十一月十四日 晴――曇、滞在。
寒くなつた、冬が近づいたなと思う、沈欝やりどころなし、澄太君からも緑平老からも、また無相さんからも、どうしてたよりがないのだろう、覚悟して――というよりも、あきらめて――ままよ一杯、また一杯。……(山頭火が大山澄太、俳人木村緑平、念仏者木村無相との深い心の交流を持っていたことがわかります)
今日はよく辛棒ママした、七時――十一時、そしてまた十二時――二時、市内 . . . 本文を読む
第四〇課 僻み
僻みとは
こころの窪みに溜る
垢です
弱い人
偽りかざりたい人の
こころは窪む
真実は
人を落ちつかせ
こころを窪ませない
爪に爪が酬い
憎みに憎みが来るように
垢はまた垢を呼ぶ
垢にはまた
バチルス( 細菌)が
宿る
バチルスは
またこころを
むしばむ
かくて
最初は窪んだだけのこころ
ついには腐れむしばむ
腐れむしばみ初そめたこころ
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