平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第24回「滅亡」~家康、景勝、昌幸、正宗……戦国オールスターズのさまざまな思い

2016年06月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 戦国オールスターズ!
 家康(内野聖陽)、上杉景勝(遠藤憲一)、真田昌幸(草刈正雄)がそろい踏み!

 この3人が北条氏政(高嶋政伸)の説得に当たる。
「氏政殿にはぜひとも生き延びていただきたい。それが互いにしのぎを削ってきた、われら3人の総意でござる」
 家康の言葉だが、燃えるぜ~!
 しのぎを削って戦ってきた好敵手だったからこそ生まれる友情。
 タヌキ親父の家康だが、これは本心だよね。
「恥は一時でござる。生き残ることこそが肝要」という言葉もいい。
 上杉景勝も髻(もとどり)を切って、秀吉(小日向文世)に助命を懇願するという。
 いいのか? そんな約束をしちゃって(笑)と思うが、これも景勝ならではの誠実な友情の表し方。
 氏政からは逆に「上杉殿、むしろあなたに伺いたい。秀吉のために生きるのでござるか?」とプライドを捨てた景勝を責める言葉があったが、景勝は何を思ったのだろう?
 昌幸の言葉は壮大で説得力があった。
「死にたければ死になされ。されど生きておればまだまだ楽しいものが見られますぞ。このまま秀吉の天下が来るとは到底思えぬ。ここにいる誰もがそう思っておるはず。もうひと暴れしたいとは思いませんか?」
 この言葉、好きだわー。
 昌幸は未来を指向している。
 夢を語っている。
 今はどん底でも生きていれば、命を燃やせる機会はいくらでもあるし、大逆転もあり得るのだ。

 しかし、氏政の心は再起不能なほどに折れており、秀吉に屈しないというプライドが彼の唯一の支えであったようだ。
 助命を聞き入れず、死を選んだ。
 ただ、その死は穏やかなものであっただろう。
 なぜなら、最後に家康、景勝、昌幸が来てくれたから。
 彼らのあたたかい思いが氏政を穏やかにした。
 そして最期の汁かけご飯。
 氏政はこれで<生の喜び>を感じたに違いない。
 天下を取らなくても、たった一杯の飯で人は喜びを感じることが出来るのだ。

 もうひとりの戦国オールスターズの伊達政宗(長谷川朝晴)も登場。
 秀吉に媚びへつらい、ずんだ餅を披露する正宗。
 これには、伊達、上杉、徳川、真田の連合軍で秀吉を攻めるという昌幸の構想も頓挫したようだ……(笑)
 家康も「伊達政宗、もう少し気概のある男と思っていたが。人のことは言えんが……」
 そんな正宗にも忸怩たるものがあった。
 時勢はすでに豊臣であり、生き残るためには臣従するしかない。
 しかし、戦国の血はたぎる。
 刀を抜き、振るいながら
「もう20年はやく生まれておれば!」
「もう少し京の近くに生まれておれば!」
 この政宗に、刀の鞘をわたす信繁(堺雅人)。
 この<鞘を渡す>行為は、戦意を抑えなさい、という信繁の意思を表しているのであろう。

 戦国オールスターズのそれぞれの心情を描いて、見応えのある回でした。

コメント (2)
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