日々の恐怖 3月15日 作業
休日のイオン、駐車する場所を探し駐車場内をぐるぐる回っていたときのことです。
入り口に一番近いところに差し掛かったところで、その近くに黒光りした高そうな高級車が停まっていた。
車に無知な自分でも、ヤのつく自由業の方の乗るものだとわかる車。
それに乗ろうとしていたダンディなおじさんと目が合った。
おじさんはこちらに手招きしてきた。
“ やっべえ、ヤのつく人に目を付けられてしまった。
売り飛ばされるかも・・・。”
と心臓バクバク、ここが修羅場。
運転席の窓を開け、
「 な、なにか・・・?」
とビクビクしながら聞くと、おじさんは満面の笑みで、
「 ねえちゃん、ここ停めな、今出るから。」
と、運転手のチンピラらしき兄ちゃんに合図し、高級車はすぐに発車した。
“ いいヤのつく人もいるもんだ、人は見た目じゃないな・・・。”
と、少しヤのつく職業に好感度うpしたが、その高級車の停まっていたところが身障者用スペースだったので、
“ やっぱ人は見た目だ・・・。”
と思い、高級車が完全に見えなくなってから、また駐車場をぐるぐる回る作業に戻った。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ