柴又・帝釈天といえば、寅さん。
日本人なら誰でもすぐに思い浮かぶ組み合わせが、帝釈天とフーテンの寅次郎だ。その想定通り、柴又の駅を降りるとすぐに寅さんが出迎えてくれた。
さらに、数年前からさくらの像も追加された。この向きを見ると、また旅に出ようと駅に向かう寅さんをさくらが見送るシーンのようだ。
駅から数分、門前町から歩くと。帝釈天の入口・二天門が見えて来る。
門をくぐると、帝釈堂の建物。正式な名前は日蓮宗経栄山題経寺というらしい。
この建物の中に、すごい芸術が控えている。彫刻ギャラリーと題された一角だ。
10枚の胴羽目。縦1.27m、横2.27mの板10枚に、法華経の説話から選び出されたシーン10題が、精密な細工で掘り出されている。
これは風神雷神図のようだ。
一人一人の仏たちの姿が、鮮明に浮かび上がってくる。
龍が飛び出してきた。
大正末期、最初に彫刻師加藤寅之助(あら、この人も寅さんだ!)が1枚を完成。その後東京の9人の彫刻師に依頼してトータル10数年をかけて完成したという。あまり知られていないのかもしれないが、一見の価値は十分にある。参拝の折にはぜひここまで足を延ばしてほしい。
その奥には、遼渓園という日本庭園があり、ここでゆったりと憩うことも出来る。