御大師様は死者の霊を助けるために造仏・写経が大功徳になるとおしゃっています。
「・・謹んで弘仁九年三月二十四日を以て先考の奉為に、刻桃薬師如来の像七躯、日月遍照夾侍菩薩両躯、護世天王の像四躯、並びに法華経一部八巻、最勝王経一部十巻、金剛般若経、薬師経、阿弥陀経、多心経各々一巻、堂幡華鬘各各二十六旒を造り奉る。粋容の𠑊相(仏像の厳かなお姿)動くことなくして真に契い、定貌の慧身言わずして理を得。智剣利くして煩悩断え、妙理深くして業網除く。苦因を宝幡に表し覚果を蔓蘂に示す。
伏して願わくはこの善業を奉じて冥かに先考の慈をたすけ、妄雲を願風にかかげて真月を心空に朗らかにし、法界に安住して円寂に悠遊せん。傍ら有情に及ぼし同じく無戯の殿に昇らん。」
(性霊集「藤原朝臣常房の為の願文」)
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