聖橋を渡って湯島聖堂に到着した。
儒教の始祖・孔子を祀る廟。林羅山が上野に建てた孔子廟を、五代将軍綱吉が現在地に移転、後にここが幕府直轄の昌平坂学問所となった場所だ。
学問所は明治になって廃止されたが、聖堂はそのまま残ることになった。杏壇門は漆塗りで仕上げられた美しい門だ。
ここから大成殿に参拝する。元の建物は関東大震災で焼失したが、1935年に伊藤忠太の設計で再建された。
中央には孔子像。両脇に2人ずつの聖賢が控えている。
この建物では屋根に注目しよう。日本の城ではしゃちほこに相当する場所にある「鬼口頭」と呼ばれる神魚が、潮を噴き上げている。
その近くでにらみを利かせているのは「鬼龍子」という想像上の霊獣だ。
この辺は、妖怪好きで有名な設計者伊藤忠太の好みが存分に発揮されている。こんな企みは、同じく伊藤忠太設計の築地本願寺でも発揮されている。
大成殿を後にして横道を行くと、巨大な孔子像がある。高さ4.5mと世界最大の孔子像だという。1975年台北ライオンズクラブから寄贈された。(この像は午後に行くと完全に逆光となったしまうため、いつも暗い顔になってしまう)。
像の先が一般見学者用入口「仰高門」になる。とにかくここは私にとって、怪獣ウオッチングの場所になっている。