粗利の高い大衆薬(市販の医薬品)をテコにドラッグストア業界は毎年、 成長を続けている。既に、スーパーやコンビニに対抗できる規模に成長してきた。そのような中、コンビニ王者セブン−イレブン・ジャパンはカリスマ退場後も、一人勝ちを続けている。今後、ソフトバンクと組み、コンビニの店舗をシェア自転車の 貸し出しや返却の拠点にする。2018年度末までに首都圏や地方都市の1000店で 5000台を設置する計画だ。 その他にも色々手を打ち、利便性を向上させているが、ドラックストア猛追を跳ね除けられるのか見ものです。
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カリスマ経営者、鈴木敏文氏の退任から約1年が過ぎたセブン―イレブン・ジャパン。そのDNAは健在で既存店売上高は4月まで57カ月連続プラスという快進撃を続ける。今の古屋一樹社長は鈴木モデルを継承しつつも、商品作り・売り場・価格を洗い直す。「朝から晩まで便利なセブン―イレブン」を掲げ、改革に挑む。
「以前からオーバーストアなどと指摘されてきましたが、これからも需要は強まります。年間に200万人近くが70歳以上になり、働く女性が70%を超えます。一方で食品スーパーがコンビニのフォーマットに入り、ドラッグストアは食品を拡大。ネット販売も増加し、消費者の選択眼は厳しい。大変な時代なんです。逆にこの大きな変化はチャンスでもあります」
■違和感があればダメ出しする
――そのポイントは。
「奇手奇策はありません。近くて便利という当社のコンセプトは変わりません。距離だけでなく、お客様がホッとする精神的な近さも意味します」
――「マチのほっとステーション」?。
「違う違う(笑)。コンビニにとって好立地、商品、サービスのかけ算がナンバーワンになる絶対的な要素なんです。当たり前のことを徹底することが一番難しく、変化対応しながらやり続けることはセブンイレブンの絶対的な方向感です」
――試食やダメ出しはされてきましたか。
「してますよ。今日の塩ラーメンはまあまあだったかな(笑)。自宅や会社で食べて、違和感があったらまず調べてもらいますが。現場でおにぎりなどでおかしいという複数の意見が出たら売り場から下げます。商品だけは絶対妥協しちゃいけない。これは鈴木(敏文)さんの最大のDNAだと思っています」
――この1年で商品構成は変わりましたか。
「かつては単品を少し変えるだけでお客様はそれなりに反応してくれました。今は違います。サンドイッチの売り上げが落ちた場合、パッケージ、パン、具材を刷新し、売り場にポップをつけて目立つ提案をしないと動きません。今回のおにぎりなんかも単品でなく、シリーズで変えました」
■シニアや女性客増え…今は健康・少量
――高齢化だから味を変えるという判断ではないですよね。
「そうですね。ただシニア、女性というのはマーケットの中で新しいキーワードですね。50歳以上は顧客の40%で、女性比率も今は49%なんです。すると健康と少量が重要で。今ね、セブンイレブンはビュッフェ的な使い方なんですよ。サラダとサンドイッチとか、調理麺とおにぎりの組み合わせとか。それが7割くらいの感じです」
――日用品の値下げをしました。狙いは。
「やはり朝起きてから夜に寝るまでのモノを近くのセブンで買い物できたらこんなに便利なことはないと思います。これまで日用品はプレミアム戦略でしたが、お客様には不親切だったかもしれません。利用頻度が高い商品はブランド忠誠度が高いですから今の実勢価格に合わせ、60アイテムを値下げしました」
「PB(プライベートブランド)商品も10周年で、昨年には1兆円を超えました。これもグループで雑貨から菓子まで徐々に切り替えます」
――品数も増えていきますが、今の店舗規模では難しいのでは。
「そのために新しいレイアウトを展開していきます。冷凍食品やカウンター商材などの売り場は広がりますが、雑誌などは多くなりません」
――ネットでセブンからアダルト本がなくなるとの噂が飛びました。
「(笑)。きわどいのは推奨をやめてますからね。雑誌の棚は6段から8段へとうまく並べます。お酒もリキュールやワインは伸びています」
――市場が伸びているスムージーやスイーツはセブンは強くないです。
「出遅れているスムージーは手を打つように指示しています。スイーツも優位性が持てていない。それで今回刷新し、強いセブンスイーツを作り上げようと。目玉の1つがシュークリームです。発売後、4日で商品力は分かりますが、なかなか売り上げが落ちません」
――経営指導料をこれから下げます。
「これは拡大策です。売り上げは増え、店の利益も平均3%程度伸びていますが、それ以上に人件費が上がっています。下げる1%分を原資に従業員が働きやすい環境を作ってほしいですね」