大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 3月11日 守り刀

2014-03-11 18:19:29 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 3月11日 守り刀



 俺の母方の先祖は何かしらんけど偉い坊さんだったらしい。
で、何かどえらい化け猫を退治したとき(7つ尾の猫又って言ってた)、七代先まで祟るっていう呪いかけられたらしい(ちなみに俺で6代目)。
そんなんで、祟りから逃れるためにお守りを子供に持たせるんだが、俺の爺ちゃん(母方の方な)が昔鍛冶屋やってたんだが、初の女孫で、いたく張り切って守り刀を作ってくれたらしい。
 つっても、人形に持たせるような小さいやつ。
爺ちゃんは俺をすごく大事にしてくれたんだが、方向がちょっとアレだった。
雛人形の時期に、菖蒲様の人形を送ってくれたり(俺、女なのに・・・)。

 守り刀って言うよりナイフに近い、実際、ペーパーナイフとして活躍中のそのナイフだが、先祖が合戦に行って、生きて帰ってきた時の刀を使ったらしい。
で、なんかすごいの憑いてる。
 もともと、見間違いレベルでそういうたぐいの奴はしょっちゅう見るんだけど、守り刀持ってると何故か出てこない。
京都に修学旅行に行ったとき、神社見学してたら、宮司さんに、

「 ブフォ!?すごいのに守られてますね~!」

と、なんだかよくわからないウケかたされた。


 で、何年か前に友達と四人で飲んでいたんだが、(N男、T男、A子、俺) 、N男が、

「 本当にあった呪いのビデオでも見ねぇ?」

と言い出した。
 だが、時間が時間。
田舎のTUTAYAは10時で閉まっていた。
時刻は午前0時半ぐらいなので、ビデオを借りにも行けずにいたら、T男が突然、

「 ここいらに心霊スポットあったよな?そこに行こうぜ!」

と言い始めた。
昔から、そこそこ見たりしてた俺は、

「 行くなら行くけど・・・・?」

状態。
しかし、A子は非常に怖がりで、あまり乗り気ではなかった。
 T男とN男は高校時代に格闘技をやっていて、片方は国体出場経験があった為、そっち系じゃないいわゆるDQNが出てもまぁ大丈夫だろうと思っていたし、守り刀をカバンに入れていたのもあって、大丈夫だろうと思っていた。
雰囲気的に行く感じのようだし(というか男二人が異様に乗り気だった為)、A子を説得して4人でレッツゴーした。

 で、地元では有名な心霊スポットはもともとホテルで、特段いわくがついていたわけでもないが、火事になり焼け落ちたため使用されなくなってしまい、廃墟になった所。
なぜか心霊スポットとして異様に有名になっていた、よくわからない所だった。

 で、4人で廃墟探索してたんだが、期待していたような心霊現象は特に何もなく、A子が涙目になっただけで探索終了。
良い肝試しだっただけだった。
もともといわくつきなわけではないし、最初から出ないだろうとは思っていたが、拍子抜けしてしまった。
男二人はわりかしビビっていた様子だが、その後無事に部屋まで帰った。


 しかし、その後にことが起きた。
部屋に着き、みんなで寝始めたが、コンコンという音で目が覚めた。
どうやら、窓に何かが当たっているらしい。
カーテン閉まってるし、虫だろうと思って寝直そうと思ったら、 突然、T男がしきりに、

「 来るな!来るな!」

と言い始めた。
 T男を見ると寝ている様子。

“ さては予想外にビビリだったのか・・・?”

と思っていたら、A子もなんかつぶやき始めた。
しきりに、

「 ごめんなさい、ごめんなさい。」

と何かに謝っている。
 まさかと思いN男を見ると、普通に寝ていた。
A子とT男になんか憑いてきたのか?と思い始めたら、窓が強くドンドン!と叩かれた。
内心、

「 ちょ~~~、ココ2階だけど・・・・。」

とテンション上がったが、一人だけ起きているとなんかちょっと怖くなってきたので、N男を起こすことにした。
 が、ゆすってもビンタしても一向に起きない。
窓がまたドンドン!と叩かれる。
何か窓ガラス割られたら面倒だと思い、思い切ってカーテン開けると、微妙に半泣きっぽいおっさんが外にいる。
 しかも、カーテン開けた時に微妙にびっくりした様子で、2秒ぐらい二人で見つめ合ってしまった。
何を言うでもないおっさんに、とりあえず、

「 窓壊れるから叩かないで下さい。
あと寝てるんで帰って下さい。」

って言ったら、神妙な顔をして消えていった。
と、その時N男が、

「 危なぁぁぁぁいい!」

つって俺にタックルしてきた。
何事かと聞いたら、

「 窓の外におっさんがいて、お前が窓開けておっさんを部屋に入れようとしているように見えた。」

とのこと。
いやいや、追い払ったの俺だし・・・。

 で翌朝、T男とA子が顔面蒼白にして、

「 お祓いに行こう!あそこマジヤバイとこだって!」

というので、近くの神社へお祓いに行くと、神主さんがあの例の紙のついたシャンシャンなる棒で頭のあたりワサワサして、祝詞ていうのか?わけわからんこと言って(かしこみだけは聞き取れた)お祓い終了。


 で、帰る間際に、神主さんが言うには、別に何も取り付いているわけじゃなかったとのこと。
俺の守り刀のことを話してみたら、ちょっとした神様クラスの力があって、悪霊は近寄れなかったんだろうってことと、夜のおっさんは廃墟に住み着いた奴で、悪霊ではないけれど、強すぎる力に場を乱されたので、来ないで下さいって言いに来たんだと思うよ?
あと、あなたは呪いを受けているけど、ココでは解除できないこと等を言われた。
 俺は、

「 呪いって何が起きるんです?」

と聞いては見たものの、神主さんいわく、

「 わからない。
でも、そのお守りあったら、新しく取り憑こうなんて輩はいないし安心していいよ。」

だそうで、この先安泰らしい。

 ちなみに、T男とA子は夜のおっさんに、「なんで来た~なんで来た~」と追い掛け回される夢をみたらしい。
オチなくてごめんね。














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