十二月十四日 晴。
藤岡さんを局に訪ねて郵便物をうけとる、いずれもうれしいたよりであるが、とりわけ健からのはうれしかった、さっそく飲む、食べる、――久しぶりに酔っぱらった。
夕方帰宿すると、留守に高橋さんが来訪されたそうである、新居の吉報を齎らして、――すみませんでした。
ぐっすり寝る、夢も悔もなし、こんとんとしてぼうぼうばくばくなり
十二月十五日 晴。
昨日の飲みすぎ食べすぎがた . . . 本文を読む
第四九課 仕事
仕事を力一ぱい以上にやり、身も心もほとほとに疲れ果て、しかしそのまま寝倒れるのも惜しいというときがあります。このとき、つまらない末梢神経は尾をたたんでどこかの隅に消え隠れてしまい、ただ大きく頷く了々たる月のようなものが心の一角に引きかかっています。また感謝と恍惚が身体の節々まで浸み通り、皮膚さえ匂わしく感じられるのです。
仕事はどんな出来でも、自分には、これ以上出来な . . . 本文を読む