大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 10月7日 雨の日の女

2015-10-07 18:58:10 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 10月7日 雨の日の女


 Mさんから聞いた実話である。
Mさんはタクシー会社の社員をやっている。
タクシーを運転しているのではなくて、その上司と言うか、そんな感じらしい。
 要するに事務所を離れないでデスクワークしていたりする訳だが、ある雨の日、真っ青になった運転手Aさんが事務所に飛び込んできた。
 Aさんの様子があまりに尋常ではなかったので話を聞いてみると、

「 髪の長い女を客として乗せたのだが、目的地について振り返ったら女がいなかった。」

と言うことだった。
 その目的地と言うのも、地元では有名な幽霊が出ると言うスポットのすぐ近くだ。
運転手Aさんはビビって、すぐさま事務所に駆け込んできたのだった。
 時間は深夜に近づくころ、さすがにMさんも気味が悪くなったが、その場はなんとかなだめて運転手Aさんを帰したらしい。

 後日分かったことだが、この話には目撃者がいた。
その雨の日、運転手Aさんが件の女を乗せたところを、他の運転手が多数目撃していた。
 と言うのも、場所は駅のロータリーだったからだ。
もう予測できると思うが、運転手Aさんは、

“ 女を乗せ忘れて勝手に出発した。”

のだった。
 それは、雨が降っていたために、女が目的地を言いながら傘を閉じるために一度背を向けたところ、運転手Aさんのタクシーがバタンとドアを閉めて走り去ったのだった。
あとにはポカンとした女だけが残っていたそうだ。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------