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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月13日 すみません(2)

2017-02-13 18:36:52 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 2月13日 すみません(2)




 もう1つその病院であったことです。
そもそも、私は霊が見える人ではないと思っていた。
これぞ幽霊というものは見たことなかったし(人ではなく物ならあったが)、音や引っ張られるということがほとんどだったからだ。
でも、本当に見えていないのか、それとも気付いてないのか分からなくなった話です。
 私の勤めていた検査室の廊下をはさんだ向かい側には放射線室があった。
検査室に入るときに放射線室が少し見えるのだが、昼休みから帰って来たときB先生がその放射線室のパソコンの前に座っているのが見えた。
 何か作業でもしているのかと特に気にもせず検査室に入り、検査をしていると電話が鳴った。
電話はC先生からで、B先生を知らないかというものだった。
つい先ほど放射線室でB先生の姿を見ていた私は、

「 放射線室にいましたよ。」

と告げると電話を切った。
 ふと横を見ると同僚Aさんが不思議そうな顔をしていた。

「 どうしましたか?」

とたずねるとAさんが、

「 B先生、だいぶ前から診察室で業者さんと話してるけど・・・。」

と言った。

“ じゃあ、さっき自分が見たのは誰だったのか?”

 とりあえず、C先生に連絡をした。
私にとって幽霊よりC先生の方が怖かったからだ。
 あのとき見たのが何かは分からないが、私はB先生だと思っていた。
透けてもいなかったし異様な雰囲気を出してるわけでもない、ただただ普通の後ろ姿だった。
でも、Aさんは絶対にB先生はそこにはいなかったという。
それからは私は、自分が見ている人は本当に本人かは分からないものなのだ、と思っている。









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