大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月6日 別荘地(4)

2017-01-06 19:21:00 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月6日 別荘地(4)




 俺は帰った早々、台所にいた母親に、

「 警察を呼んで!」

と大声で言った。
 親父が、

「 どうした、どうした?」

と慌てて聞いてきた。
 俺が見たことを話すと、母親は、

「 怖いから警察呼びましょう!」

と言ったが、親父は、

「 警察は呼ばない!」

と頑なに言い張った。
 母と二人で、

“ 評判を落としたくないと言う、いつもの頑固が出た。”

と呆れたが、とりあえず親父が言い出したら聞かないので、警察は呼ばなかった。
 その後、夕食を食べながら、

「 泥棒だったら、どうするんだ?」

って話になったが、父は、

「 あれは泥棒じゃないから、変な噂を立てない方がいい。」

と強く言っていた。
 どうやら父は、それを知っているらしかったが、何なのかを具体的に聞くと、

「 わからん。」

と言うだけだった。
 臆病な母親は、

「 幽霊かもしれない・・・・。」

と怯えて言っていたが、俺も内心それしか頭に浮かばなかったが、口には出さずにおいた。
 後に親父からは、

「 相手しなければ、害は無い。
無視しろ。」

と言われた。
 俺には、

“ 相手したら、どうなるんだよ・・・?”

と言う疑問が残りはしたが、

“ 深入りしたら危険かも・・・。
まあ、害が無けりゃ、いいか・・・。”

と言う訳で、放置状態で今に至っている。











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日々の恐怖 1月5日 別荘地(3)

2017-01-05 19:48:03 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月5日 別荘地(3)




 不安になった俺は犬を見る。
犬はいつも通り地面の臭いを嗅いだりしているだけで警戒した様子はない。
 犬に勇気付けられ、とりあえず様子見ということで、光の正体を確認してから警察に通報することにした。
 家が見渡せるところまで移動し、木の影から様子を伺う。
赤い光は見えなくなったり、また見えたりと何かを探している様子にも見えた。
 数分すると光は一階から二階に移動したようで、またゆらゆらしているのが見える。
俺は木の陰から観察していたが段々それが泥棒じゃないかもと感じ始め、徐々に別の恐怖が湧いて来た。
 その光の動きが人間の動きには見えない異様な動き方をしている。
人間がライトを持って移動している動きではなく、ふらふらゆらゆら上の方にも下の方にも動いている。
 俺は犬を触りながら気を静めようとしたが得体の知れない光と、誰もいない林の中で自分ひとりの状況に震えた。
 俺は用心のためライトを消した。
すると、直後に光が二階の東側窓の前で止まった。
そして、カーテンがゆらゆら揺れ出し、何か人の手のようなものがチラチラしている。
 俺は、

“ 手、泥棒・・・?”

と思ったが、やはりおかしい
 恐怖心からか、その手が手招きしているように見えた。

“ 俺、見付かったか!?”

それを意識した瞬間、

“ ゾクッ。”

全身悪寒が走った。

“ うわっ、やばい。”

俺は猛ダッシュ、犬を引きずるように必死に家まで遁走した。












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しづめばこ 1月4日 P469

2017-01-04 19:10:31 | C,しづめばこ



 しづめばこ 1月4日 P469  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
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日々の恐怖 1月3日 別荘地(2)

2017-01-03 18:09:15 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月3日 別荘地(2)




 その直後に、おかしいことにも気づいた。
ライトで駐車場を照らすが車が無い。
そして、雪の上には、車のタイヤ痕も足跡も無い。
 俺は、

“ 別荘地に多い、空き巣狙いの泥棒が入ったのか?”

とまず疑ったが、敷地内に足跡も無いので、それもおかしい。
 しかも、その灯りは赤っぽかった。
ずっと見ていても動きがないので、非常灯か何かが点いたのだと解釈して家に帰った。

 次の日も同じ時間帯に散歩に行った。
いつも通り一番奥の家まで行き、昨日気になっていた謎の光りがあった窓を見てみると何もない。
 俺は、

“ やはり非常灯がついていただけか・・・・。”

と結論付け帰路に着いた。
 しかし、別の家でまたあの光を目撃することになった。
それは奥から三番目の家で、最初の家からは100mは離れている。
 同じような赤い光が窓から見える。
昨日と違う点はその光が動いていたことだ。
 カーテンは閉まっているのでカーテン越しに赤い光が移動しているのが見える。
俺は何をしたらいいのか分からなくなった。

“ あれは泥棒か?
だとしたら、怖いが通報しないと・・・。
 警察は30分ほどで来るだろうけど・・・。
でも、あまり騒ぎを起こすと、土地の評判が落ちるので慎重にしないといけないし・・。”











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日々の恐怖 1月2日 別荘地(1)

2017-01-02 18:01:58 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月2日 別荘地(1)




 東京での生活に疲れた俺は仕事を辞め、親父の仕事の手伝いをすることになった。
親父の仕事は別荘地の管理をしている。
当然、静かで人のいないところだから、俺が静養するのに丁度良かった。
 そこは東京からも近いので、今ではかなりの別荘が立ち並んでいる。
別荘地は夏場は人が多いが、シーズンが去ると結構閑散となってしまう。
そんな別荘地で、気になることが一つあるのだが、それは、今でも偶に遭遇してしまう。
 親父はイングリッシュセッターという大型犬を飼っている、
この犬はガンドックと言われる鳥猟犬なので、一日の運動量がすごい。
その上、運動が足りないとストレスで吠え出すので、最低でも1時間は散歩に行かなければならない。
 犬の散歩は、俺の体力維持にピッタリだった。
たいていは、夕方に散歩することになっている。
一応、自分の引き受けた仕事として見回りも兼ねているので、重要な業務ではある。

 それと最初に出会ったのは、2月頃だった。
その日、俺は5時ころ散歩に出かけた。
 5時となるとかなり日も落ちるので、暗くなると足下が危ない。
だから、8NX415と言うSWATや軍隊が使っている強力なライトを持ち歩いていた。
 別荘地は林が基本的な風景、そこに家がちらほら建っている。
歩いていても、避暑地なので、冬は人がほとんどいない。
 結構寂しい場所で、そこをウロウロ歩く。
それも、このときは雪が道路に積っていた。
 一番奥の家まで行って折り返そうとしたとき、その家に明かりが灯っているのに気が付いた。
 俺は、

“ あれっ・・、こんな時期に誰か来てるのか、珍しいな・・・。”

と思った。











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日々の恐怖 1月1日 マンガ喫茶(2)

2017-01-01 20:19:59 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月1日 マンガ喫茶(2)




 俺、学生時代良く行ってた所で変な物見たよ。
いつも空いている店なんだけど、田舎な場所で平日の昼前のせいか、客は俺くらいしかいない時だった。
 探してたマンガがある棚の前辺りに、ずーーと立ってる女がいた。

“ まぁ、そいつがどいてからマンガ取りに行けばいいか・・・・。”

と思って、ドリンクコーナー行ってホットコーヒー飲んで、トイレ行って、それから戻ってきたのに、まだいる。

“ 何だよ~。”

と思うと同時に、

“ メンヘラ系かな?”

とも思って、一度席に戻ろうと反対側向いたんだけど、かなり気に入ってるマンガなんで早く読みたい。

“ まぁ、やわらかく言えば波風立たないだろう。”

と思って、再度その棚の方に向き直したら、突然いなくなっていた。
考え直して向き直すまでの時間って、せいぜい1~2秒くらいだ。
 その店の構造は、マンガがある棚のフロアと座席があるフロアが隣同士で分かれている。
マンガがある方は、図書館みたいに棚がいくつも平行に立ってて、壁も棚になっている。
誰か人がいて、その人が移動してもすぐに見つけられるはずだった。
 でも、妙に気になって探してみたんだけど、その女はどの棚の通路にもいなかった。
店内は静かなんで、誰かがいれば歩く音でも聞こえるくらいだけど、そういう音もしていない。
消えた以外考えられない。
 それ以来、その店には行っていない。
店内の照明が控えめな上に人が少ないから、落ち着いた感じで気に入ってたんだけどね。
客が少ないのは、立地の問題だけじゃなかったんだろうな。











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