Q,福にも「欲心を含むもの」と「欲心を含まないもの」の二種類あるというが如何？

Q,福にも「欲心を含むもの」と「欲心を含まないもの」の二種類あるというが如何？
A、悟りの為に善を修すれば三宝・諸天が護ってくださり、福を願わなくても福が来る。

夢中問答集（無窓疎石）より・・・３
問、真の福に煩悩を含む福（有漏）含まない福（無漏）の2種類ありとするが・・。
答、人天の福報を求めて善を修するは、貪欲の心を起こせるがゆえにこれを有漏の善根と名ずけたり。一善を修しても世福をば望まず偏に無上道のために廻向するをば無漏の善根といへり。・・もし善を修する人の心、有漏ならばその修するところの善根みな有漏の福業となるなり。有漏心無漏心といへることも重々の品あり。・・一には唯有漏心，いわゆる凡夫外道の心なり。二には唯無漏心、所謂二乗心なり。三には亦有漏亦無漏心、所謂菩薩心なり。四には非有漏非無漏心、所謂仏心なり。・・世間の福報をも求めず，小乗の涅槃をも求めず、ただ無上菩提のために修するをば無漏の福業と名ずけたり。・・一善根を修しても無上菩提に廻向せば必ず広大の功徳を成ずべし。かようの人をば三宝護念し諸天保持し給ふがゆえにいまだ菩提を成ぜざる時も或ひは浄土に生じ或ひは人天に居して災難をはらふ心を生じねども災難おのずから去り、福分を願ふ志はなけれども福分乏しからず。