大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 10月16日 辞めた理由(3)

2015-10-16 22:43:04 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月16日 辞めた理由(3)



 それで、入社から3ヶ月くらい経った頃かな。
先輩3人と俺の4人が残ってちょっと急ぎの仕事を進めてた。
といっても、同じ作業をしてたのは俺と先輩1人で、後の2人はそれぞれ別のことしてたけど。
 一緒の作業してた先輩が、

「 終わったー!」

って言って、俺もちょうど区切りがついて、他の先輩2人もきりがいいみたいだから、

「 じゃあ帰ろうか。」

って話になった。
 それで、まあ会社のルールとして、

“ 列の最後の一人は、帰る前にその列のデスクをチェックする。”

ってのがあった。
 それは、PCの電源をちゃんと切ってあるか、みたいなのをチェックするんだよね。
ただ俺は性格上、全部の列をチェックしないと落ち着かなくて、一つ向こうの列のデスクをざっと見た。 
まあ、異常なし。
 それで、その向こうの列が一番奥の列なんだけど、その列だけ、ちょっと高めのパーティションで仕切られてて、外から見えない。
ちょっと重要なデータとかを扱ってて、来客の時とかにも見られないようにするためらしい。
 デスクの後ろには書類棚が並んでる。
そこを覗くと、一番向こうのデスクで先輩がまだゴソゴソやってたんだ。
椅子に座って作業してたみたいだけど、デカいタワー型PCが置いてあって顔は見えなかった。

“ じゃあこの列は先輩に任せよう。”

と思ってオフィスのドアに向かった。
先輩は3人、そこにいた。









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日々の恐怖 10月15日 辞めた理由(2)

2015-10-15 18:26:03 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月15日 辞めた理由(2)



 住んでいた地域については、変なことはそれ一度だった。
それで、次に変なことがあったのは2ヶ月目くらいか。
 会社は4階まである小さなビルの3階にあった。
1階はエントランスと駐車スペースのみ、2階は別の会社が入ってて4階はその別の会社の倉庫だった。
 そのビルの狭い道路を挟んで対面に2階建ての小さな建物があって、そこがうちの会社の倉庫だった。
元々は、また別のところがオフィスに使ってたらしくて、そこをそのまま倉庫として使っていた。
 2階への階段は妙に急で、上にはまず使われないであろう、いつか廃棄されるのを待つだけのガラクタみたいなのが置いてあった。

“ 何でこんなのを2階に・・・?”

と思ったけど、どうもその2階には先輩たちもあまり行きたくなかったからなんだろうなと。
 その倉庫、最初に案内されて一回入ったときにもう、

「 うわっ、ここ気持ち悪い・・・。」

って思った。
どうしてかは分からない。
 そこに、ちょっとしたものを取りにいくことになった。
残業してて、もう外は暗かったから正直嫌だったけど、まあ、嫌ともいえないから行った。
もうね、ホント嫌だった。
 元々オフィスだったから、給湯所とかトイレとかそのまま残ってんだ。
それで、真っ暗な中携帯のライトで視界を確保しながら電気をつけて、お目当てのものを見つけて、もうさっさと戻ろうと思って電気を消した。
 ドアに向かおうとしたとき、

“ バタン!”

と近くに立てかけてあった、平たい段ボール箱が急に倒れた。
 立てかけて安定していた箱が逆方向にひっくり返るなんてのは普通じゃないと思って、もうそれはそのままにして逃げ帰った。
 後で聞いたら、先輩も誰もいないはずの2階から、

“ ぎし・・・、ぎし・・・。”

て感じで、何かがゆっくり動く音を聞いたとか、隅の方から、

“ コトッ、コトッ・・・。”

と音がしたり、気持ち悪くて夜はあまり行かないようにしていたらしい。
 それ以来、倉庫には日中、2人以上で行くことにした。
日中でも、どうしようもなく気持ち悪かった。








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日々の恐怖 10月14日 辞めた理由(1)

2015-10-14 19:32:47 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月14日 辞めた理由(1)



 ちょっと長くなってもいいなら、俺が前の仕事を半年で辞めた理由を話す。
途中、精神的に参っていたかも、と見える部分はあるが、今も前も仕事内容は同じだし、人間関係だって、そんなに悪くは無かったので、何がどう影響していたのかは分からない。
 そこには大学出て新卒として入社した。
隣県だったけど給料も結構高い、アパートで一人暮らしになるけど会社指定のアパートなら部屋代の一部は会社が負担してくれる、とかなりの高待遇だった。
 もちろん応募者は多かっただろうけど、奇跡的に潜り抜けて入社できた。
アパートはまあ新しくもなければ古くもない1Kだけど、安く住めるからそこにした。
ただ、駐車スペースが少なくて空いてなかったから、免許とって車欲しいって言ってた弟に車譲って、自転車通勤にした。


 結構入社日ギリギリだったけど引越しも終わり、無事に社会人生活がスタートしてから2週間くらいたった頃かな。
やっと落ち着いてきたから、近くに何があるか探索しようと、休日俺は自転車に跨った。
 出てすぐのところにちょっと広い道路(片側1車線だけどね)があって、そこを左折した。
 その道路は左折すると南に向かうことになる。
会社もそっち方向にある。
 それで、今日は会社がある十字路を越えて更に先に行った。
先に読書好きな俺にとって書店を発見できたのは嬉しかった。

“ まあ、自転車の移動範囲からしてこれ以上は南下したくないな。”

と思って、近くの十字路で右折した。
狭い道で興味を引くものがなかったから、戻ろうと思ってもう一回右折した。
 ここで、ちょっと記憶が曖昧っていうか、怪しい。
しばらく走って、気付いたらもとの道路に出る十字路だった。
 問題は、東側から道路に出たってことだ。
南に進んでる状態から右折、右折だ。
斜めに行ったとしても、西から道路に出なければおかしい。
 知らない土地だから、勘違いしたと言われればそれまでだが、それほどの方向音痴ではないと思っている。
なんかもう不思議な気持ちのまま、その日は帰宅した。
 次の休みにも同じルートを通ってみたけど、いつの間にか東に渡ってるなんてことはなかった。
当然なんだけど。








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しづめばこ 10月13日 P401

2015-10-13 14:29:03 | C,しづめばこ


しづめばこ 10月13日 P401  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月12日 渋谷(2)

2015-10-12 19:22:04 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月12日 渋谷(2)



 地蔵の所で騒いでたら女の子がやってくる。
俺らを睨むようにこっち見ながら歩いてくる。
 確かに人気のない路地だし、こんな場所で騒いでたら不審者だよなと思う。
女の子の存在に全員が気付いたとき、女の子が発する違和感に全員が固まる。
 ラブホ街だし、デリヘルや売春婦は珍しくない。
でも、その子は子供を抱いていた。
しかも1人じゃない。

“ 深夜1時を過ぎてるし、おかしいだろ・・・。”

と思ったときに気付いた。
 子供もおかしいが、女の子もおかしい。
女の子の胸の部分に子供の顔がたくさんあって、手が何本も出てた。

“ 女の子が子供を抱いてる。”

と思ったがそうじゃない。
子供が体から生えている。
 その場にいた全員が、

“ ヤバいな~。”

って空気を感じたが、誰も動けない。
 女の子が俺らを睨みながら通り過ぎた瞬間、赤ちゃんが、

「 アー。」

って言った。

「 うわ~~~~!」

一斉にみんな走ってて振り返る勇気もないまま、人がたくさんいるampmまで逃げてた。
 明かりがあるのと、人がいる安心感からか、

「 なにあれ?マジやばくね?」
「 全員見れたよな?」

いつもより早口になってる俺たちと、

「 なんで走るんすか?」

ってイミフな発言をした後輩がいた。

「 時間だしclub行こうよ!」

みんなに話そうってことになり、歩き出したときに後輩が笑いながら言った。

「 あの女の子よくclubにいません?俺、ナンパしたことありますよ?」












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日々の恐怖 10月11日 渋谷(1)

2015-10-11 17:37:07 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月11日 渋谷(1)



 その日俺は友達5人といつも通り渋谷で遊んでた。
終電も終わり朝までナンパしたりって感じで遊んでた。
 渋谷のラブホ街にあるclubに行くかってことになり、少しお酒の入った俺らは道玄坂を歩いてた。
道玄坂の途中で右に曲がり、途中のコンビニで軽く腹ごしらえ。
風俗のキャッチも多く、人も少なくない渋谷に詳しい人なら、場所もどこかわかるだろう。
 時間は深夜1時前、clubに入るにはまだ早いから、円山町を少し歩いて時間を潰すことにした。
 途中で人気のない通りを女の子が歩いて行くのを見て、

「 幽霊じゃない?」

って言ったのをきっかけに、幽霊が出るって噂があった場所に行ってみることにした。
 場所はラブホ街にある地蔵のそば。
体売ってて殺された女が死んだ後も客に声をかけるって場所。
 実際に、それ以外にもたくさん幽霊の話はあったから、何か見れたらラッキーって思ってた。
 ラブホ街を幽霊探しながら歩きながら、

「 幽霊がいたらナンパしてやんよ!」

なんて、軽く話してた。
 結局、幽霊なんて見れずに円山の真ん中にあるampm前でだべる。
その日一番いきがってた後輩に、

「 お前がゴツいから幽霊ビビったんだよ!お前責任取ってさっきの地蔵写メ撮ってこいよ!」

って冗談で言ったら、

「 いいっすよ~、じゃあ行ってきます!」

ってマジで行った。
後輩は幽霊自体信じてないから、心霊現象を気のせいで片付けるヤツだ。
 10分くらいして戻って来たら、写メには地蔵じゃなく5m位離れた場所から撮った子供が写ってる。
子供と言っても写メだし、小さくて裸の子供か赤ちゃんに見える。

「 お前なにこれ?地蔵は?」
「 地蔵っすよ。
あれ~、こんな場所にいるから間違えたんすかね?」

これが幽霊だったらって思い、興奮気味に写真の場所に行くと子供なんていない。
 写真のアングルだと、どう考えても地蔵があるはずだ。
試しに同じアングルで写メを撮ると地蔵が写る。

「 マジ心霊写真きた?」

みんな騒ぎ、いいナンパのネタが出来たとそのときは思ってた。










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しづめばこ 10月10日 P400

2015-10-10 18:00:53 | C,しづめばこ


しづめばこ 10月10日 P400  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月9日 黒いモヤ

2015-10-09 20:30:48 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月9日 黒いモヤ 



 4年ぐらい前に俺の嫁が生死に関わる大病患って入院してた時に、夜2時頃黒いモヤみたいのが見えて首を絞めてくるんだと言った。
俺も最初は病気のせいで苦しくなってるのがそう幻覚で見えてるんだと解釈して、とりあえずちゃんと今度から看護師さん呼べよって伝えた。
 それで、相変わらずそれは続くみたいだったんだけど2日後ぐらいにいつも通り嫁の見舞いに行って、嫁の入院してる部屋から出た時に、看護師さんにちょっと捕まって、その夜中の話についてやんわりと尋ねられて俺は、

「 ああ、本人はなんか首を絞められて目が覚めちゃうみたいなんですよ。」

って冗談半分で言ったら、看護師さんは少し深刻そうな顔をして、

「 昨日その時間帯にナースコールで呼ばれて見に行ったら、おかしなことに首に本人の手より明らかに大きい手の痕がついてました。」

と教えてくれた。
 それで、その話はまだ嫁にしてなかったらしいから、すぐ嫁に信じてやれなくてゴメンと謝って、部屋を変えて貰おうと嫁と相談し、幸い嫁は個室なのもありそのとき別に空いている部屋もあったので、病院のOKを貰った。
 その後、首を絞められることも無く、その病気は予後不良とかあんまりなくて、治ったらそれで完治って感じのものだから、嫁は後遺症もなく無事退院できた。
 その数か月後、道でバッタリその看護師さんと会って少し話したとき、内緒の話なんだけど、実は嫁が入院する2~3か月前に同じ症状で入院して亡くなった方がいたって話を聞いた。
そして、今回の話と関係なく黒いモヤが見えるって人はたまにいるんだけど、そういう人は亡くなることが多いってことだった。
だから、実は俺の嫁も正直危ないかも知れないと思ってたって話を聞いてビックリしてしまった。









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日々の恐怖 10月8日 洗面台と足

2015-10-08 19:17:26 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月8日 洗面台と足



 介護施設で働いている介護士のMさんの話です。
ある日の夜、Mさんが施設二階の廊下を歩いていると、廊下の途中に二つ並んでいる洗面台の下に足があった。
茶褐色の作業服の様なズボンと黒い長靴の左右膝から下あたりだけの存在が、洗面台の下に立っていた。
 Mさんはぎょっとなり、慌てて通り過ぎて一階へと階段を下りた。
そのMさんを、足はしばらく追って来たという。
 Mさんは一階の職員室へと飛び込み、ピシャリと扉を閉めた。
足は階下までは追ってこなかった。
 蒼い顔をしているMさんに、部屋にいた看護師のSさんが、

「 どうしたの?」

と声をかけた。

「 あのね・・・・。」

変に思われるかと思いながらも、Mさんは追って来た足のことを話した。
 するとSさんに、

「 ああ、あれ。
Mさんも見たんだ。」

と返事された。
 思いがけない返事に、Mさんは、

「 え・・・。」

と驚いた。
 それで、Sさんに聞いてみると、足だけの存在はいつも二階の洗面台の下の決まった場所に立っていて、時々後を追ってくるのだという。
 しかし、どうやら追って来られるのは二階の廊下だけで、階下に来ることはできないらしい。
追って来られた者が階段を下りだすと、いつも二階の階段の下り口のところで止まり、しばらくじっとしているのだという。
そして、また洗面台の下に立っているらしい。
 MさんはSさんから、

「 いつからあそこにいるのか知らないけど、他にも足を見たり変な足音を聞いた人はいるよ。
でも、害は無いから心配すること無いよ。」

と言われた。
足は今も、時々、後を追って来る。









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日々の恐怖 10月7日 雨の日の女

2015-10-07 18:58:10 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 10月7日 雨の日の女


 Mさんから聞いた実話である。
Mさんはタクシー会社の社員をやっている。
タクシーを運転しているのではなくて、その上司と言うか、そんな感じらしい。
 要するに事務所を離れないでデスクワークしていたりする訳だが、ある雨の日、真っ青になった運転手Aさんが事務所に飛び込んできた。
 Aさんの様子があまりに尋常ではなかったので話を聞いてみると、

「 髪の長い女を客として乗せたのだが、目的地について振り返ったら女がいなかった。」

と言うことだった。
 その目的地と言うのも、地元では有名な幽霊が出ると言うスポットのすぐ近くだ。
運転手Aさんはビビって、すぐさま事務所に駆け込んできたのだった。
 時間は深夜に近づくころ、さすがにMさんも気味が悪くなったが、その場はなんとかなだめて運転手Aさんを帰したらしい。

 後日分かったことだが、この話には目撃者がいた。
その雨の日、運転手Aさんが件の女を乗せたところを、他の運転手が多数目撃していた。
 と言うのも、場所は駅のロータリーだったからだ。
もう予測できると思うが、運転手Aさんは、

“ 女を乗せ忘れて勝手に出発した。”

のだった。
 それは、雨が降っていたために、女が目的地を言いながら傘を閉じるために一度背を向けたところ、運転手Aさんのタクシーがバタンとドアを閉めて走り去ったのだった。
あとにはポカンとした女だけが残っていたそうだ。









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しづめばこ 10月6日 P399

2015-10-06 19:04:46 | C,しづめばこ


しづめばこ 10月6日 P399  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月5日 カメラマン(2)

2015-10-05 17:56:19 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月5日 カメラマン(2)



 理由はそこで頻繁に出るかららしく、どうしても、という時以外は封印しているのだとか。
まあ、実際開けて中見た瞬間に、嫌な雰囲気のする部屋ではあった。

“ 店やってて開かずの個室なんかもったいないな・・・。”

と思いながら撮影は終了した。
 帰り際、

“ 何も起こんなかったな~。”

と思いながら階段を降りようとした時、後ろからついてきてる助手くんが、荷物をひっぱりながら、何もない空間に頭下げて、

「 ちわっす!」

とか言ってる。
 出た後に、

「 従業員の女の人に挨拶したけど、無視されましたわ~。」

とか言ってる。
 どんな人か聞いてみると

「 白い和服の女の人ですね~。」

なんて言ってるから、女性従業員はチャイナ服だろ、と突っ込むのはやめて、

「 今度また撮影があったら、気づいてもらえるように、もっと大きな声で挨拶しろよ~。」

と言っておいた。
助手くんは一連の話は知らないので、

“ ああ、いたんだなぁ・・・。”

と思った。
 余談で、元店長から聞いた話がある。
店には結構広い地下室があり、そこを倉庫にしているんだが、地下室へ向かう階段の途中、真ん中くらいの脇に何故かぽつりと窓が1つある。
 もちろん開けても何もない。
何もないというか何かで塗り込めたような壁が出てくる。
 ただ壁は薄く向こうにどうやら部屋があるらしい、が、もちろん入口はないし、図面にもない。

「 中古のビルだけど、そこは触らないようにしてる。」

と店長は言っていた。
 こういう店をあと2、3店知ってるが、不思議なのは割りとガチでお化け出るのに、何処も繁盛している。
繁盛しているところには、いろんなものが寄ってくるのかもしれない。










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日々の恐怖 10月4日 カメラマン(1)

2015-10-04 18:13:49 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月4日 カメラマン(1)



 Kさんはカメラマンで、仕事柄、料理の写真や飲食店の室内を撮影することがあって、そこでの話です。

 場所バレすると不味いんで、フェイク入れながら話しますけど、そこは割と歴史ある大型中華料理店で、5階建のビルすべてがその店になっている。
 特にそこの3階に出るという噂があって、仲の良い店長や関係者から色々話を聞いた。
以下箇条書です。

・3階の一室だけ突然停電、停電後に光った白い和服の女性が部屋に入ってきて消える。
・深夜誰もいない3階から1階の事務所に内線が入る、出たら水が滴る音だけがする。
・部屋の下見の際にお客さまが見てしまう。(たいてい白い和服の女性)
・宴会予約の客が屋上に首のない人間がいっぱい立ってるから入れないと言って入店拒否。
・飾ってあった絵に描かれた女性が店内を歩いていた。(複数人目撃)

など。

「 お祓いしないの?」

と聞いてみると、一応はして、それからはまだマシになったらしい。


 仕事は3階の部屋を全面リニューアルしたから撮影して欲しいというのものだった。
仕事柄、ごくたまに変なものが撮れてしまうことがあるが、今日ももしかしたら写るかもな、と思いながら助手を連れて店へ行った。
 中休みの時間だったので客は誰もいない。
それで、3階に行くと、そこだけ空気が膜を張ったみたいに湿っていて重いがした。
試しに4階に上ってみると普通だった。
厨房はというと5階にある。

“ 空調回ってんのかな?”

と見ると、回ってる。

“ こりゃ本物かなぁ・・・。”

と思いながら仕事を開始した。
 リニューアルした部屋を順番におさえて行く。
ぱっと見ただけだと、変なものも写っていないので安心した。
 それで、最後に一番奥の部屋に行こうとすると、

「 あ、そこはいいですよ。」

と言われた。
その部屋だけリニューアルしてなくてクロスも古いまんまだった。

“ なんでだろ?”

と思って聞くと、普段は使わない部屋になっているとのことだった。









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しづめばこ 10月3日 P398

2015-10-03 18:34:05 | C,しづめばこ


しづめばこ 10月3日 P398  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月2日 雨降り

2015-10-02 18:47:56 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 10月2日 雨降り


 数年前のことだ。
電車の荷棚に誰かが置き忘れたらしい一冊の単行本が目に入り、目的の駅につくまで暇だったもので、なにげなくその本を手にして読んでみた。
 タイトルは今は覚えていないけど、たしか禁断の呪文のなんたらと書かれた本だ。
中には、恋がかなうとか、受験で合格するとか、いろんな呪文が書かれていた。
興味が出て、駅に着いてもそのままその本を持って出た。
 休みがてら公園のベンチに座り、その本をパラパラっとめくっていると、雨乞いの呪文というのが目にとまった。
そういえば数日間まったく雨が降らず、その日も快晴で青空が空一面に広がっていた。
 じゃあ試しにコレでもと思い、そこに書かれた雨乞いの呪文というのを唱えてみた。
すると、今まで快晴だった空に、みるみるうちに真っ黒な雲が広がって来て、辺り一面、昼とは思えないような暗さになり雷まで鳴り出した。
そしてザァーッとものすごい豪雨になった。
 公園の屋根のあるところに避難し驚いていたのだが、30分ほどすると、ものすごい勢いで降り続いていた雨はピタッと止み、空を覆っていた黒雲もサーッとどこかに消え去って、またさっきまでのような快晴の空に戻った。

“ この呪文の効果なのか?それとも偶然?”

 呆気にとられていたのだが、もしも本の呪文が本物だったらという思いもあって、帰りの電車の中でも、いろいろな呪文が書かれているのを見ながら、金持ちになれる呪文とか唱えたら・・・、とニヤニヤしながら帰宅した。
 いざ、家に帰ってカバンの中を探してもあの本が無い。

“ もしかしたらあの電車に置き忘れてしまった???”

なんとなく無意識に電車の荷棚に読んでいた本を置いてしまったような気もする。
 数日後、その日も晴天だったのだが、急にまたあのときのように空が真っ暗になり、30分ほど豪雨が降り続いたあとピタッと止んで快晴の空に戻った。
そのときから、

“ ああ、きっとあの本を拾った誰かが、また呪文を唱えたのだろうな。”

と思うようになった。









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