福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

いまこそ「慈悲」の瞑想を

2020-06-20 | 法話
JSMワード著、浅野和三郎東大教授訳の『死後の世界』ではこの世で恨みを残している死者の魂が「悪霊」となり次々と相手に取りついて人生を破たんさせる様子が描かれていました。s最近の世界を見て、こういう「悪霊」が地球規模で増長してきているのではないか、とさえ思わせられます。憎悪は憎悪を呼び起こします。世界は大変危険な状態になっています。何とかしなければなりませんが、非力な自分には何もできないと切歯扼腕していました。しかし突然お大師様のお言葉を思い出しました。
お大師様のお言葉です。
四魔現前すれば、すなわち大慈三摩地に入り、四魔等を恐怖し降伏す(大師の吽字義)」。ここで四魔とは、心身を乱す煩悩魔、体を悩ます五蘊魔、生命を奪う死魔、善行を妨げる天魔をいいます。「四魔が襲ってきても大いなる慈悲心で心を満たせば魔は取りつくしまがなくなって退散する。慈悲心が最強の鎧である」との趣旨です。いまこそ深い慈悲心を一人一人が持つことが大切、これによって地球上の憎悪の増幅を抑えることができると思いました。

そんなことでこの大きな趨勢が変わるわけがないと思うでしょうが、
『雑宝蔵経』の「オウムの恩返し」という仏教説話には『森の動物たちに助けられたオウムがその森の火事に対して一羽だけで羽を水にぬらして火を消そうとし、せっせと水を運び続けると奇跡が起こり大粒の雨が降ってきて火事が消えた』という話があります。一人でも非力でも覚悟を決めて取り組めば必ず無限の連鎖反応が起こり道は開けるということです。「一念三千」という言葉もあります。本来は一念の中に三千世界を含むという意味でしょうがさらに考えると「一念」が三千世界を動かすともいえると思います。

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