祭り当日。晴れている!去年は雨だったそうだが、これなら今年は絶好の祭り日和になりそうだ。
サッサリの華やかな祭り「カバルカータ・サルダ」。今回の旅の目的の1つはこの祭りを生で見ることだった。
この祭りは、1899年、当時サルディーニャを治めていたウンベルト1世とマルゲリータ王女がサッサリを訪れた時、これを歓迎しようと地域の人びとが、色とりどりの伝統衣装に身を包んで出迎えた。その風景が原点となって始まったといわれる。
今は3000人以上の人びとがサルディーニャ各地の特色ある伝統衣装に着飾り、また何百頭もの馬がそのパレードに参加して華やかに町を練り歩く。
数えて今年で68回目となる。毎年5月の最後から2回目の日曜日が開催日になっている。
早速朝食をそそくさと済ませて、前日決めていた見物場所に向かった。到着すると、ちょうど予定していた場所に地元のおばあさんが椅子を持参して座っていた。
「Buongioruno!」 あいさつして隣に立つと、おばあさん、さっそく質問攻めが始まった。「どこから来たの?」「祭りをどうして知ったか?」「いつサッサリに来たか?」などなど。
このおばあさん、毎年この場所で祭りを見ているということで、こちらもどのグループの衣装が素晴らしいか、パレードは何時間くらいかかるか、などの情報を仕入れることが出来た。
そんな楽しい時間を過ごしているうちに午前9時を過ぎ、いよいよ祭りがスタートした。
先頭の音楽隊と騎馬隊は警察が担当しているようだ。そして、サルディーニャ島の4つの地方、72の市町村による華やかな衣装の行進が始まった。
この祭りをジャンル別に詳しく見てゆこう。まずは団体の行進風景から。
パレードは市町村ごとに分かれて進行する。それぞれが地元の民族衣装に身を包む。
ここはまるでアラブのお姫様風なスタイルが特徴的。
赤を基調に効果的に青があしらわれた素晴らしい衣装。
対してこちらはコザック風。サルディーニャには紀元前にアジア・アルタイ高原の遊牧民族が移住してきたという説もあるという。
パレードはゆっくりと進む。その合間に衣装を整えなおす風景も見られた。
マーチングバンドが一緒に行進する町もあり、とても賑やか。
地元サッサリのパレードが登場すると、一際大きな拍手が起きた。
まるで花嫁衣裳のような華やかな服装だ。
原色を使ったトロピカルなユニフォーム。このグループにも大きな歓声が上がった。
紫色のシックな装いが美しい。
年齢、性別不問。地域住民がこぞって行列に参加しているみたいだ。
心から祭りを楽しんでいるみたいな陽気なカップルを見つけた。
緑のヴェールはこの町だけの特徴的な色だった。
このように各地域の住民が総出で祭りに参加する、全員で楽しみを享受する、バラエティ豊かなイベントだということが、直に伝わってきた。