「虚空蔵菩薩能満諸願最勝秘密陀羅尼義経
善無畏三蔵奉詔訳
そのとき、薄伽梵(世尊)、諸波羅密、平等性智三摩地にいり、定から起って即ち此の能満諸願虚空蔵菩薩最勝秘密陀羅尼義をといて曰く。(虚空蔵菩薩の御真言は:「ノウボウ アキャシャ キャラバヤ オン アリ キャマリ ボリ ソワカ」であるがこのうち)ノウボウとは帰命の義である。毘盧遮那清浄平等法界本命言なり。アキャシャとは虚空の義。十方如来の智慧体 . . . 本文を読む
第三五課 家庭
私は紅山茶花べにさざんかを見るといつも思うのです。家庭というものは、こうも静かで浄らかであり、可憐なあでのいろをも添えたい。静かで浄らかでも蓮の花ではあまりに淋しい。梅でも百合でも香があって常住をともにするには刺戟が強い。では香がなくまた淋し過ぎない花として桜はどうか、牡丹、しゃくやく、の花はどうか。それはあまりに華やか過ぎる。紅山茶花の「紅のいろ」こそ、静かな浄らかな山 . . . 本文を読む
十一月九日 曇――雨、行程三里、和食松原、恵比須屋。
四時半起床、雲ってはいるが降ってはいない、助かった! という感じである、おばあさんが起きるまで日記をつける、散歩する、身心平静、近来にないおちつき、七時前出発、橋を二つ渡るとすぐ安芸町、午前中行乞、かなり長い街筋である、行乞しおえると雨になった、雨中を三里あまり歩いて和食町、教えられた宿――町はずれの、松林の中のゑびすやにおちつく、ほんによ . . . 本文を読む