十一月十七日 曇――時雨、行程四里、川口在善根宿。
おもわず寝すごして、のこのこ出かけるところを家人に見つけられたらしいが、何ともいわれなかった、お世話になりました。
七時から十時まで越智町行乞、しぐれだしたがしぐれるままに行乞しつづけた(薯、餅、菓子、柿、密ママ柑、――そのまま食べられるものが今朝はうれしかった、何しろ腹が空っては読経が出来ない!)、それから行けるところまで行く心がまえで。 . . . 本文を読む
第四三課 時計と椅子と袴
ここにちょっとした面白い話があります。一人の青年がありました。ある紳士の邸宅の応接間に、面会時間と定きまっている午前中に、着物を着て、袴をはいて、椅子に腰掛けております。するとこの青年はどう見ても面会人のお客さんです。ところが、もしこの青年が夜中の十二時過ぎに、シャツ一枚で、応接間の窓から半身入れて室内を覗き込んでいたら、これは何に当るでしょうか。盗賊どろぼうと . . . 本文を読む
・御誕生
宝亀5年(774)6月15日、讃岐国多度郡屏風ヶ浦(香川県善通寺市)、佐伯直田、玉依御前の間に弘法大師空海、幼名真魚(まお)様はお生まれになりました。
丁度この日、唐で不空三蔵が入滅されます。不空は真言密教第六祖です。大師は不空の生まれ変わりであるとされています。
・捨身誓願
七歳になられた大師は「衆生済度」を祈願され捨身ヶ嶽より身を投げられました。このとき天女が抱き留め、お . . . 本文を読む