浅草初詣しか出かけなかった筆者にとって、正月の楽しみは映画鑑賞。『7人の侍』再度観ました。武士は走るものというセリフ通り、縦横無尽に走り周り、動きを取り入れた名作。やはり映画は、作るものでは無く観るものです。『百姓ぐれえ悪擦れした生き物はねえんだ。米だって無え、麦も無え、何もかもねえってんだ。ふん、ところがあるんだ、何だってあるんだ。』というセリフが印象的。日本人の本質は武士道ではなく、貧しい百姓の生き方にあるのかもしれません。
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『7人の侍』戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた映画。黒澤明監督による日本映画の傑作。
菊千代(三船敏郎)が百姓たちの隠していた鎧や兜、具足、弓などを見つけてくる。大将格の勘兵衛はそれを見て怒る。「落武者狩りで盗ったモノは使えん」というのだ。
「ヘッ、こいつはいいや。やい、お前たち、一体百姓を何だと思ってたんだ。仏さまとでも思っていたのか! 笑わせちゃいけねえぜ、百姓ぐれえ悪擦れした生き物はねえんだ。米だって無え、麦も無え、何もかもねえってんだ。ふん、ところがあるんだ、何だってあるんだ。床板引っぺがして掘ってみな、何だって出てくるんだ。甕に入った米、塩、豆、・・・」
「正直面してペコペコして、何でも誤魔化す。戦がはじまりゃ、すぐ竹槍作って落武者狩りだ!! よく聞きな、百姓ってのはな、泣き虫で、意気地なしで、間抜けで、人殺しだ。だがな、そうさせたのは誰だッ、お前たちじゃねえか、舐めるなってんだ。・・・家は焼く、食い物は取り上げる、人夫にコキ使う、女は奪う、手向かえば殺す、一体百姓はどうすりゃいいんだ!」
その菊千代が激高するシーン。その場所に居合わせた誰もがシ~ンとしてしまう猛迫力である。もと百姓の生まれだから説得力がある。
勘兵衛(志村喬)が云うセリフは印象的だ。「己のことばかり考える者は、己をも滅ぼす輩だ」「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない」