(法文歌二百二十首)
仏歌二十四首
釈迦の正覚なることは、この度初めと思ひしに、五百塵点劫よりも、彼方に仏と見え給ふ。
(仏歌二十四首)
釈迦牟尼仏は薩埵王子、弥勒文殊は一二の子、浄飯王は最初の王、摩耶はむかしの夫人なり。
(仏歌二十四首)
釈迦の御法のうちにして、五戒三帰をたもたしめ、一度南無といふ人は、花の苑にて道成りぬ。
(仏歌二十四首)
仏は様々にいませども、まことは一佛なりとかや、薬師も弥陀も釈迦弥勒も、さながら大日とこそ聞け。
(仏歌二十四首)
仏は常にいませども、現ならぬぞあはれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ。
(仏歌二十四首)
仏はどこよりか出で給ふ、中天竺よりぞいでたまふ、矩奢掲羅補羅城、王舎城、[女吉]栗陀羅矩[ロモ]に鷲峯山。(仏在世時、中印度に著名なる六大都城なり。「南本涅槃経巻27」に依れば、舎婆提城(梵zraavastii)、娑枳多城(saaketa)、瞻波城(campaa)、毘舎離城(vaizaali)、波羅那城(baaraaNasii)、王舎城(raaja-gRha)等の六大城の名を挙ぐるも、この中に就きて異説多く、「長阿含経巻2」には則ち迦毘羅衛城を以って娑枳多城に取り代う。また巴利文の経典には憍賞弥城を以って毘舎離城に取り代う。また「摩訶僧祇律巻33僧伽」には迦毘羅衛、憍賞弥の二城を加えて八大城と為せり)
(仏歌二十四首)
弥陀の御顔は秋の月、青蓮の眼は夏の池、四十の歯ぐきは冬の雪、三十二相春の花。
(仏歌二十四首)
阿弥陀仏の誓願ぞ、かへすがへすもたのもしき、一度御名をとなふれば、仏に成るとぞ説いたまふ。
(仏歌二十四首)
弥陀の誓ぞたのもしき、十悪五逆の人なれど、一たび御名を称ふれば、来迎引接疑はず。
(仏歌二十四首)
薬師の十二の大願は、衆病悉除ぞたのもしき、一経其耳はさておきつ、皆令満足すぐれたり。
(仏歌二十四首)
像法転じては、薬師の誓ぞたのもしき、ひとたび御名を聴く人は、よろづの病も無しとぞいふ。
(仏歌二十四首)
薬師医王の浄土をば、瑠璃の浄土と名づけたり、十二の船を重ね得て、我ら衆生を渡いたまへ。
(仏歌二十四首)
瑠璃の浄土は潔し、月の光はさやかにて、像法転ずる末の世に、あまねく照らせば底もなし。
(仏歌二十四首)
普賢薩埵は朝日なり、釈迦は夜昼身を照らし、昔の契りしありければ、達多は仏に成りにけり。
(仏歌二十四首)
文殊はそもそも何人ぞ、三世の仏の母といます、十法如来諸法の師、皆これ文殊の力なり。
(仏歌二十四首)
観音大悲は舟筏、補陀落海にぞうかべたる、善根もとむる人しあらば、乗せて渡さむ極楽へ。
(仏歌二十四首)
観音光を和らげて、六つの道をぞ塞げたる、三界劫数わうつる人、やらじと思へる心にて。
(仏歌二十四首)
よろづの仏の顔よりも、千手の誓ぞたのもしき。枯れたる草木も忽ちに、花さき実なると説いたまふ。
(仏歌二十四首)
毎日恒沙の定に入り、三途の扉を押しひらき、猛火の炎をかき分けて、地蔵のとこそ訪ふたまへ。
(仏歌二十四首)
南無天竺の鉄塔を、竜樹や大士の開かずば、まことの御法をいかにして、末の世までぞ広めまし。
(仏歌二十四首)
竜樹菩薩あはれなり、南無天竺の鉄塔を、扉を開きて秘密教を、金剛薩埵に受けたまふ。
(仏歌二十四首)
眉の間の白毫は、五つの須弥をぞ集めたる、眼の間の青蓮は、四大海をぞ湛へたる。
(仏歌二十四首)
眉の間の白毫の、一つの相を想ふつべし、須弥の量をたづぬれば、縦横八方由旬なり。
(仏歌二十四首)
真言教のめでたさは、蓬窓宮殿隔てなし、君をも民をも押しなべて、大日如来と説いたまふ。
華厳経一首
華厳経は春の花、七所八会の苑ごとに、法界唯心色深く、三草二木法ぞ説く。
阿含経二首
阿含経の鹿の声、鹿野苑とぞ聞こゆなる、諦縁乗の萩の葉に、偏眞無漏の露ぞ置く。
(阿含経二首)
一夏の間を勤めつつ、昼夜に信心怠らず、拘隣比丘ぞ最初には、諦理を悟りて道成りし。
方等経二首
大集方等は秋の山、四教の紅葉はいろいろに、弾呵法会は濃く薄く、随類ごとにぞ染めてける。
(方等経二首)
須弥の峰をば誰か見し、法文聖教に説くぞかし、阿修羅王をば見たるかは、智者の語るを聞くぞかし。
般若経四首
般若十六善神は、十六会をこそ守るなれ、もとより無漏の法門は、中道にこそ通ふなれ。
(般若経四首)
大品般若は春の水、罪障氷の解けぬれば、万法空寂の波立ちて、真如の岸にぞ寄せかくる。
(般若経四首)
般若畢竟空の理は、かくの如くぞ思ふべき、正法四十余年に、一乗妙法説いたまふ。
(般若経四首)
般若の御法をたづぬとて、当啼東へたづね行き、妙香城にいたりてぞ、畢竟空をば悟りてし。
無量義経一首
無量義経に莟む花、霊鷲の峰にぞ開けたる、三十二相は木の実にて、四十二にこそなりにけれ。
普賢経一首
積もれる罪は夜の霜、慈悲の光にたとへずば、行者の心をしづめつつ、実相真如を思ふべし。
仏歌二十四首
釈迦の正覚なることは、この度初めと思ひしに、五百塵点劫よりも、彼方に仏と見え給ふ。
(仏歌二十四首)
釈迦牟尼仏は薩埵王子、弥勒文殊は一二の子、浄飯王は最初の王、摩耶はむかしの夫人なり。
(仏歌二十四首)
釈迦の御法のうちにして、五戒三帰をたもたしめ、一度南無といふ人は、花の苑にて道成りぬ。
(仏歌二十四首)
仏は様々にいませども、まことは一佛なりとかや、薬師も弥陀も釈迦弥勒も、さながら大日とこそ聞け。
(仏歌二十四首)
仏は常にいませども、現ならぬぞあはれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ。
(仏歌二十四首)
仏はどこよりか出で給ふ、中天竺よりぞいでたまふ、矩奢掲羅補羅城、王舎城、[女吉]栗陀羅矩[ロモ]に鷲峯山。(仏在世時、中印度に著名なる六大都城なり。「南本涅槃経巻27」に依れば、舎婆提城(梵zraavastii)、娑枳多城(saaketa)、瞻波城(campaa)、毘舎離城(vaizaali)、波羅那城(baaraaNasii)、王舎城(raaja-gRha)等の六大城の名を挙ぐるも、この中に就きて異説多く、「長阿含経巻2」には則ち迦毘羅衛城を以って娑枳多城に取り代う。また巴利文の経典には憍賞弥城を以って毘舎離城に取り代う。また「摩訶僧祇律巻33僧伽」には迦毘羅衛、憍賞弥の二城を加えて八大城と為せり)
(仏歌二十四首)
弥陀の御顔は秋の月、青蓮の眼は夏の池、四十の歯ぐきは冬の雪、三十二相春の花。
(仏歌二十四首)
阿弥陀仏の誓願ぞ、かへすがへすもたのもしき、一度御名をとなふれば、仏に成るとぞ説いたまふ。
(仏歌二十四首)
弥陀の誓ぞたのもしき、十悪五逆の人なれど、一たび御名を称ふれば、来迎引接疑はず。
(仏歌二十四首)
薬師の十二の大願は、衆病悉除ぞたのもしき、一経其耳はさておきつ、皆令満足すぐれたり。
(仏歌二十四首)
像法転じては、薬師の誓ぞたのもしき、ひとたび御名を聴く人は、よろづの病も無しとぞいふ。
(仏歌二十四首)
薬師医王の浄土をば、瑠璃の浄土と名づけたり、十二の船を重ね得て、我ら衆生を渡いたまへ。
(仏歌二十四首)
瑠璃の浄土は潔し、月の光はさやかにて、像法転ずる末の世に、あまねく照らせば底もなし。
(仏歌二十四首)
普賢薩埵は朝日なり、釈迦は夜昼身を照らし、昔の契りしありければ、達多は仏に成りにけり。
(仏歌二十四首)
文殊はそもそも何人ぞ、三世の仏の母といます、十法如来諸法の師、皆これ文殊の力なり。
(仏歌二十四首)
観音大悲は舟筏、補陀落海にぞうかべたる、善根もとむる人しあらば、乗せて渡さむ極楽へ。
(仏歌二十四首)
観音光を和らげて、六つの道をぞ塞げたる、三界劫数わうつる人、やらじと思へる心にて。
(仏歌二十四首)
よろづの仏の顔よりも、千手の誓ぞたのもしき。枯れたる草木も忽ちに、花さき実なると説いたまふ。
(仏歌二十四首)
毎日恒沙の定に入り、三途の扉を押しひらき、猛火の炎をかき分けて、地蔵のとこそ訪ふたまへ。
(仏歌二十四首)
南無天竺の鉄塔を、竜樹や大士の開かずば、まことの御法をいかにして、末の世までぞ広めまし。
(仏歌二十四首)
竜樹菩薩あはれなり、南無天竺の鉄塔を、扉を開きて秘密教を、金剛薩埵に受けたまふ。
(仏歌二十四首)
眉の間の白毫は、五つの須弥をぞ集めたる、眼の間の青蓮は、四大海をぞ湛へたる。
(仏歌二十四首)
眉の間の白毫の、一つの相を想ふつべし、須弥の量をたづぬれば、縦横八方由旬なり。
(仏歌二十四首)
真言教のめでたさは、蓬窓宮殿隔てなし、君をも民をも押しなべて、大日如来と説いたまふ。
華厳経一首
華厳経は春の花、七所八会の苑ごとに、法界唯心色深く、三草二木法ぞ説く。
阿含経二首
阿含経の鹿の声、鹿野苑とぞ聞こゆなる、諦縁乗の萩の葉に、偏眞無漏の露ぞ置く。
(阿含経二首)
一夏の間を勤めつつ、昼夜に信心怠らず、拘隣比丘ぞ最初には、諦理を悟りて道成りし。
方等経二首
大集方等は秋の山、四教の紅葉はいろいろに、弾呵法会は濃く薄く、随類ごとにぞ染めてける。
(方等経二首)
須弥の峰をば誰か見し、法文聖教に説くぞかし、阿修羅王をば見たるかは、智者の語るを聞くぞかし。
般若経四首
般若十六善神は、十六会をこそ守るなれ、もとより無漏の法門は、中道にこそ通ふなれ。
(般若経四首)
大品般若は春の水、罪障氷の解けぬれば、万法空寂の波立ちて、真如の岸にぞ寄せかくる。
(般若経四首)
般若畢竟空の理は、かくの如くぞ思ふべき、正法四十余年に、一乗妙法説いたまふ。
(般若経四首)
般若の御法をたづぬとて、当啼東へたづね行き、妙香城にいたりてぞ、畢竟空をば悟りてし。
無量義経一首
無量義経に莟む花、霊鷲の峰にぞ開けたる、三十二相は木の実にて、四十二にこそなりにけれ。
普賢経一首
積もれる罪は夜の霜、慈悲の光にたとへずば、行者の心をしづめつつ、実相真如を思ふべし。