生放送のラジオドラマのドタバタ喜劇だ。
役者のわがままに翻弄され、スタッフたちは右往左往する。
それはこんな感じだ。
ヒロイン役の千本のっこ(戸田恵子)のわがままで、役名が<律子>から<よしえ>に変わり、最終的には<メアリージェーン>に。
職業も<パチンコ屋のバイト>から<女弁護士>へ。
舞台も<熱海>から<ニューヨーク>に変わり<シカゴ>に。
メチャクチャはさらに発展する。
メアリージェーンは台本上、<海の事故>に遭って<漁師>の恋人ドナルドに出会うのだが、ドナルド役の役者のわがままで仕事が<パイロット>に変わり、シカゴには海がないことがわかり、<ダムが決壊>して昔の恋人に出会うことになる。
一方、ドナルドは<パイロット>なのでハワイ上空で行方不明に。
しかし、スポンサーに航空会社がいて飛行機事故はまずいだろうということになって、ドナルドの仕事は<宇宙船のパイロット>に変更され、宇宙で行方不明になる(笑)
この作品を見た最初の感想は、
新人作家の鈴木みやこ(鈴木京香)が可哀想だかなぁ。
自分の脚本をメチャクチャにされ、結末まで変えられようとしてしまった。
もちろん作品は喜劇だから、その変更は誇張されているんだろうけど、可哀想すぎる。
これじゃあ、みやこが「これは私の作品ではありません」「お願いですから私の脚本とおりにやって下さい」「私の名を外して下さい」と訴えるのも無理もない。
ついでにマジにツッ込むと、
プロデューサーの牛島(西村和彦)が「ダメなものはダメ」と言い、ちゃんと仕切っていればよかったんじゃねえ?などと思ってしまう。
こんな制作の現場について、ディレクターの工藤(唐沢寿明)は言う。
「ここにいるやつは誰もいい作品を作ろうなんて思っていないよ。
牛島は女と自分の番組を成立させることだけを考え、編成の堀之内(布施明)は掛け持ちが多くて作品に愛情なんて持っていない。俺も仕事として割り切っている」
なるほど、制作の現場ってこういうものなのか……。
プロデューサーの牛島は次のようなことを言っていた。
「満足のいくものなんてそんなに作れるもんじゃない。妥協して、妥協を重ねて作ってるんです。それでも、いつかはみんなが満足するものを作れると信じている」
何かいい話になってるけど、いやいや、牛島さん、今回のような姿勢じゃ永久に<満足にいくもの>なんて、作れないと思うよ。
というわけで、僕はこの作品、みやこがあまりにも可哀想すぎた。
喜劇と悲劇は表裏一体なんですけどね。
<最後まで思いを捨てずに奮闘していれば、いいことが起こる>という三谷幸喜さんのメッセージも理解できるんですけど。
みやこさんは、集団作業のラジオの現場より、個人の世界が反映されやすい小説などの世界に行った方がいいと思う。
そんなことを考えてしまった。
役者のわがままに翻弄され、スタッフたちは右往左往する。
それはこんな感じだ。
ヒロイン役の千本のっこ(戸田恵子)のわがままで、役名が<律子>から<よしえ>に変わり、最終的には<メアリージェーン>に。
職業も<パチンコ屋のバイト>から<女弁護士>へ。
舞台も<熱海>から<ニューヨーク>に変わり<シカゴ>に。
メチャクチャはさらに発展する。
メアリージェーンは台本上、<海の事故>に遭って<漁師>の恋人ドナルドに出会うのだが、ドナルド役の役者のわがままで仕事が<パイロット>に変わり、シカゴには海がないことがわかり、<ダムが決壊>して昔の恋人に出会うことになる。
一方、ドナルドは<パイロット>なのでハワイ上空で行方不明に。
しかし、スポンサーに航空会社がいて飛行機事故はまずいだろうということになって、ドナルドの仕事は<宇宙船のパイロット>に変更され、宇宙で行方不明になる(笑)
この作品を見た最初の感想は、
新人作家の鈴木みやこ(鈴木京香)が可哀想だかなぁ。
自分の脚本をメチャクチャにされ、結末まで変えられようとしてしまった。
もちろん作品は喜劇だから、その変更は誇張されているんだろうけど、可哀想すぎる。
これじゃあ、みやこが「これは私の作品ではありません」「お願いですから私の脚本とおりにやって下さい」「私の名を外して下さい」と訴えるのも無理もない。
ついでにマジにツッ込むと、
プロデューサーの牛島(西村和彦)が「ダメなものはダメ」と言い、ちゃんと仕切っていればよかったんじゃねえ?などと思ってしまう。
こんな制作の現場について、ディレクターの工藤(唐沢寿明)は言う。
「ここにいるやつは誰もいい作品を作ろうなんて思っていないよ。
牛島は女と自分の番組を成立させることだけを考え、編成の堀之内(布施明)は掛け持ちが多くて作品に愛情なんて持っていない。俺も仕事として割り切っている」
なるほど、制作の現場ってこういうものなのか……。
プロデューサーの牛島は次のようなことを言っていた。
「満足のいくものなんてそんなに作れるもんじゃない。妥協して、妥協を重ねて作ってるんです。それでも、いつかはみんなが満足するものを作れると信じている」
何かいい話になってるけど、いやいや、牛島さん、今回のような姿勢じゃ永久に<満足にいくもの>なんて、作れないと思うよ。
というわけで、僕はこの作品、みやこがあまりにも可哀想すぎた。
喜劇と悲劇は表裏一体なんですけどね。
<最後まで思いを捨てずに奮闘していれば、いいことが起こる>という三谷幸喜さんのメッセージも理解できるんですけど。
みやこさんは、集団作業のラジオの現場より、個人の世界が反映されやすい小説などの世界に行った方がいいと思う。
そんなことを考えてしまった。