日々の恐怖 2月10日 マンションの住人(2)
5時前くらいに、またインターホンが鳴った。
今度はオートロックの方だった。
おっさんがまた来たのかと思ってビビったけど、今度はオートロックの外だしどんな面してんのか見てやろうと思ってインターホン取ったら、画面の向こうに制服着た警察官が二人いた。
やっぱりおっさんは全戸聞いて回ったらしく、他の住人の通報で来たらしい。
詳しく話が聞きたいから出てきて欲しいと言われたけど、外に出ておっさんがいたら嫌だし、エレベーター一人で乗りたくないしで、結局警察に入ってきてもらうことにした。
廊下で警察におっさんとのやり取りを話してると、少し離れた部屋のドアが開いた。
彼氏の部屋に泊まりに来てたっていう女の子で、やっぱりインターホン取っちゃっておっさんと話してしまい怖かったようだ。
女の子が話すやり取りも、ほとんど俺と一緒だった。
一通り話を聞いた警察は、周囲のパトロールを増やす事と防犯カメラのデータを調べてみますって約束して帰った。
その後、すぐ近くに住んでた同業と飲んだ時に、おっさんは同業のマンションにも現れたって言うから、他のマンションも今も回ってんのかもしれない。
ここまででも十分気持ち悪かったんだけれど、その4日後くらいに警察が今度は昼頃に来て、
「 ◯階のXXX室に住んでる住人と面識はあるか?」
とか
「 △階のXXX室の住人はどうだ?」
とか、4部屋分聞かれた。
どれも俺が住んでた部屋の階と違ったし、知らないって答えたんだけれど、どうも殺人容疑のヤツとかが、防犯カメラの映像から引っかかったらしい。
そいつらはおっさん事件の次の日辺りには、夜逃げみたいに消えちゃったと言うことだった。
俺が一番怖かったのは、同じマンションに本当にヤバイヤツがうじゃうじゃいたってことだった。
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