『思想は言葉だ。言葉は思想なんだ』一言一言が本気で、自分の思想と行動をつなげることに情熱を持っておられ、これまでも自殺すると書いていたし、最近も周囲にそう話していた西部邁氏が「独立の精神を失い、米国頼りになった日本人を憂い」自決です。嗅覚に優れ、不遇時代の安倍首相を支え、保守の論客として、時代の先を常に先導していた知識人だけにとても残念です。西部氏の意思は今後、引き継がれていくはずです。
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「ウソじゃないぞ。俺は本当に死ぬつもりなんだぞ」-。21日に死去した西部邁さん(78)はここ数年、周囲にそう語っていた。平成26年の妻の死などによって自身の死への思索を深め、著作などでもしばしば言及していた。
昨年12月に刊行された最後の著書「保守の真髄(しんずい)」の中で、西部さんは「自然死と呼ばれているもののほとんどは、実は偽装」だとし、その実態は「病院死」だと指摘。自身は「生の最期を他人に命令されたり弄(いじ)り回されたくない」とし「自裁死」を選択する可能性を示唆していた。
言論人として人気を集めたきっかけは、テレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ!」。「保守」を思想レベルまで引き上げた知性は、左右を問わず多くの知識人の尊敬を集めた。
知人らによると、東京・新宿で、酒を飲みながら知識人らと語り合うのが大好きだった。ケンカや後輩への説教もしばしばだったが、相手を後からなだめたり、後日、電話で酒場に誘ったり。優しさと人なつっこさもあった。たばこもこよなく愛し、「思考の道具」と言ってはばからなかった。
親米の論客からは「反米」と批判されたが、最大の問題意識は独立の精神を失い、米国頼みになった日本人に向いていた。いつも「今の日本人は…」と憤りを語っていた。
❷西部さんは2014年の妻の死などによって自身の死への思索を深め、昨年末ごろから「僕は年明けに死ぬ。自殺する」と親しい友人に打ち明けていた。哲学として「最期は自分の手で生涯を閉じる」とも言い、担当した執筆業などはすべて整理。長く主宰してきた論壇誌「表現者」も昨年、顧問を引退し、後進に譲った。
昨年12月に出版した「保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱(びんらん)」(講談社現代新書)の帯では「大思想家・ニシベ 最期の書!」と「最期」との表現を使い、「自裁死」を選択する可能性を示唆していた。歌手・仲宗根美樹の「川は流れる」がお気に入りで、「最後の場所に川を選んだのもそれが理由ではないか」と関係者は話している。20日放送の東京MXのレギュラー番組「西部邁ゼミナール」には出演した。