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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月2日 窓の外(1)

2017-02-02 18:45:51 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 2月2日 窓の外(1)




 昨年の夏に聞いた話です。

 昨日の話です。
今四国の田舎に帰ってきてるんですが、姉夫婦が1歳の娘を連れてきてるんだけど、夜が蒸し暑くてなかなか寝付いてくれなくて、祖父母、父母、姉夫婦、俺、そしてその赤ちゃんの8人で居間で夜更かししていた。
 田舎は海沿いの古い家で、庭に面した窓からは離れが母屋の明かりに照らされて浮かんでいて、それ以外には姉夫婦の車が見えるだけだった。
海沿いなので網戸越に波うちの音が聞こえて、蒸し暑いけど田舎の心地よさに包まれていました。
 皆でお茶を飲んで語らっていると、姉はIPadを持ち出してきて、

「 面白いもの見せてあげるわ!」

とボタンを押した。
 メモ帳画面でマイクのボタンを押すと、口述筆記みたいに話した言葉を文字にしてくれる機能だ。
姉はそれを赤ちゃんの口元に寄せて、

「 何か話してごらん~。」

とあやすと、赤ちゃんは、

「 あうあうあう~。」

と言葉にならない言葉を話す。
すると画面に、

「 合う会う、ううー良い愛ー。」 

みたいに、赤ちゃんの声を無理やり文字に起こしたものが表示され、姉は、

「 赤ちゃんの言葉やで!」

と笑う。
 祖父母も父母もうれしそうに、

「 おおー!すごいなー!」

と笑った
 夜もふけていく中、皆でその遊びをしばらく続けていました

「 あいあい~たー、うう~。」

という、言葉にならない赤ちゃん語を、

「 会い合い~他、右ー。」

みたいに表示していくIPad。
祖父母は、

「 最近の機械はえらいもんじゃのう!」

とはしゃぎ、俺たちも笑う。
 赤ちゃんは皆がうれしそうに笑うのと、田舎の家の薄暗さの中で光るIPadの画面に大喜びし、

「 うあうあいい~!!わーわー!きゃあー!」

と声を上げ続ける。
 姉は赤ちゃんを膝に乗せなおし、

「 はい、おじいちゃんって言ってごらんー!」

と赤ちゃんにIPadを向ける。










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