社会保障は消極的! これでも安倍自民党を選びますか?

2016年06月17日 | 事件・出来事
 自民党の参議院選の選挙公約が出た。

『日銀のマイナス金利政策を活用して、官民合わせて5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる』

 リニアに30兆!
 官民合わせてと書いてあるが、国の負担はどれくらいなのだろう?

 ちなみに、この30兆という金額、大学無償化の費用は年間約3000億と言われているから100年分にあたる!
 本当に安倍自民党って人間に投資しないね。
 ツイッターではこんな意見があった。
〝そもそもさ、リニアに30兆円て簡単に言うけど、国民1億二千万として一人頭25万の負担だよ? 一家四人なら100万。馬鹿じゃねえのか、自民党〟
 まさにそのとおり。
 おそらく、国の威信と、お友達のJR東海の名誉会長・葛西敬之との癒着で進めているんだろうけど、新幹線で十分じゃないか?
 日本の人口も減るから乗る人も少ないだろうし、あんなメチャクチャ電力がかかるものを走らせてさ、狂気の沙汰だね。
 安倍のやることを許していたら日本は滅びるね。

 この壮大な無駄遣いに比べたら、舛添都知事のインチキなんか小さい、小さい。
 ちなみに先月行われた伊勢志摩サミットのメディアセンターの建設費は、たった2日間しか使わず解体してしまうのに、28億5000万円!
 ったく、これも国の威信のために立派なものを建てたんだろうけど、この金銭感覚おかしくないか?
 TVマスコミはどうしてこういう無駄遣いを伝えないんだろうね?

 一方、社会保障に関する自民党の公約はこうだ。
『増税による税収を財源に実施する予定だった低所得高齢者への給付金といった社会保障の充実は、赤字国債に頼ることなく安定財源を確保して可能な限り行う

 出たよ。
 可能な限り行う。
 つまり、ほとんどやらないってことだ。

 リニアには30兆円も使うくらいなら、保育園や老人ホーム建設や保育士さん、介護士さんの給料に使えばいいのに。
 奨学金を無償にして、社会に出てからの返済に苦しまないようにすればいいのに。
 その方が将来の不安がなくなるから、リニアなんかより、はるかに経済効果になるよ。
 保育園も出来るから少子化対策にもなる。
 20年後、50年後のことを考えたら、リニアより人に投資すべきだと思うんだけどなぁ。

 皆さんは、これでも安倍自民党を選びますか?


※参照記事
 自民が参院選公約 5年で30兆円投資、リニア延伸前倒し(日本経済新聞)

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僕のヤバイ妻~イカれて狂った爆笑サスペンスドラマ、ついに完結! 締めのせりふは「アクアパッツァ」

2016年06月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 いやぁ、面白かった!
 最終回は視聴率10.2%だって! あがったなぁ!

 幸平くん(伊藤英明)はともかくみんなから「バカ」って言われてた……。
 和樹(高橋一生)からは「バカが逃走した」www
 小暮(佐々木蔵之介)からは「君は本当にバカだ」www
 真理亜(木村佳乃)からも「あなたって本当にバカね」www
 ついでに幸平くんも逃げる時に和樹に「バーーカ!」www←小学生か!

 でも幸平くんは本当は頭がいいんです!
 動画で、真理亜の指に結婚指輪がはめられていることで、真理亜の監禁場所を知ったし、「いい加減、脱いだ靴は靴箱に入れなさい」という真理亜の言葉で、靴箱に起死回生の何かが隠されていること見破った。
 でも、ふたたび背後から和樹にナイフを突きつけられて、ふたたびピンチに!←二度目なんだから少しは学べよ……。
 おまけに灯油のバラまかれた床に落ちるタバコを阻止しようとしたが、灯油に足を滑らせて失敗ーーーっwww
 さらに自殺しようとした有希(キムラ緑子)を助けようとして刺されてしまうーーーwww しかも自分でもなぜ助けようとしたのかわからないーーーwww
 これ、そばに芸人さんがいて的確なツッコミを入れてたら、絶対コントになってたよなぁ。
 だから視聴者は代わりにツッコミを入れて楽しんでいる(笑)
 今までもツッコミどころ満載のドラマはたくさんあったけど、『ヤバ妻』ほどの作品はなかった!

 真理亜さんは頭が良かった。
 以下、ネタバレ。

 暗号N31。
 この意味は、November31(=ふたりが永遠の愛を誓い合った記念日=11月30日の日をまたいだ11月31日)。
 ということかと思いきや、実はもうひとつ意味があった。
 N31は真理亜が誘拐された時に支払われる誘拐保険のことだったのだ。
 これは娘を愛する真理亜の父親がかけたもので、今回のケースの場合は1000万ポンド(約16億円)が支払われる。
 真理亜の父親はすでに亡くなっているので、保険の受取人は夫の幸平。
 この保険のために偽装誘拐を仕掛けた真理亜としては、受取人の幸平が死んではまずかったし、離婚されてもまずかった。

 このN31の意味が<婚約記念日>から<誘拐保険>に変わったことで、世界は大きく違ってしまう。
 <婚約記念日>だと、幸平との恋愛物語になるが、<誘拐保険>だと幸平を利用したドロドロの犯罪物語になる。
 オセロの○が●に変わったような感じで、この転換は見事だなぁ。
 めでたしめでたしの恋愛物語で終わるとは思っていなかったけど。

 ラストも気が利いている。
 幸平は「お前ほど面白い妻はいない」と、真理亜とのハラハラドキドキの生活を楽しみ始めている。
 刺されることも、警察に追われることも、食事に毒を混ぜ合うこともスリリングで楽しいのだ。
 今は誘拐保険で得た16億円を真理亜に奪われるのではないか、そのために殺されるのではないか、とドキドキしている。
 でも、それが楽しくてしょうがない。
 殺し殺される真理亜との戦いを受けて立とうとしている。
 だから、レストランでウエイターから「ご注文は?」と問われて、真理亜は「スペアリブ」と答え、幸平はこう答える。
「アクアパッツァ」(笑)

 おおーーーーっ!
 最後の最後で「アクアパッツァ」が出てきたよーーーっ!
 最後まで期待を裏切らない、狂ったドラマでした!

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重版出来! 最終話~世界と和解した中田伯と、新作宣言の三蔵山先生に感動!

2016年06月15日 | 職業ドラマ
 中田伯(永山絢斗)の『ピーヴ遷移』が大反響!
 読者は熱狂し、高畑一寸(滝藤賢一)ら漫画家たちはライバル視、読み逃した読者用のWeb版にはアクセスが殺到し、書店からはいつ単行本が出るのかと問い合わせ。
 しかし、天才・中田伯はいまだにひとりの世界をさまよっている。
 作品世界に入り込み、現実世界とつながっていない。
 自分の傷をえぐってペンを走らせている。
 彼は自分の世界をひたすら描く作家なんですね。
 作品とは多かれ少なかれそういうものですが、彼の場合は自分が強すぎる。他人が入って薄まることがない。
 これが天才が天才たるゆえん。
 それがとんでもない毒や個性となり、読む者を引きつける。

 一方、このタイプの作家は他人と協調できない。
 辞めていくアシスタント。
 黒沢心(黒木華)がコミックスの装丁の相談に行くと、
「そんなこと何でもいい! 僕は面白いマンガを描ければいいんだ!」
 睡眠も食事もとらず描き続ける生活を改めるように言うと、幼少期のトラウマがよみがえって、
「俺を支配しようとするな!」

 しかし、ひとりの世界をさまよっている中田伯にも転機が……。
 まずは三蔵山先生(小日向文世)のアドバイス。
 ひとつのおにぎりが作られるのにたくさんの人の手がかかっていること。
 おにぎりの米粒にもたくさんの水が使われていること。
 目に見えないものを想像した方が世界は豊かになる。
 これは『重版出来!』が一貫して言ってきたことですよね。
 ひとつの作品が読者に届けられるまでには、作家、編集、営業、書店員が関わり、彼らの作品に対する愛情や思いがなければヒット作は生まれない。
 そして、次に中田伯を変えたのは、黒沢心。
 重版出来が心の夢だと知った中田伯は「黒沢さんの夢ならかなえてあげたい」と思う。
 結果、書店のサイン会に行った中田は、自分の作品のために書店員さんが一生懸命、サイン会場やコミックスの棚をつくり、自分のサインを待っている読者がいることを知る。
 そして、今まで「絵が下手だからサインしかしない」言っていた中田は言う。
「絵描きます。下手でも来てくれた人に描きます」

 おおーーーっ!
 涙!
 感動!
 中田伯が、拒んでいた世界と和解し、調和した瞬間だ。
 世界はそんなに悪くない。
 むしろ優しさと善意にあふれている。

 そして近代芸術文化賞を受賞した三蔵山先生のスピーチ。
 三蔵山先生は受賞した『ドラゴン急流』がたくさんの人に支えられて作りられてきたことを語った後、『ドラゴン急流』を終わらせることを宣言する。
 同時に漫画家生活を終えるニュアンスの発言も。
 しかし、違っていた。
 三蔵山先生はスタンドからマイクを外して高らかに語る。

「諸君! これより私は新しいマンガを描く!
 構想はもう出来ています。これまでのどの漫画家も描けない見たこともない漫画です。
 私の受賞に対し、ベテランじじいの功労賞に過ぎないと高をくくっている君たちに勝負を挑む!
 天才も凡人も年齢も性別も人種も国境も関係ない。必要なのは面白い漫画を描くという一念だ。
 私はあきらめない。
 今日この日、この場所は私の新たなる漫画人生のスタートです!」

 おおーーーーーーーっ!
 三蔵山先生、かっけーーーっ!

 『重版出来!』は、漫画家、編集者、営業、書店員を描いた見事な職業ドラマだった。
 同時に、創作とは何か? 仕事とは何か? 成長とは何か? 生きるとは何か? も教えてくれた。
 第1話で、心が出版社の社長を柔道で投げ飛ばした時、ああ、そういうよくあるドラマね、と思ってしまったが、実は骨太なドラマだった。
 見続けてよかったと思います。

※追記
 『ピーヴ遷移』の連載verはこちら。
 ピーヴをマスミが止めた!
 『ピーヴ遷移』の連載ver

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真田丸 第23回「攻略」~大殿は名家・北条を滅ぼされるおつもりか!

2016年06月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 北条氏政(高嶋政伸)。
 高いプライドと甘い現状認識が滅びに結びついてしまったようだ。
・名家・北条へのこだわり
・貴族趣味~蹴鞠、薄化粧、香
・巨大な小田原城
・予想を上まわる21万の大軍
・伊達さえ来れば……
・誇り高き死
 他人の忠告に耳を傾けないのも災いした。
 氏政には、家康(内野聖陽)のような慎重さもしたたかさもない。
 頭が凝り固まっている。
 愚かなリーダーで国が滅ぶの典型だ。
 このあたり太平洋戦争末期の指導者たちに似ているなぁ。

 一方、秀吉(小日向文世)。
 自分の強大な権力を行使することを楽しんでいるかのようだ。
・戦国オールスターによる21万の大軍。
・忍城、鉢形城を落とせば、北条側の心が折れて、戦わずして勝てるのに、力攻めをしようとする。
・家族や踊り子を呼んでの観光気分。
・氏政は湯に浸かっている間に敵が来たら…と不安で風呂にも入れないのに、秀吉は茶々(竹内結子)と悠々と温泉へ。
 秀吉は自らの権力に酔っている。
 これが権力の魔力。
 万能感にとらわれ、行動がどんどんエスカレートして狂気に向かう。

 石田三成(山本耕史)の腹痛。
 石田三成はお腹が弱かったようですね。
 司馬遼太郎の『関ヶ原』では、お腹を下して疲労する三成の姿が描かれていた。
 引用すると、
『腹痛である。
 三成はもともと体が頑健な方でなく、平素から痰があり、胃腸も弱かった。ただでさえ弱い腹がこの雨で冷え込んだらしく、しぼられるような痛みが、継続して訪れてくる。
 たえかねて馬を降りることがある。
 降りて用を足し、また鞍の上にのぼる』~新潮文庫「関ヶ原」下巻

 茶々は取り囲まれた小田原城を見て何を思ったのだろう?
「せっかく来たからには城が焼け落ちるところを見てみたいわ」
 滅びゆく北条と小田原城の姿は、浅井家が滅び、柴田勝家の北の庄城が落ちた時の記憶とオーバーラップしたに違いない。
 三谷幸喜さん、個々の人物を丁寧に描いていますね。

 信幸(大泉洋)も丁寧に描かれた。
「ここで秀吉を倒してどうされる。また乱世に逆戻りするだけじゃ」
 信幸は〝いくさのない世〟になることを望んでいる。
 だから、北条と手を結び、ふたたび乱世をつくりだそうとした出浦昌相(寺島進)を諫めた。
 信幸にとって大義は〝いくさのない世〟をつくることだった。
 このあたりは、機会があればのし上がろうとする、バリバリの戦国世代の昌幸(草刈正雄)や出浦昌相とは違うようだ。

 最後は、関東の連れ小便。
 まさか、こんなふくらまし方をしてくるとは!
 ほとんどの視聴者が、秀吉が家康の服で手を拭くと思いましたよね(笑)
 おまけに「家康、驚きのあまり、小便止まっておったわ」(笑)
 事情を知っている信繁(堺雅人)は苦笑い……。
 三谷さん、さりげなくギャグを入れてきます。

 
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NHK特集「不寛容社会」~不寛容の本質は鬱憤晴らし。そして壇蜜さんの見事なコメント!

2016年06月12日 | バラエティ・報道
 昨日のNHK特集で〝不寛容社会〟を扱っていた。

・熊本地震での芸能人への不謹慎狩り→『大変なのはお前だけじゃない』『偽善者、売名行為』
・一般人が「こんな料理を食べました」とSNSにアップすると、『熊本の人が大変なのに不謹慎です』

 いやはや異常だ。
 過剰反応社会。
 こんなこともあるらしい。

・ジャポニカ学習帳で『昆虫の写真が気持ちが悪い。子供が嫌がる』とクレイム。結果、ジャポニカ学習帳から昆虫の写真がなくなる!
・薪を背負って本を読んで歩く二宮金次郎像→『スマホのながら歩きを助長する』

 すごいなぁ。
 昔ならまったく考えられなかったこと。
 出演者のひとり津田大介さんはこんなことを言っていた。
「昔はテレビで発言すると、『お前の考えは間違っている』という批判が来た。今は内容ではなく、『お前、空気読めよ』という批判が来る」

 すごく息苦しい社会になっているなぁ。
 日本人は同調圧力が強いから特に。
 その根本には、皆が欲求不満状態になっていることがあるらしい。
 誰かを叩いたり、何かを批判することで鬱憤晴らしが出来て、気持ちよくなれる。
 自分は正義感からやっていると思っているから、ドーパミンがどんどん出ている。
 そして承認欲求。
 この感覚はわかる。
 僕は安倍自民党が嫌いで叩いていますが、現実の鬱憤晴らしの面がないとは言えない。
 一応、大きなものしか叩かないという原則は守っているつもりですが。

 次に番組はインターネットのプラスとマイナスについての議論になった。
 まず、プラス面は、『市民が発言権を持ったこと』。
 マイナス面は、先程も書いた『鬱憤晴らしにも似た安易な批判』。

 このマイナス面はさらに加速するらしい。
 出演者のコメントから引用すると、
『灰色を認めず黒か白かをはっきりつけて、相手を徹底的に潰そうとする』
『自分と同じ意見の偏った情報にばかり触れるようになり、それが全世界になる。そして、どんどん偏っていく』
『同質性を強めるようになり、同質性を乱すやつは〝悪〟になる』
『主語が大きくなると、述語が強くなる』

 最後の言葉はどういうことかと言うと、
〝僕〟とか〝私〟という主語で語っている分には主張や行動は謙虚だが、〝我々〟とか〝わが団体〟とか〝わが国〟になると、尊大で傲慢になる、ということらしい。
 なるほど。

 番組の結論は、なんとなく次のような形で落ち着いた。
『異質なものと向き合う姿勢を持とう』
『発言や行動に後ろめたさを持とう』
 よくわかるんだけど、教科書どおりの結論かなぁ。
 そう思っていてもなかなか出来ないのが人間だし、謙虚な姿勢でいたら異質なものはどんどん浸食してくる。
 異質なものを理解しようという姿勢は大切だけど。
 結局は、上に書いたようなことを意識しながら発言や行動していく、ってことかなぁ。
「今の自分は鬱憤晴らしで発言していないか?」
「正義感に酔っていないか?」
 これらのことを意識するとしないとでは大きく違う。

 最後はコメンテイターのひとり壇蜜さんの言葉。
『わたし、自分に対する批判を読むと興奮するんです。わたし、変態でしょうか?』(笑)
 やっぱ壇蜜さん、好きだわー。
 自分を客観視できていて、笑いにもできる。
 本当に頭のいい人だ。
 批判されるとムキになって反論するどこかの首相とは大違い。
 あ、また安倍さんの批判をしてしまった!

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トットてれび~黒柳さんと向田邦子さんの友情。「向田さん、あたし、面白いおばあさんになる」

2016年06月11日 | その他ドラマ
 現在、NHKで放送中の『トットてれび』って、<エッセイドラマ>というジャンルを確立したのではないかと思う。
 第5話は黒柳徹子さんと向田邦子さんの物語だった。
 黒柳さん(満島ひかり)と向田さん(ミムラ)は大親友で、黒柳さんは、各テレビ局に近かったせいもあり、向田さんの仕事場兼自宅に入り浸っていた。
 そこで、おこなわれる他愛もない会話。
 そして、向田さんのエピソード。
 これらがエッセイ風に淡々と描かれる。
 もちろん、そこには、人生の幸福と不幸を見つめる向田さん(=向田さんは写真家の恋人を病気で亡くし、乳がんを患っていた)と人生に幸福しか見ない黒柳さんの違いが描かれるのだが、その描写はあくまで静かで日常的だ。
 そして向田さんの突然の死。
 台湾に向かう途中での航空機事故。
 徹子さんは、向田さんと楽しく食事をした中華料理屋の前に来た時、亡くなった向田さんにこう宣言する。
「向田さん、あたし、面白いおばあさんになる!」
 それは向田さんと「私、徹子さんがおばあさんになった時のこと書いてみたいわ」「どういうおばあさんになるのかしら?」と会話したことに対するアンサーだった。
 そして、徹子さんはダンスをする。

 お洒落なエッセイという感じですね。
 劇的なことは向田さんの突然の死なんですけど、それも淡々と描かれて、それでいて徹子さんの向田さんへの思いがしみじみと伝わってくる。
 それはまるで向田さんを追悼するエッセイを読んでいるかのようだ。
 作品がエッセイ風なのは、原作がエッセイなのと30分という作品枠のせいでしょうか。

 さて本日(6/11)の第6話は渥美清さん。
 渥美さんがどのように描かれるか?
 満島ひかりさんの黒柳さん口調もすっかり板についてきた。


※追記
 描かれた向田さんのエピソードとして面白かったのは、森繁久弥(吉田鋼太郎)さんとのやりとり。
 向田さん、自分のラジオドラマの原稿が遅れたのにこんな要求する。
「あの、余分なアドリブは入れないで、私の書いたとおりにしゃべって下さい」
 すごい。
 森繁久弥といえば、あの時代でも〝大家〟だったと思うが、よく言えたなぁ。

 あとは、向田さんの玄関のドアに貼ってあった二種類の張り紙のエピソード。
『A.もう一日かけてすばらしい原稿にして下さい』
『B.こんなはり紙をつくる暇があったら一行でも多く書け。クソババア』
 向田さんは、シナリオ原稿を取りに来る制作担当者にどちらがいいかを玄関口で選ばせたというのだ。
 もちろん、一刻も早く原稿がほしい担当者はBを選ぶ(笑)
 当時のテレビやラジオは垂れ流しで、放送されたら消えるものだったので、クォリティとかはあまり関係なかったんでしょうね。
 娯楽の選択肢がテレビとラジオだけだったことも影響しているだろう。
 実におおらかな時代。
 向田さん自身も、自分の作品が後に〝芸術〟ともてはやされるようになるとは、まったく考えていなかったようだ。

 
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