大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月20日 オカン(3)

2017-02-20 22:21:16 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 2月20日 オカン(3)




 ここまでのことを、自分では正直よく覚えてないんだが、街の病院にオカンを迎えに行ったとき、泣きながら俺達を抱いて、

「 神様ありがとうございます。」

とオカンが何度も感謝を述べていたのは、うっすら覚えている。
 母はその日、24日ほどではないが、その日も中々配達の量が多かったそうで、最後の配達を終えたのはクリスマスも残り1時間切った頃だったそうだ。
 隣町まで大量のしゃぶしゃぶの肉を届けて、あとは肉屋に寄ってから家に帰るだけ。
連日の大量配達でガソリンが残り少なくなってはいたが、帰りにはレジに用意してくれてあるガゾリン代を貰って預かった鍵で店を閉め、スタンドに寄ってから家に帰ることになっている。
それより子供とクリスマスを過ごせないのを申し訳ないと思いながら夜の道を走ってたそうだ。
 地元の慣れた道とは言え、ここ数日降った雪が凍っていて、山際だから坂やカーブもある。
スタッドレスタイヤ履きつつも、きちんと安全運転で走ってた車に、いきなり横の山際から黒っぽい固まり(多分イノシシ)が転がり出てきたもんだから、

“ ぶつかる!”

と思って咄嗟にブレーキ踏んで、そのままスリップした。
 地面滑るように車の顔から路端に突っ込んで、車が動かなくなったそうだ。
幸い怪我が打ち身くらいだったようだし、とりあえず携帯でサポートセンターと家族に連絡入れようと思って携帯見たら、朝から持ち歩いて何本も配達電話してた携帯が電源切れてる。
母はこれを見たときは、流石に血の気が引いたらしい。










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