日々の恐怖 3月21日 ストーカー
以前、Kさんが話してくれた、Kさんとその友人の話です。
昨日、友達にストーカー行為をしていた女がようやく警察に捕まった。
主なストーカー行為の内容は、お守りの中に自分の髪の毛を入れて自宅のポストや玄関のノブに吊り下げるなどの行為だったらしい。
俺は、
「 これで一安心やな。」
と言うと、友達も、
「 あぁ~、これで久しぶりに何も考えずにゆっくり寝れそうやわ。」
と気の抜けた顔で安堵の表情をもらしていた。
ふと俺が友達に、
「 そや、まだ気味の悪いお守り残ってんの?」
と聞いたら、
「 あぁ、明日警察に持って行く分のやつが一個だけあるわ。
気色悪いから早く処分したいんやけどな。」
と言って俺の方に放り投げてくれたのを見て、俺は、
「 ん?」
と思ったんだわ。
「 これ、安全祈願のお守りなんやなぁ、なんでやろ?」
と俺が呟くと友達が、
「 それが?
なんかおかしい所あるか?」
と言うので、
「 普通こうい時使うのって、恋愛成就のやつじゃね?」
それを聞いた友達も、
「 それもそうか。
まぁ、ストーカーするヤツの心理なんか、俺らには解らんやろ。」
とその時は一笑してた友達だったけど、そのことが結構気になってたのが後になって良く解った。
今日、友達と二人で警察に細かいことの経由と、お守りを持って行くために行ってきたのだが、友達が警察の人に、
「 どうしてこんなことをしたのか?
何で安全祈願のお守りなのか?」
と言うのを直接本人から聞きたいとお願いしたらしく、俺は半時間ほど署内の玄関付近で待ちぼうけをくらっていました。
そこへ右手にお守りを硬く握り締めながら、不安げな表情の友達が帰ってきたので、
「 どうしたん?」
と聞くと、
「 あの女にそのお守り持ってないと右足持って行かれる、って言われた。」
と俯きながら言うので、
「 なんでまたそんなこと言ってきたんだ?
てか、なんで言われてたこと信じてるん?」
と聞くと、
「 あの女、俺しか知らないようなこと、耳打ちで言いやがったんだわ。」
と言い残し、友達は俺を警察署に残したままさっさと何処かに消えてしまった。
まぁ、そう言われると、俺もアノ右足でちゃんとブレーキ踏めるか気がかりなんやけどね・・・。
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