ブールジュ大聖堂屋上から一転して今度は地下室へ。ちょうど地下礼拝堂のガイドツアーが始まる所だったので、参加してみた。地下へ降りて行く。
まず目につくのはジャン・ド・ベリー公の墓。ベリー公はフランス王ジャン2世の第3王子で、百年戦争中期のフランス最有力貴族の一人。ブールジュを含む西フランス地方を支配して栄華を誇った。彼が画家ランブル兄弟に描かせた「ベリー公の華麗なる時祷書」は有名だ。
ベリー公はガウンを着て、黒大理石のテーブル上に横たわっている。
横に最初の妻ジャンヌ・ダルマニヤックがひざまづいて祈りを捧げている。
死せるキリストを悲しむ「ピエタ」の群像があった。中央で聖人たちに支えられる聖母マリアの姿もある。劇的な光景だ。
端正な聖母子像。
こちらはキリストが十字架に架けられるところ。脇の人物の腕が欠けてしまっている。
こちらも顔が欠けている。これらは大聖堂壁面などにあったもので、修理を待っているところのようだ。
群像の胴体が真ん中から割れてしまっている。長年のうちに至る所で修理が必要になってくるようだ。
そんな中で印象的な顔つきだったのがこの像。なかなか荘厳な雰囲気の中にも優しさが感じられる表情で、この聖人なら悩み事もしっかり聞いてくれそう。
このほか修理を待つ像たちがずらりと待機していた。
こちらは柱のつなぎ目かもしれない。
こんな風に何体もの像が待機中だった。
それにしても地下室なのに実に明るい。周囲に12もの窓が設けられており、13世紀建設の地下礼拝堂の中では最も明るく美しいと評されている。