日々の恐怖 2月18日 オカン(1)
もう二十年近く昔で、俺は覚えてないんだが、母と俺の体験。
当時自分はまだ小学校の一年坊主で、母とまだアカンボの妹と祖父母と五人、長野の実家で暮らしていた。(今俺は京都で一人暮らしです。)
とりあえず、当時のことをサクッと説明しておく。
うちは母子家庭で、母親が文字通り朝から晩まで働いていた。
当時まだ二十代後半の母は昼は喫茶店で珈琲淹れて、夜は伯父がやってる肉屋の配達の手伝いを自分の車でやっていた。
車がないと暮らしていけない土地だったし年配の人も多かったので、夕飯時に電話一本でお肉の配達してくれるサービスは今でも喜ばれている。
オカンは車の運転上手くて全然苦じゃないタイプだから、配達のバイトはガンガンやってたそうだ。
天真爛漫を絵に描いたような、いっつもにこにこしたオカンなんだが、当時はまだ若いこともあって、肉屋の伯父や叔母を始め、親戚や常連さん達から孫や娘みたいによく可愛がってもらってたそうだ。
俺と妹にって、常連さんからお菓子持たされて帰ってきたりもしょっちゅうだった。
今帰省しても、いい地元付き合いだなってよく思う。
とりあえず、当時はこんな感じだった。
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