十一月八日 晴――曇、行乞六里、伊尾木橋畔、日の出屋で。
五時前に眼が覚めた、満天の星のひかりである、家人の起きるまで読んだり書いたりする。
ゆっくりして七時すぎてから立つ、ところどころ行乞、羽根附近の海岸風景もわるくない。
奈半利貯木場、巨材が積み重ねてある、見事なものだ、奈半利町行乞、町に活気がないだけそれだけ功徳も少なかった、土佐日記那波の泊の史蹟である。(935(承平5)年頃紀貫之作 . . . 本文を読む
第三四課 結婚と夫婦愛
青年男女が相当の年配に達すると、自然と起る呼び声があります。「いつまでぐずぐずしているのだ。もう身を固めてもよかろう」。それは傍はたからも聞えて来ますし、自分自身の内部からも湧き上って来ます。何故そんな呼び声が起って来るのでしょうか。自分の家庭を作って心身の拠よりどころとし、ひいては子孫をもうけ家系を絶やさぬようにするのが世間のしきたりだからそういう声が起って来る . . . 本文を読む